脳へのダメージ対策は運動が効く【『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン著】

スマホとの関わりを反省し、自分らしい人生を送るために、この本を読んで自分なりに吸収した部分を記録するために本記事を残す。

書評とは異なるが、ひとつの読み方として受け止めてもらいたい。

最も良いのは、ご自身でも本書を読んでみることなのは言うまでもない。

 

『一流の頭脳』の著者による「スマホの弊害」啓発の書

今や一人一台が当たり前となったスマホ。スマホなしの生活なんてもう考えられないほど身の回りに浸透してきている昨今、スマホの使いすぎが脳へ与える悪影響が度々指摘されてきた。

有名なところではiPhoneの生みの親、スティーブ・ジョブズは子どもにデジタル機器を触らせなかったというエピソードがあるほど。

この世界に「スマートフォン」を送り出した張本人は、その道具が人間に与える悪影響を理解していたのかもしれない。

そんなスマホの人間への影響を、きちんと科学的手法で調べて確認したのが、本書の著者であるアンデシュ・ハンセン氏だ。

氏はスウェーデンで精神科医として働きながら、脳のパフォーマンスを十分に引き出すには運動が最適だということを証明した(『一流の頭脳』参照)人物でもある。

そんな彼が、スマートフォンの使いすぎによる弊害、依存してしまうメカニズム、それらへの対策を一般向けに述べたものが本書の内容となる。

なんとなくスマホの使いすぎは良くないのではないか、とモヤモヤしている人が多い(私もその一人)と思うが、本書はそんなモヤモヤした心配を、冷酷な事実として明らかにしてくれる非常に優れた良書だ。

 

スマホは1日2000回以上接触できる報酬の源

私たちは今、高度に発達した情報社会に生きている。

その日常では、非常に発達し便利になった電子機器等(例えばスマホ)を駆使して、様々なサービスを利用している。

もはやスマホなしでは生きていけないのではないかと思うほどに生活に密着している。

ではなぜそこまでスマホが私たちの生活に入り込むことができたのか?

それはスマホを使うことが私たちが古来より生き残るために発達させてきた、脳内の「報酬」発生機構に組み込むことに成功したからだ。

 

本書によれば、スマホを触ることは脳内に報酬物質が放出される行動であるという。

つまりその行動(=スマホを触る)は生き残るために有利な行動であると判断されている。

なぜか。

人類は長い間、飢えとの戦いを続けてきた。

そのためあらゆる行動は、飢えを避ける行為につながる。

スマホを触るということは、そこになんらかの新しい情報があるかもしれない、という期待感を満たす行動であり、その期待すること自体に報酬が支払われているというのだ。

これは食物を探そうとするときに、木に登って果実を手に入れられるかが不確実なときにも、とにかく木に登って確認するという行為に似ている。

木に登る前には、その気に果実が実っているかどうかはわからないが、もしかしたら食物が手に入るかもしれない。

その小さな可能性を逃さないで探索することが、生存にとって非常に重要な要素となるのだ。

人類のこの性質は、次から次へと興味の対象が移り変わることにも言える。

一本の木に果実がなくても、他の木や別の場所に高カロリーな食物があるかもしれない。

かつ、周囲に危険が迫っているかもしれない。

そんなふうに常時、あらゆる方向に注意を向けていることが、生存確率の向上に役立ってきた。

現代では、スマホがその欲求を満たしてくれる。

ただじっと座ってスマホをいじる行為は、動き回ることによるエネルギーの消費を抑え、新しい可能性を探しながら、あらゆる危険を察知するための行動につながる。

そしてそれらの行為を繰り返す度に、脳内では報酬物質が放出されて人はもっとスマホを触りたくなる。

この繰り返しがスマホへの依存を高めることとなる。

人間は未だに狩猟採集民である

人間はその始祖が生まれた時から、生存にとって優位な性質を備えた個体が生き残ってきた。

急激に環境が変化し、その性質が円滑な社会生活を妨げうる事態になっても、それは変わらずに稼働し続けている。

だからまず、私たち自身は未だに狩猟採集を行なって生きている人類となんら変わらないということを自覚することが大切となる。

その上で、スマホを触ることが自らの性質上、とても気持ちのいい行為なのだと認識することがまずは重要だと言える。

著者の前著『一流の頭脳』に書かれているように、脳のパフォーマンスを高めるには運動が効果的だと先述した。

これも狩猟採集生活をしていたころに、生存確率を向上させるために脳が進化した結果であるという。

狩猟採集生活は、とにかく歩き回って食物を探すことが最優先である。

だから食物を探すための移動(=ウォーキングやランニング)を行うことで、脳から報酬が支払われたり、身体機能や脳のパフォーマンスが向上するように出来ている。

このことは脳のパフォーマンスを向上させることに着眼してのことだが、スマホとの上手な付き合い方を模索するためには、大きなヒントになる。

とはいえ、スマホを捨て去るわけにはいかない

スマホを触ることで擬似的にかつての狩猟採集生活時代の報酬が得られるが、現実世界ではそれはほとんど良い影響を及ぼさないことは明らかだ。

ではスティーブ・ジョブズの子どものようにスマホを完全に触らないようにすべきなのか。

脳や身体にとって良いのはそうすることかもしれない。

しかし今やスマホなしでは買い物もできなくなってしまう。

最も良い着地点としては、スマホを使いこなしつつ自身の心身を健康に保つことである。

しかし脳の仕様上、意思の力だけでは不可能だ。

だから物理的にスマホを使いたいと思わないような工夫をすることが大切である。

まず自分が1日に何時間スマホを触っているかを把握する。

その上で、画面を見ても良い時間を制限する。

スマホでなくてもいいことは、別のアイテムで代用する(目覚まし時計を使う、等)。

SNSなどの通知はすべてOFFにし、電源もOFFにする時間帯を設ける。

仕上げに、それらを実行できるような意思力を強化する。

が、それが最も難しく、スマホの問題をややこしくしているのだが、この本をこの著者が書いている意義はそこにある。

解決方法とは、すなわち運動である。

 

スマホの使用時間によって精神面への影響の度合いが大きく異なることが、本書の中でも明らかになっている。

そしてまた、生活の中にわずかな運動習慣を取り入れるだけで、スマホの使用時間を制御しやすくなる(運動すればスマホを触る時間も減る)。

具体的で詳しい対処法は、本書244ページからの「デジタル時代のアドバイス」に記載されているので、参照してほしい。

実践してみた感覚や感想

本書を読み終え、私も実際に運動を取り入れたり、SNSやニュースなどの通知をすべてOFFに設定してみた。

すると、スマホを気にする頻度が激減し、本来やるべき作業にも集中力が続くようになった実感がある。

また、運動(私は近所を1時間ほど散歩した)も取り入れてみたが、確かに1回だけでも気分が明らかに爽快になった。

心拍数が上がり息が切れ、汗をかくくらいの運動が最も望ましいとはいうが、うっすら汗ばむ程度でやや息が上がるくらいの早歩きでも精神面での効果はてき面である。

本書では1回45分程度、週に3回以上行うとよいとあるが、確かに1回だけでは数日後には気分は元通り、行動意欲なども減退して怠惰な雰囲気が戻ってきた。

だが運動習慣を身につける(2〜3週間続けると習慣化されるという)までは意思力で頑張り(スマホの通知OFFで集中力は続く)、その後は習慣的に運動を行うようになれば目覚ましい変化が訪れるであろう…ということは容易に予想できた。

本書の内容を認識した上で運動をすると、その変化の大きさに驚くばかりである。

その後、近所の散歩は1時間と決めずに10分でもいいからやろうと決め、一度出かけると1時間弱は歩けるもので、無理なく運動が習慣になりつつある。

実際、運動(散歩程度の軽いものでも)をしたあとは、非常に気分がよく頭もクリアになっているのがわかる。

その気持ちよさを得たくて、運動したいというふうにも思えるようになってきた。

これは自分でも驚いているほど。

本書では筋力トレーニングよりも有酸素運動のほうが効果的だと書いてあるが、私の実感としては、筋力トレーニングでもある程度の爽快感と思考の明瞭化は感じられた。

しかし継続性や運動後の思考の明晰さは、有酸素運動のほうが強く、また継続性もあったように思う。

これは本に書いてあったせいもあるかもしれないが、主観的にはそのように感じた。

あくまでも私個人の感想であり、私は普段あまり運動しない生活をしていたせいもあり、少しの運動で顕著に違いが感じられた可能性もある。

しかし過去にうつ病に罹患した際も、無理矢理に仕事で体を動かすことになってから寛解した経験もあり、運動自体の効果というのはかなり信憑性があるように思われた。

今後も軽い運動、ウォーキングのような無理のないものを続け、集中力や意思の力をしっかりと維持していきたいと思った。

というか、普段からよく歩くような生活パターンに変えた方がいいな、と心底思うのだった。(ちなみに狩猟採集生活では1日に10km以上、歩数にして10,000〜14,000歩は歩く生活だったのが、現代の都市生活者では1日に7,000歩程度にまで減少しているとのことだ)。

 

スマホ脳
アンデシュ・ハンセン/久山 葉子 新潮社 2020年11月18日頃
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運動こそ脳を鍛える最適解【『一流の頭脳』アンダース・ハンセン】

精神科医による脳の取説みたいな本

教育大国スウェーデンの精神科医による、脳のパフォーマンスを向上させるための方法が書かれている本書。

人間が本来はどのような生き方をしてここまで生き残ってきたのか、を考えたら、そりゃ当たり前でしょと言えるような結論ではある内容。

現在を生きる私たちが精神を病みがちになったこと、特に社会のデジタル化が進むにつれ精神的な病や大きなストレスを抱えるようになった原因は、運動しないことにあったという。

 

運動は抗うつ剤かそれ以上

精神科医でもある著者によれば、担当した患者に運動を行ってもらったところ、抗うつ剤を服用するのと同等の気分や精神状態の改善が見られたという。また、精神疾患を患っているわけではない健常な人々に対しても、ある程度心拍数が上がる運動をしてもらったところ、知能が向上することがわかった。さらには認知症の予防にも効果的であることもわかってきた。

知能テストを行う直前に運動をしたり、あるいは運動しながら記憶しようと学習行為を行うと、その成果が向上するということもわかってきた。では、一体どのような運動が効果的であるのか?運動なら筋トレでも有酸素運動でもなんでもいいのだろうか?

 

効果的な運動とは?

本書の実験によれば、脳にポジティブな影響をもたらす運動としては、筋力トレーニングよりも有酸素運動のほうが効果が大きいという結論に至った。

それもインターバルトレーニングのような厳しい負荷をかけるものではなくても、たとえば軽いランニングやウォーキングなどの軽い負荷のもので十分だという。

そうした軽度の負荷のかかる運動を、数分間行うだけでも効果が見られるが、ランニングを45分×3回程度行うことが最も効果的であると言う。

重要なのは、心拍数をあげることとのことだ。

そしてこの運動を、継続することが脳の活性化には重要になってくる。

もちろん一回だけでも効果があり決して無駄ではないが、運動しない状態が続けばまた元の状態に戻ってしまうのは言うまでもない。

だから脳を本来のパフォーマンスを発揮しやすい状態に変えていくには、半年くらいは継続することが重要である。

運動が習慣化すれば、脳だけでなく身体も健康になり、気持ちも前向きになったり活動的になったりするので、すでに運動が苦にならなくなっているはずだ。

クリエイターに太っている人が少ないのは、そうした人々は運動することが、よいアイデアを生むことを習慣的に知っているから?かもしれない。

 

私たちは未だに狩猟採集民族

本書にはなぜ運動が脳に良い影響を与えるのか、その理由や人類が辿ってきた歴史にも着目しつつ記述されている。

私たちがつい怠惰になってしまうことは実は生存戦略の一つであったことや、集中力が続かないことで周囲の危険を察してきたからこそ生き残ってこれたことなどだ。

脳のパフォーマンスを引き出し、より仕事や勉強の成果を向上させたいという思いで本書を手に取る人が多いと思う。

もちろんそうした人にとっても本書は自己改革の重要なきっかけになりうる一冊だと思う。

しかし本書は現代社会を生きる私たちが、環境の激変についていけてないのではないかということを、一度立ち止まって考える機会も与えてくれる。

情報社会として進歩が加速度的に進む現在にあって、それを生み出し進歩させている私たち自身は、いまだにサバンナで狩りをしていた狩猟採取民族と同じ身体を持っているのである。

 

社会不適合は能力の暴走か

本書を読み終えて感じるのは、現在病気とされている精神状態の多くは、狩猟採取生活を送るために最適化された私たちの仕様が、現代社会に対して適合しなくなっている部分が現れているだけなのだなということ。

社会の要請としての振る舞い、社会性などを身につけて実行しようとすることは、これまで人類が生き残るために身につけてきた能力を押さえつけることになる。

本書でも触れているが、例えば「多動症」と言われる状態は、周囲に常に注意を払うことで危険にいち早く気付き回避するために必要な能力だし、ライバルより早く食料を見つけるための強みともなる。

これが現代社会では、落ち着きのない状態と言われ、それを押さえつけることが難しい状態を病気として決めつけてしまっている。

 

生きやすい社会は自分達の特性を知ることから

現在、生きづらさを感じている人は非常に多いのではないかと予想できる。

それは、本書で言及しているように、狩猟採取民族としての強みや能力を未だに手放せずにいるからという面が大きいと思う。

人類の進化は数十万年単位で行われるものであるが、デジタル化による社会の変化はまさに一瞬で環境が激変したようなもの。

人類が未だかつて体験したことのない社会になりつつある中で、私たちがその能力を発揮して、自分らしさも尊重しながら生きるには、自分たちは狩猟採取民の脳や身体を持っているのだという自覚を持つことが重要だったのだ。

そこから、人類の特性にあった社会のしくみを再構築していくこと、そんな姿勢がこれからの社会を形作っていくには大切なのではないかと思わされる本だった。

一流の頭脳
アンデシュ・ハンセン/御舩由美子 サンマーク出版 2018年03月
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ずぼらボディメイク 〜ノーリバウンド最強説〜 橋本裕子 著

ずぼらボディメイク ~ノーリバウンド最強説~

『ずぼら』な全ての人への福音

ストイックなダイエットや自分を極限まで追い込む筋力トレーニング、そして食欲という生命維持へ直結する欲望との決して勝てない戦いを経て、ついに自分自身を律することを諦めた全ての勇者たちへ。

そんな身も心もボロボロになり、すっかり食欲や怠惰な生活習慣に浸りきっているかつての戦士たちに送る、まさかの『すぼらボディメイク』。

「ずぼら」であることを自認する著者による、まさにずぼらさんのためのズボラであるが故にうまくいくボディメイク(ダイエットではない)の方法指南書が本書です。

私もこの本の著者の橋本さんにアドバイスを受けたことがあり、その極端な身体の反応に驚いた記憶があります。

その後私は過酷なブラック企業での奉仕に飲み込まれたりブライベートで一悶着あったりして完全に乱れてしまいましたが、ここで本書を読み返すことでリカバリーしつつあります。

理想の状態を維持するために常に最高水準の緊張を強いる従来の方法(いわゆる様々なダイエット法やトレーニングなど)を手放し、気づいたら修正、リカバリーしやすい身体(ニュートラル状態を良好に)を作るという発想の転換を楽しみながら読み進められる一冊です。

自分の身体が「わがままボディ」になって久しい私自身、筋肉もつけたくてライ◯ップにも通ってみましたが、意思の力で一時的に負荷をかける方法は強制力がなくなった途端に終わります。

一方で本書の方法は、身体が元に戻ろうとする力を使う(=生活習慣の乱れでわからなくなっている身体の反応に対して敏感になり、それを拾って対処する)もののため、「何もしていない」という認識でどんどん身体が良い状態になっていきます。

そんな本書を読み、実践し続けた後には、ダイエットや体重の数値に縛られていた人ほど奇跡のような自分の身体、健康状態に驚くことになるでしょう。

今はまだ信じられないでしょうが、そんな本です。

 

不健康に痩せられても、健康に太れない

この本の肝になることは、まさに「不健康に痩せられても、健康に太れない」です。

ダイエット法やトレーニング、それに食事管理と言った身体のマネジメント方法は巷に溢れていますが、どうしても体重の数値に注目しがちです。

そして痩せるということは不健康な状態(病気やストレスによる)でも実現しうるものです。

一方で太っているということは、そもそも身体が消費しきれないエネルギーを過剰摂取している状態で、身体からの欲求がどこか狂っているということになります。

こうした現状を踏まえて、今私たちが認識しているダイエットや健康の考え方を改めることから本書はアプローチしています。

美しい身体は健康の先にあるのです。

体型を気にしがちな方に多いのが、疲れやすかったり肌荒れが続いたりしているにもかかわらず、「やせなきゃ」という強迫観念にも似た焦りを持っていることがあります。

私もその一人だったことがありますが、「太った=不健康」という認識は容易に想像できますが、それなら痩せれば健康になると勘違いしてしまうのです。

これらの認識が重なり合って、現代人はとにかく「やせなければ」と焦り、次から次へとダイエット方法や新しい何かを求め続けてしまいます。

その結果、目に見える効果が出るまで継続できずに「自分は痩せにくい体質なんだ」という諦め、「今は仕事のストレスがあるから」などの自分への言い訳へと繋がっていきます。

こうした負の連鎖を断ち切り、健康でバランスの取れた身体へと「戻っていく」方法、その最短距離を最速で突き進む方法が、この本の「ボディメイク」にあります。

ダイエットではなくボディメイクとしているところがミソですね。

実践して効果を実感している私からしたら、ダイエットというものは不要なのだとさえ思います。

 

基本は「玄米」「生野菜」「水」だけ

そんな奇跡のような方法が実在するのか?どうせストイックな食事管理やトレーニングが必須なんでしょう?って条件反射的に思いましたか?

思い出してください、本書は『ずぼらボディメイク』です。

意思の力などこれっぽっちも信じられないかつてのダイエット戦士たちが、自分の身体の本来の力を引き出すことで、まるで何もしていないかのように自然に元通りになっていくプロセスがこの本のスゴイところです。

かつて断食や1日1食、糖質制限や菜食を実践したあとにこの方法に辿り着いた私は、このなんの変哲もない普通の感じで効果が出るのか?という印象を抱いたのが正直なところです。

だってかつて玄米食や酵素摂取、1日2Lの水を飲む、と言った方法は実践してきた(つもりだった)からです(それで効果がない、と感じてその方法を放棄してしまう流れも、本書では解説されています)。

この本の方法は、「一度に一気に変えると”決めて”、そして”続ける”」ことが大切です。

なぜなら一部を少しずつ変えても、実際に効果は出ているのですがそれを実感できず、かつての私のように「これも効果がなかった…」と誤解して、また新しい方法を探し彷徨うことになるからです。

そして本書のやり方は、まず1週間でも2週間でも先に決めて、玄米とそれと同じ量の生野菜を食べ、そして透明で味のついてないただの水を2L飲む、ということです。

基本はこれだけです。

さらに効果を早くかつはっきり明確に実感したい場合には、小麦を避ける(玄米食べてたら小麦製品の入る余地はない)、乳製品を避ける(水2L飲むと牛乳とか入らないし、玄米食に乳製品は合わない…気がする)などがあります。

私がこの食事を実践して感じたのは、まるで大昔の日本人が食べてたものを再現しているかのようだということ。

本当に切実で切羽詰まった身体の不調を抱えている場合(かつての私)には、四の五の言わずに実践できるのですが、そうではない場合で健康で美しい身体を手に入れたい、という場合には、いろいろ乗り越えるべき障壁があると思います。

でも、自分の人生を生きるためには乗り越えるのが正解。

家族の健康のためだったりお財布事情のため、というものもあるのですが、まさに情けは人の為ならず、自分のためにも家族や同居人を巻き込んで実践すべきと言えます。

なんでそこまで言えるのか…は本書に詳しく書かれています。

又聞きの私の文章よりも、自ら立ち向かって乗り越えた著者の文章にて、その乗り越えるべき理由とその意義をご確認ください。

 

書籍になったことでいつでも見返せる

私は本書が出る前にも著者の橋本さんから指導を受けたことがありますが、数年が経過する中ですっかり堕落した状態に戻ってしまっていました。

しかし小麦をできるだけ避けること、水は2L以上飲むこと、食事の際には生野菜をその他の料理と同じ量だけ食べること、を無意識のうちに続けていました。

そのためか、本書を読み直してリカバリーを試みたところ、みるみるうちに不調が軽くなり、精神的にも前向きになって行動力が戻ってきているのを感じます。本当です。

ずぼらでもできる、とはありますが、その導入部では一部ストイックになればなるほどはっきりと効果が実感できることもあります。

むしろ導入部で大幅に生活習慣、というか食習慣を切り替えてしまう方が、結果的に楽に変われたりします(禁煙も同様ですね)。

その理由として、私たちが食べたいと執着する食品(小麦製品や砂糖たっぷりおやつ)は、タバコ同様の中毒性があり、そのせいで過剰摂取につながるのではないかと個人的には考えています。

だから極端にゼロにして、最初の2~3日だけなんかソワソワして過ごすのが効果的なんじゃないかと思います。

それに精製された糖質は、身体が元通りになったあとにはそれほど欲しくならず、むしろ食べると体調を崩すことが理性も無意識も理解していきます。

自然のままの新鮮な果物や野菜が、どんなお菓子よりも美味しく感じ、その生命力をいただくありがたみを全身で感じられるようになるのです(嘘のようですが本当です)。

そんな記憶が体に刻まれていたせいか、この本を読みながらも姿勢を正し(気づいた時に戻す!というのがコツ。無理に常時続けようとしない)、玄米を食べようと決心し、水を2L以上飲むように目盛り付きのケトルを引っ張り出してきました。

そして実感してきた効果は、腰痛の軽減。

そんなバカな、と思うかもしれません。

しかし腰痛はストレスが大きな原因の一つとも言われているものです。

姿勢を正し(身体の物理的な歪みを除去)、小麦・乳製品を断ち(化学的なストレスを除去)、お風呂にゆったりと入り(精神的ストレス、温度のストレスを除去)、総ストレス値が下がって余裕が生まれたからかな?と思います。

かつてこの方法の効果を実感していたにもかかわらず、改めてその効果を目の当たりにしたところ驚くほどテキメンでした。

あまり褒めたり上げたりするとかえってウソくさくなりますが、本当なんだから仕方ない。

そんな本です。

 

健康の維持増進が結果的にボディメイクにつながる

健康に関してはほぼ全ての人が生きているうちに必ず興味を持ちうるテーマです。

だから健康に関する情報量は膨大で、研究も玉石混交、本当に正しいものを見つけることは困難を極めます。

それに人体の正確な仕組みは未だ完全に解明されたとは言い難く、同じ方法が個人差によって効果がバラつくこともしばしばです。

本書の内容は、栄養学や医学の裏付けを取ろうとすれば取れるのでしょうが、「ずぼら」な人が実践でき、そして効果を実感できることを目的としているので、難しい理屈はすっ飛ばしています。

しかしながらその実践内容は、かつての日本人(縄文時代くらいまで遡る?)が長年続けてきた食習慣に近いもので、おそらく私たちの体にはよく馴染む方法なのだと思います。

これだけが唯一絶対の正解である、とは言い切れませんが、少なくとも現代における市場主義によって生み出された食味は優れた加工食品よりは、かつてあった自然の食物に近い状態、かつ私たちの身体の仕組みに合致した食物の摂取はのほうが安全である、とは言えそうです。

結局自分の身体を作るものは自分が食べたもの100%です。

「食べるものくらい好きなものを食わせろ!」という声が聞こえてきます(私の心の声も…)が、今の脳が食べたいと訴える食物は、本当に体が必要としての欲求なのでしょうか。

心身ともに健康であり、明晰な意識を維持している状態でも、そのラーメンやアイスクリームは必要なものなのか。

正直、ちょっと心が揺れますが、少なくとも健康になるために食べるものではないのではないでしょうか。

もしこのように少しでも思うなら、一度騙されたと思って「玄米、生野菜、水」を中心とした食生活を試してみるのも一興かもしれませんよ。

 

最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 溝口徹 著

最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 (光文社新書)

人体の本来の機能を取り戻す食事

この本は人体が正常に機能するめに必要とされる栄養素を至適量摂取することによって、健康を取り戻そうとする「オーソモレキュラー」療法について書かれた本です。

オーソモレキュラー(Orthomolecular)とは「ortho-[整える]+molecule[分子]」という造語で、ビタミンCの大量摂取によって風邪を治す方法を提唱したライナス・ポーリング博士によって初めて使われた言葉です。

ポーリング博士も著書でも、体が抱えている様々な負担や物質の欠乏状態を改善し、体が持つ本来の機能を引き出すことで病気や不調を改善していく方法が説明されています。

本書で説明されているオーソモレキュラーでも、体が抱えている負担(主に栄養素の欠乏による連鎖的な反応)を栄養補給によって改善し、体が持つ本来の機能を発揮できるような状態にしていく、ということを目指しています。

読んでみると、当たり前だよって思いがちな内容ではあるのですが、今の私たちの食生活は糖質過多の食事になるような基準が作られていたり、外食時のメニューも糖質(米、パン、パスタなど)が主食となっています。

そのため糖質そのものの取りすぎによる不調、そして糖質によってカロリーの6割以上が摂取されているため、重要な栄養素である脂質やタンパク質が常に不足してしまうという現状もあります。

これまで異常なしとされていたが感覚的な不調とされるものや未病のようなものも、オーソモレキュラー的な視点から血液検査の結果を眺めたら、慢性的に不足している栄養素が見つかるかもしれません。

そして糖質中心になりがちな現代の食事内容を見直し、タンパク質や脂質(役割の違う脂質がかなりある)を自分の体に必要なものを必要な量だけ摂るように変えていくことで、あらゆる不調が治ってしまうというのがこの療法。

本当かよ、って思いますが、少なくとも私の場合は糖質を極力減らし(1日50g未満)、タンパク質を1食あたり30g程度、そして1日に130g(完食でプロテイン等を飲みます)程度摂るようにしたら、風邪を引かず花粉症も起こらず、白髪が減ったという変化がありました。

もしかしたら自分の気持ちの持ちようや、他の要素(筋トレをしたとか、ストレスが減ったとか)もあるかもしれませんが、自分はこのような変化が起きてきました。

 

自分の体は食べたものでできている、という自覚を持つ

当然ですが、自分の体はこれまで食べてきたものを材料として作られています。

すると脳も自分の食べたものでできており、食べたもので動いています。

この本で触れていた症例に、統合失調症や発達障害の方がオーソモレキュラー療法を実践して改善したと言うものが載っていました。

食べたものが精神にまで影響するのかと驚いてしまいそうですが、精神を司るのは主に脳ですし、その脳は食べたものでできているのだから当然のこととして必要な物質が不足すれば機能不全が起こってきます。

オーソモレキュラーとの関連は不明ですが、発達障害のお子さんは腸内環境が悪いことが多く、糖質制限を行うと症状が改善するということもよく聞きます。

これもオーソモレキュラーの観点からしたら、糖質による血糖値の乱高下や小麦や乳製品などによる腸壁の荒れによって、情緒が不安定になったという繋がりが理解できてきます。

私自身、体感的に糖質制限を行っている時には疲れにくい上に、気分も安定した落ち着いた精神状態でいられているという感覚があります。

それに付き合いで糖質を含むもの(ケーキやお菓子など)を食べた後には、激しい脱力感やもっと甘いものを食べたいという底無しの欲求が生まれてきたりと、明らかに糖質による変化が実感できています。

この自分の体験と本書の知識から、食べるものは体にかなりの影響を及ぼしており、そしてそれは精神面へもかなり大きな影響があるのだという意識を持つことができました。

 

人体の潜在能力を引き出す

人類をはじめとする現在存在するあらゆる生命は、これまでの環境の変化に耐え抜いてきた最強生物と言うことができます。

ということは、様々な環境下でも生き残るための方法を身につけているともいえます。

特に飢餓については、人類の永遠のテーマとも言える問題でした(故に現在の飽食が害になってしまいます)。

それら過酷な状況というのは、人体にとっては乗り越えることができるものではありますが、確かなストレス、ダメージとして蓄積されていきます。

そのダメージを受け止めるために、余裕のあるところから不足のある部分へと身体能力の一部が割かれていき、常にアンバランスな状態で運用されることになります。

短期間であればそれは適度なストレスとして、人体が活性化するきっかけになるかもしれません(厳しいトレーニングなどのように)。

しかしそれがずっと続く、もはや当たり前の環境になってしまうと、なんとか堪えていた体の方も負担が蓄積し、結果的になんらかの不調を訴え始めます。

そうなったときに初めて私たちは対策を取ろうと受診したりします。

オーソモレキュラーを医療として活用しようとする本書では、この状態をスタート地点として、血液検査や問診などから必要な栄養素を突き止めて補給します。

しかし、まだそこまで不調が感じられないが、なんだか疲れやすいとか風邪を引きやすいなどといった状態の時から、本書のような視点を持っていれば、自分の力で、しかも食事という毎日の習慣の中から改善することも可能となります。

 

ライザップやカイロプラクティックの視点とも重なる

ライザップでこの本を教わる

ライザップといえば「結果にコミットする」ダイエットとして有名ですが、実際に受けてみて感じたのは、ダイエットによる体重減少よりも全身の筋肉が活性化して引き締まったという方が強い印象でした。

結果は体重約-7kgに対し筋肉量は-2kgに抑えられ、脂肪の減少量は-5kgでした。

トレーニングを終えてみての実感としては体が非常に軽くなっており、生活も活発に、身軽に動けるようになっています。

ライザップ中の食事では糖質を極力減らし、タンパク質と脂質を中心にカロリーを摂取するよう指導され、週2回の筋力限界ギリギリ超えた負荷のトレーニングも行いました。

体重は糖質制限だけでもストンと落ちるのですが、それだと脂肪より先に筋肉が減ってしまい、一旦痩せても太りやすい身体になってしまうというのです。

そこでタンパク質を摂取しつつ負荷の強いトレーニングを継続、そして脂肪として蓄積しにくい脂質をエネルギー源にして生活をしていきます。

糖質は筋肉量を増やすときには重要になるのですが、筋肉の増大とともに脂肪としても蓄積されてしまうのでダイエットして筋肉を増やしたいと思っても、まずは断糖・高タンパク食をしながらトレーニングで筋肉量低下を防ぐのだそうです。

ライザップでの指導を受ける中で、なぜこういう食事がいいのか、そしてなぜあとで糖質を取らねばいけないのか、などいろいろ疑問が出てきます。

ライザップ中はトレーナーに質問し放題なのですが、指導期間を終わってしまうと質問もできなくなってしまいます。

そこで今後も自分で体をコントロールできるような知識が整理された本を教えて欲しいというお願いに対して、本書を教えてもらったのでした。

ライザップでの極限にまで追い込むトレーニングを終えた後に読むからこそ、書いてある様々な事柄が実感を持って理解できるようになっていました。

その上で現代の日本人に足りないのは、たんぱく質と脂質。そして糖質が多すぎる。

これだけは確実に言えるでしょう。

 

カイロプラクティクでも同じような栄養指導があった

私はかつて椎間板ヘルニアにかかり、カイロプラクティックの施術を受けていました。

これはアメリカで生まれ、骨格のバランスを整え、体が正常に機能するように栄養と休養を摂ることを勧めるものでした。

一般的に整体などと同一視されがちなカイロプラクティックですが、その施術自体はほんの一部の矯正だけで、大部分は自分の生活習慣を見直し、運動・栄養・休養をしっかり正しい方法で摂るということになります。

そして赤身の肉を積極的に摂るように指導されました。

椎間板ヘルニアになったとき、慢性的な腰痛や肩こりなどの症状もあり、20代前半だというのに要介護状態の高齢者のような身体の動きをしていました。

あきらかに筋肉が弱っているというか少ないから腰や関節に負担がかかっていました。

それに季節の変わり目ごとに風邪を引き、そして春と秋には花粉症に苦しみました。

今となってはタンパク質が重要で、それが不足していることを発端としていろいろな不調が現れていたのだとわかりますが、当時はそういった知識もなく、なんとなく赤身を食べるようにしていただけでした。

結果的には体も少しずつ改善していったのですが。

そんなただなんとなく指導を受けていた時のことを思い出すと、タンパク質を摂るような食事内容を指示されていましたし、筋肉を維持するための運動を続けるようにも結構しつこく言われていました。

今、この本を読んだあとに思い返してみると、それらはこの本にあるような「必要な栄養を至適量」摂取するような指示だったのだと理解することができました。

 

人は結局死ぬんですが…

人体が必要とする栄養の量と種類は、個人の置かれている状況や体質などによって大きく異なるといいます。

至適量の栄養を継続してとり続け、体が改善したとしてもいつかは死んでしまいます。

だからと言ってオーソモレキュラーが無駄かというとそんなことはなくて、本書でも言及しているがん患者に対しても、全身状態が良好になればがん細胞を休眠状態のようにもでき得るし、そのため余命以上に、かつQOLも良好に天寿を全うできうるといいます。

医療が発達して病巣を取り除いたり薬剤で死滅させる方法次々に開発されて、人々の寿命がどんどん伸びてきています。

しかし生きてはいるけど何もできないほど体調が辛い、というのでは生きていること自体が苦痛にもなりかねません。

そんな時に、本書のような思想、オーソモレキュラーによる人体の潜在的能力とも言える本来の機能を引き出してあげることで、自分の残された時間を豊かに生き切ることができるようになるのではとも思います。

もちろんまだまだ死を意識すらしない世代にとっても、人生を豊かにするためにも体が正常に動くようオーソモレキュラー的な食事を実践することは有意義でしょう。

いろいろな身体症状、そこから派生する精神状態に対して、食べ物という毎日摂取し続ける身近なものから改善でき、自分らしい人生を歩むことができるこの方法は、もっと多くの人に認知され、常識となるくらいに広まって欲しい内容でした。

みるみる痩せる‼︎堀江式ライザップ 堀江貴文 著

みるみる痩せる!!堀江式ライザップ (幻冬舎plus+)

ホリエモンによるライザップ体験記

「結果にコミットする」で知られているライザップ。
そのライザップでホリエモンがダイエットを体験した記録がこの本。

自分の意思だけではダイエットできないとか、過去にダイエットに失敗した、という
人に取ってはひとつの選択肢として考える余地がありそうです。

本書を読むと、
・忙しくてもできる(時間がないから、という言い訳できない)
・挫折しそう(トレーナーが超親切だから挫けようがない)
・筋肉を維持しつつ減量(リバウンドの心配なし)
というライザップのメリットが書いてあるので、ライザップやろうか迷ってた人が読むと
もしかしたら最後の人押しで申込んでしまうかもしれません。

私はこれでライザップを申し込みました…。

 

ライザップ中のホリエモンを追った記録

本書を読んだからと言って、ダイエットの方法が身につくかと言ったら微妙です。
糖質を抑えてタンパク質を摂る、などの基本知識は得られますが、人によって体重変化や
体調、体質は異なります。

本の内容通りにしても体重が減らないとか、どうしても甘いものが食べたいんだけど
相談する人がいないということになります。

専属のトレーナーがいることで、一般論ではなく自分専用の対策が相談できますから、
かなり自分の希望通りの生活が続けられます。

事実、ホリエモンもお米などの炭水化物は抜いていますが、肉や魚は食べており、
従来通り世界を飛び回る生活をしていても週2回はトレーニング出来ています。

ホリエモンほどに忙しく動き回る人もそんなに多くはない、むしろ一般人がここまで
動いていたら、そもそも太らない…なんて私は思いますが、彼ができるのに我々に
出来ない理由があるとしたら…お金の面くらいでしょうかね。

「ホリエモン」という実在する人間がライザップを体験している様子を窺い知ることが
できますから、なんとなく不安なライザップ内部の状況も知ることができます。

私も本書を読むまでは、「結果にコミットする」ということはゴリゴリにキツイんだろう、
と勝手に想像していましたが、むしろ優しすぎて怖いくらいの印象になります。

そして自らもライザップへ申込んでしまうんですけど。

 

アンチホリエモンの人には宣伝に見えるかも

ホリエモンの言動をひとつひとつ否定するアカウントがあるようなことを、ホリエモン本人が
言ってました(アカウントブロックした、とかの趣旨)。

そう言う方が読むと(というかホリエモン嫌いならそもそも読まなそうですが)、この本自体
ライザップのステマか何かかと思うかもしれません。

事実、そうであっても別にいいんですが、私のようにライザップに大金突っ込んでまで痩せて
健康になりたい、でもお金突っ込むほどのものなの?
って迷っている人には、有用な情報源となるでしょう。

ここまで詳細な体験談はネット上で見つけるにしては困難ですから。

内容としては、確かに痩せること、そこまで追い込まれないこと、意外と食べられることが
わかり、ライザップいいじゃん!となります。

アレ?やっぱりライザップの広告だったのかな…?

 

オススメするならこんな人

そんなわけで、この本はホリエモン本にしては珍しく、対象者が限られるのかなあ、と
思います。

ガチガチのホリエモンファンで全てのホリエモン本を読まないと気が済まない人か、
あるいはライザップやろうが迷ってて、どんな内容なのかを知りたい人向け。

私は後者に該当し、この本を読んでライザップってそこまできつくなさそうだし、あの
肉ばっかり食べてる(宣伝ですが…)ホリエモンでも痩せたんだから、効果も確実…!と
思うには十分な内容で、ライザップ始める覚悟を決めるには最適でした。

好奇心からライザップの内容を知りたいって人も読むといいでしょう。

ホリエモンがライザップやマコなり社長のテックキャンプを絶賛している意味がわかります。

「挫折させない仕組み」がしっかり構築されていて、共感によって利用者側のモチベーション
維持と向上、そして取り組み内容と目標へのコミットメントを高めています。

ライザップやテックキャンプのような「苦痛を伴う成長」を継続しさえすれば確実に成長する
コンテンツにとって、その継続性が生命線とも言えます。

そんなコンテンツを扱うこの2社が大きく飛躍しているのは、「共感」による利用者と指導者
の一体感、そして利用者自身の自己効用感や成長の実感を得るフィードバックが大きな意味を
なしているのだなあと感じました。

これはもちろん他業種にも応用可能な方法ですし、時代の流れからしても共感性を高める事は
事業の成長にもプラスになるはずです。

ということで、成長するためのコンテンツを提供している事業関係者も、本書を参考にできる
と思いますので、オススメしたい対象です。

私も教員やっているときにライザップやったら、もうすこし多くの生徒をやる気にさせられた
かもしれない、と思うとちょっと悔しいですね。これからの仕事に活かしましょう!

シリコンバレー式自分を変える最強の食事 デイヴ・アスプリー著

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

 天才が考えた”完全無欠”な痩せるための食事

シリコンバレーで成功を収めた著者が、自分の体をも完全なコントロール下におこうとして、
入力(食べるもの)と出力(体の変化)を厳密に数値化して編み出した、健康にもプラスに
なる(はずの)完全無欠な食事法が書かれた本です。

これまでに様々なダイエットをして失敗した人でもうまくいくであろうとのことですが…
なお、どんなダイエット本にもこのような文言は書いてあるので、鵜呑みにはできません。

本書は2015年に出版され、コーヒーにバターを混ぜる、いわゆる「完全無欠コーヒー」を
世に紹介した本として有名(らしい)。

私は本書を通読し、完全無欠コーヒーがどんな目的で、どのような作用を目指して飲むのかを
理解した上でネット上の記事などで作り方とかを調べたが、そのときに目についたのは、
「バターコーヒーを飲むと痩せる」という、部分的に切り取られた内容の記事でした。

バターコーヒー自体はバターという高カロリー食品が含まれており、これまでの食事にプラス
して飲んだら痩せるわけないです。

で、この方法では痩せないという記事を書いている人が散見されました。
そりゃそうでしょ…。

 

この本の方法はヤバイくらい痩せる。でも…

私はこの本を読み始めた時、体重が90kg目前まで増えていました。
糖質大好きで白飯をとにかく食べる習慣があったんですね。コスパいいし

しかし体重が増えすぎて、腰や膝が痛みだし、また食後に吐き気(食べ過ぎ)、
下痢(食べ過ぎによる消化不良)、偏頭痛(人工物食べ過ぎ)などなど、様々な
不調にも悩まされていました。

そこで、この本の方法を試してみようと思い立ったのでした。
で、実際にコーヒーにバターを入れて、すごい速さで回る泡立て器みたいなマシンで
混ぜて乳化させるんですが、味がすんごい苦手。

コーヒーもバターも好きなのに、混ぜると頭痛がする様な味に。
私の好みがそうだったのでしょうが、これには参りました。

でも、痩せる為に2週間ほど続けました。
(もちろん朝食を食べる代わりに、です)

そして2週間経ったが…

本書には完全無欠な、いわゆる糖質制限食のようなメニューが提案されています。
しかしどれも日本で作るには材料の調達がめんどくさいこと、そして手間とコストが
かかることが問題でした。

ですから日常のなかでできる範囲で似た感じのものを自炊し、様子を見ました。
(食物のカビとか添加物を摂ると心拍数が上がるから、コーヒー豆は水洗式がいいとか
バターは牧草を食べて育った牛(グラスフェッド)のバターがいいとか。私はとりあえず
そういう細かい仕様はちょっと緩めました)

本書はこれらの食事を続けていると、2週間でまったく違う世界、すなわちパフォーマンスが
劇的に向上したり、世界の見え方が変わってくるなどとあり、さらには体重が1日200gずつ、
確実に減っていくともありました。

体重は確かに1日200g、すなわり14日(2週間)で2.8キロ減ったんです。
これはすごい本だ!そう思いました。でもね。

体は重いし料理は面倒だし材料は高いし…

まあ、収入が激減というか止まっている私にとっては継続が無理なんですね。
それなりの品質のものを揃えようとすると、なんかみんな高いんですよ。

そしてなによりも非常にめんどくさくて、そして極端な食生活をしていると、つい誘惑に
負けて黄色い看板のラーメン屋さんで味濃いめにしてしまうのです。

この本のメニューを毎日作ってくれて、かつコストも安ければいいのになあ、
と切実に思いました。

一人暮らしでものぐさで自炊習慣がない、ややおデブで怠惰な中年男性には、
この本のメソッドは実現が困難でした。

ただ、痩せる効果としては劇的です。

ちゃんと本に載っている通りのメニューを作り、指示を忠実に守ることができるなら、
必ず痩せるでしょうし、それだけではなく健康でバランスの取れた体にもなれます。

著者が言うには、精神面でも変革が起こるようですが、そこまでは私にはわかり
ませんでした。

というか、自堕落な生活を長く続けた結果がおデブな体なわけです。
こういう本の指示通りに食生活を改善できるほどストイックならば、そもそも太らない…。
こう言う思考が、より怠惰で奔放な食生活を引き寄せているでしょうね。

やはり外部からの強制力が欲しい…。

痩せるにはカロリー制限より糖質制限か

本書ははっきり糖質制限食だとは書いてなかったと思いますが、代わりに脂質をしっかり摂り
必要なエネルギーを得ることが大切と言っています。

これまでのダイエットといえば、カロリー制限が主流でした。

しかし最近はカロリーよりも糖質をコントロールするほうが重要では?という流れになって
きている様です。

体内で脂肪が蓄積されると太る、というわなので脂肪を敬遠したくなる気持ちは
よーくわかりますが、蓄積されにくくエネルギーになりやすい脂肪をとった方が、
いろいろ良いことが期待できそうです。

結局糖質制限する理由も、穀物がうまくて食べ過ぎちゃうのをやめさせるためのような
気がしないでもないですが、糖質を絶って脂肪をエネルギーに変換する体内の仕組みが活性化
するように働きかける意味も、糖質制限にはあるようです。

エネルギー変換しやすく、余ったら脂肪として蓄積しやすい糖質は、やはり生存にとっては
重要な物質なのだと思います。
だから異様においしく、もっと食べたくなってしまうのです。

そこをなんとか乗り越えて、というか思考を切り替えて、農耕以前の原始的な食生活に似た
たんぱく質(肉、魚、貝など)と少量の木の実やナッツを食べる食習慣を主流にしていく、
ということが体にとっては負担が少ないのかもしれないですね。

 

私はその後、結果にコミットする個人トレーニングを行うジムに行くことになりますが、
やはり糖質を抑えてたんぱく質と脂質でカロリーを摂る様に勧められます。

ここの指導には医師や管理栄養士も関わっていることもあり、かなり信憑性が高いです。

やっぱり人体を正常に動かすためには、穀物を主食とするよりも肉や魚を多めに食べ、かつ
微量元素を摂る為に野菜を適量食べることが求められるのでしょう。

こうした食事が世界的に認知された時、食料問題の形がまた変わってくるんでしょうか。
なんだか人類の深い業を感じます。

快視力 視力の眼から心身の眼へ 田村知則 著

快視力—視力の眼から心身の眼へ

視力の定義を覆す本

本書は眼鏡やコンタクトレンズの屈折検査の専門家である著者が書いた、
本来の視力を引き出し、物の見え方を補助する眼鏡のあり方を提唱するものです。

現在、特に日本で顕著だとのことですが、「遠くが見えること=視力がいい」とする
風潮が非常に強いといいます。

近くがよく見えて、遠くに焦点があいにくい場合、視力が悪いと言われます。

一方で遠くがよく見えて、近くが見えにくい場合、老眼や遠視という表現は日常会話でも
なされてはいますが、目が悪いという印象をあまり受けません。

このような環境では、遠くを見るより近くを見ることの方が圧倒的に多い現代社会でも、
遠くのものがよく見える状態をよしとし、それを目指す視力矯正が行われがちです。

その矯正視力で近くのものも(とても頻繁に)凝視する機会が多いために、どんどんと
近視の方向へと視力の調整力は働いていきます。

結果として、より遠くが見えにくくなり、さらに強い矯正をかけることになります。

本書では、そのような遠くを見るための「視力」を絶対視し、視力をとにかく上げる
ことに執着するのではなくて、眼は脳と密接に関わっているという考えの元、
目と脳の情報処理系の負担が少なくなるような、本来の見え方とも言える状態である視力
(心身の眼)を実現する眼鏡を作ることを提唱しています。

目玉1つ1つのレンズの性能だけではない、モノの見え方とは?という深遠なるテーマを
掘り下げている名著と言える本です。

 

本書の内容

目次より
1章 ストレスだらけの現代人の眼
2章 自分の目の使い方を知る
3章 「見る」という眼の仕組み
4章 眼と脳、眼と心
5章 視力を超えて「できる眼」へ
6章 眼の能力を高めるメガネとは
7章 スポーツビジョンの本質と誤解
巻末 視線のチェックシート

 

本書では眼を取り巻く環境、現代社会での生活における眼の使い方、そして「眼」そのものの
仕組みやものが見えて認識する仕組みなど、「視力」と一括りにしていた能力について、
かなり深く掘り下げていきます。

世界的には眼鏡やコンタクトレンズといった物の見え方を矯正する器具は医療機器として
扱われています。

もちろん日本でも眼科医の処方箋に基づいて眼鏡を作ることもできますが、最近では簡単に
視力検査を行って、安価にかつ短時間で作ることが出来るようになっています。

元々眼鏡を作るためには数万円はかかるものという認識が一般的でしたが、
今では5,000円から、などという眼鏡が増えてきています。

眼鏡を安く作れることでファッション性を求めたり、コーディネートの一部として楽しむこと
も気軽に出来るようになり素晴らしいことです。

しかし簡単に検査をしただけの眼鏡を使っていると、目が疲れたり肩こりや頭痛などの症状が
出てくることもあります。

私自身は、パソコンでの長時間の作業や、長い時間の読書などをしたあとには、眼の奥が
重たい感じや軽い頭痛を感じることがかなりありました。

これは遠くを見るための視力を強化した眼鏡をかけているからで、近くを見ることには
適していないことが考えられます。

さらに、人によって眼の使い方はみな異なっており、左右の眼で高さが違ったり
視線が中央によりがちだったり外側に広がりがちだったりと微妙な違いがあります。

それらの相違は脳の情報処理過程で補正され、脳が視覚を認識する上では違和感を修正して
視覚として認識されています。
ですから、多少の視線のズレなどには気付きにくいのです。

しかし絶えず脳が左右の眼から送られてくる視覚情報のズレを修正し続けていると、だんだん
脳の情報処理をする領域も疲れてきます。

少しずつの負荷が蓄積して、長時間近くを見続けるとか、たぶん合っていないであろう眼鏡を
使い続けた後には、頭痛や眼の奥の重さが現れてきてしまうのです。

そうした普段、バックグラウンドで行われている処理を軽減し、眼本来の見え方をサポート
してあげるためには、両目のバランスや見え方の癖、普段の眼の使い方などを細かく検査した
上で最適な眼鏡を作ることが重要になってきます。

そこで問題になってくるのが、近くを見たり遠くを見たりと、状況によって眼の使い方が異な
ってくるということ。

本来であれば、眼鏡は状況によって使い分けるのがベターです。

例えば車の運転用(遠くを見たり、広い視野が必要)や家の中用(近くを見ることが多い)
などと複数の眼鏡を持つことが推奨されます。

しかし本当に精密な検査を行って眼鏡を作ろうとすると、10万円近くのお金がかかります。

そこで、遠くを見ることだけを重視するのではなく、ある程度の視力を犠牲にしつつ、眼や脳
にストレスのかからない眼鏡を作ることが次善の策となります。

そして近視の人の場合は、読書やパソコン作業をする時には眼鏡を外す、などひと手間を加え
ていくことが、眼と脳の負荷を減らし、本来のその人のパフォーマンスを引き出すことにも
つながってくるのです。

 

まとめ−「できる眼」実現のための眼鏡を作ろう

以前「視力を下げて体を整える 魔法のメガネ屋の秘密」の読書記録を書いた際にも言及した
「認定眼鏡士」が在籍するお店で、まずは自分の眼に合った眼鏡を作ってみることです。

今、コンタクトレンズや簡単な検査だけで作った1万円程度の眼鏡を使っていて、日々、
頭痛や肩こりに悩まされている人の場合、眼鏡が合っていないこともあり得ます。

そんな時には、自分の眼に合っている眼鏡なのかを確かめてみて、予算が許すのならば
認定眼鏡士のお店で、精密な検査結果から作った眼鏡を試してみることをお勧めします。

視力検査だけではなく「両眼視機能検査」という、両目のバランスを測定する検査(これは
眼科などで斜視などと診断された方が「プリズムレンズ」を導入する際に使う検査、とのこと
です)で見え方の質を測ったりするのです。

そうした検査に基づいて作った眼鏡をかけると、だんだんと体の歪みや視覚修正のために
無理をしていた体の各部が正常に戻っていく…ということもありうるようで。

全て眼鏡のせいとも言えないでしょうが、慢性的に身体が辛いとか頭痛、肩こりがひどい、
という場合には、眼鏡を見直してみるのもいいのではないでしょうか。

腸内宇宙 100兆個のハーモニー 馬場錬成 著

腸内宇宙―100兆個のハーモニー

腸内細菌と人体の関係性を一般向けに解説

本書は1992年5月に初版発行された書籍です。

この当時、腸内細菌と人体が共生関係にあると一般の人は想像だにしなかったと察します。
そんな時代背景において、腸内細菌が人体へ多大な影響を及ぼしているのだということを、
広く普及させようと試みたのがこの本が出版された意義。

未だ「成人病」という表記が時代を表しています(現在では「生活習慣病」)。

 

牛は草しか食べないのに…

「牛は草しか食べないのになぜ肉ができるか」
本書はこのような疑問を持った少年の問いから始まります。

ある家族が腸内細菌について知識を深めていく過程を傍観することで、読者にも易しく、
理解が深められるような構成になっています。
この本に出てくる主人公の少年の父親が、高校の化学の教員という設定。

私も高校の教員でしたが、化学の先生がここまで微生物について詳しいというのは、
ちょっと飛躍している印象を受けますが、「分かりやすい解説」「ちょっと高度な内容」の
説明を正確に行う、というキャラ設定上、高校教師がちょうどいいレベル感なんでしょうね。

そんな高校教師の父親が、息子の疑問に答える形で物語が進んでいきます。

そして時には疑問を深掘りしたり、事前に調べものをするような課題を与えたりしながら、
家族全員が腸内細菌について理解を深めていきます。

というか今(2020年)を生きる私にとってこの本の印象は、中学生のころの教科書的な
雰囲気をとても感じる物でした。

この家族、優秀すぎるだろ…。

 

知識としてはやはり1990年代らしいもの

腸内細菌についてまったく知らないとか、名前くらいしか知らないという人にとっては、
その基本的な知識、の理解を得るにはうってつけの本と言えるでしょう。

ただ、そういう人が手に取るか?といえば、その可能性は限りなく低いでしょうね。
ご自身の腸内環境が悪化している…という時には、もしかしたら手に取るかもしれません。

腸内最近の状態と、人体の健康や体感的なものとの関連性を知るにはレベル感がちょうどいい
内容でもあります。

まだ健康な体を維持するための方法についてや考え方が、人間(や生物)の体は機械のような
ものである、という機械論的な印象を受けるところもあります。

今でさえ人体の複雑な仕組みが完全に解明されきっているとは言い難いですが、当時としては
「こうすれは、ああなる」的な機械への入力と出力の関係のような、固定された単純なモデル
を想定しているのかなあ、と思います。

とはいえ、知識としての腸内細菌を理解するにはとてもいい本です。

 

今の視点で改めて読んでみる楽しみ

実験の方法や信頼性、そして今後の展望や可能性にまで言及しており、本書発行から30年後の
私が読むにあたっては、高齢化予想などの数値を現実のものと見比べると面白いです。

実際に、未来予測というのはやや極端な内容となることが多い(警告する意味でも)ですが、
それをも上回る現実が今起きつつあるということを知ると、なんともいえない気持ちです。

ただ、腸内細菌に関する内容については、さすがは当時の最新知識を詰め込んだだけのことは
あるなあという内容です。

現在、健康に少しでも関心がある人ならば、腸内環境の改善が健康な心身の維持にとても重要
であることは常識のようになっています。

そういう少し進んだ視点をお持ちの場合、本書のような発行当時の最新知識を網羅した入門書
というものは、読みながらツッコミを入れたりする楽しみ方もできます。

そして現在の知識との比較をすることで、研究の発展過程もわかり、網羅的な理解にも繋がる
のではないかと私は考えています。

そんな副次的効果も期待できるものですから、こういう古くなった科学的書籍を好んで読んで
いたりします。

今すぐ役立つ最新知識!とか、そういうものではなく、知的な興奮を体感し、さらなる学びへ
のモチベーション向上に利用されると良いのではないかと思います。

お時間があればご一読ください。
きっとご自身のお腹のコンディションにも気を配るキッカケを与えてくれるでしょう。

視力を下げて体を整える魔法のメガネ屋の秘密 早川さや香 著 眼鏡のとよふく 監修

視力を下げて体を整える魔法のメガネ屋の秘密

早川さや香 著 眼鏡のとよふく 監修

視力を下げて体を整える 魔法のメガネ屋の秘密

昔ながらの”高い”メガネの理由がわかる本

本書「視力を下げて体を整える魔法のメガネ屋の秘密」は、なぜ眼鏡が高価なのかの理由が
わかる本でした。

今や1本5,000円〜など、とてもコスパの良さそうなメガネが簡単に手に入ります。
私も本書を読むまでは10,000円程度のメガネを何度か経てきています。

もともと数万〜十数万円くらいするようなものだったメガネが、比較的気軽に作り変えたり、
何本か所持することがしやすくなるような値段にまで下がってきたのは素晴らしいことです。

5,000円程度で作れるものが、かつては数万円もしていたということを考えると、かつての
メガネ屋やぼったくりだったのか?と疑問に思いませんか。

私は学生のころに5,000円のメガネを知って以来、ずっと高いメガネに対していいようのない
不信感を持っていました。

目に入ってくる光の屈折度を変えるだけのレンズと、それを保持するフレームの組み合わせ。
それだけのモノに、なぜこんなにも価格差が生まれるのか?
フレームのブランド料やレンズの材質の希少さなどの影響なのか?

そういった疑問が、ついにこの本で解消されました。

 

眼鏡は脳への入力を調節する医療器具

私たちが「視る」というとき、眼が受け取った情報を脳へ送り、その脳が情報処理を行って
初めて「見えた」と認識します。

いわば眼は露出した脳とも言えます。

脳にほぼダイレクトに情報を与える重要器官である「眼」。
そんな眼に入る情報を適切に調節する役割を担うのが、「眼鏡」となります。

初めて眼鏡を作る時、眼科で処方箋をもらいませんでしたか?
つまり眼鏡は、処方箋(医者からの指示)に従って眼鏡屋さん作る医療器具なのです。

まずこのことが、本当は眼鏡を作る際には非常に注意深く見え方や疾病の有無などを
検査することが大切だとわかります。

なぜそこまで検査する必要があるのか?
それは眼から入る情報は、食べ物や薬のように人体への影響が大きいからです。

 

「見え方」が体に及ぼす影響

例えば長時間にわたりパソコンに向かって作業をしている時、目が疲れてきませんか?
それと同時に肩が凝ったり頭痛がしたり、さらには骨格が歪んで腰痛やその他の関節の痛み
まで出てきてしまうこと、ありますよね。

長時間の作業をしていれば誰だって疲れます。眼にとっても同じです。

まぶたを開けていれば勝手に見えている、というわけではありません。
眼にとって近くを視ると言う行為は、とてもエネルギーを要する行為でもあります。
近くにピントを合わせるために、ずっと緊張しっぱなしです。

それが日常的になっていると、もうそれが当たり前になってきてしまい、眼に強いている負担
に気がつかなくなってきてしまいます。

そして、目とは関係ない肩や腰、頭痛などの痛みそのものへの対処療法を取ってしまいます。
結果的に、それらの不快感は解消されず、もう自分は歳なんだ…などと自分を納得させます。

しかし、これらの不快感や疲れやすさの根本的な理由が「合わない眼鏡・コンタクトレンズ」に
あったのだとしたら…。

本書は、千葉県の「眼鏡のとよふく」先代のご主人が、ご自身の大学受験やその後の学習に
おける「見え方」が及ぼす影響の研究過程も紹介されています。

「見え方を変える=眼鏡で調整」による、もっともバランスよく見え、負担が少ない視力を
実現するための眼鏡作りを行っているお店です。

 

本来の「視力」に戻す眼鏡

眼鏡のとよふくさんでは、眼鏡を作る前の検査が非常に細かく丁寧に行っていきます。

なぜなら、その人の生活習慣や目の使い方、体の特性と見え方への影響などを事細かに明らか
にし、その上で無理のない、本来の見え方を「補助する」ための眼鏡を作るためです。

そうした工夫のおかげで、眼鏡をかけた人からは「世界が立体的に見える」「文字の意味が迫って
くるように見える」といった感想が生まれているそうです。

なかには車椅子生活をしていた方が、とよふくさんの眼鏡をかけた途端に立ち上がったとか、
眼鏡を使い続けていくうちに体の不調が改善されていったなどという事例も生まれてきています。

そんな眼鏡のとよふくさんですが、はじめて眼鏡を作る時には予約が必要です。
そしてその予約は、常に数ヶ月〜半年程度先まで埋まっているとのことです。

 

他にもある本来の視力を取り戻す眼鏡が作れるお店

本書でも言及されていますが、「認定眼鏡士」という資格を持つ、一定以上の知識と技術を
身に付けたスタッフがいるお店であれば、しっかりした無理のない視力の眼鏡が作れるはず、
という説明もされています。

多くが昔から町にある眼鏡屋さんで、眼鏡を作るノウハウもしっかり蓄積している技術者が
在籍しているといいます。

例えば遠方にお住いで、わざわざ千葉県の「眼鏡のとよふく」で予約を取らなくても、同じ
ようなしっかりした眼鏡はつくれますよ、ということのようです。

実際、「眼鏡のとよふく」さんへ予約の電話をする際に、そうした地元のちゃんとした眼鏡屋
で作ってみて、それでもまだ興味があるようだったら改めて連絡するよう言われます。

つまり、「とにかく視力を上げる」という眼鏡ではない眼鏡は、本来はありふれたというか、
眼鏡屋さんにとってはあたりまえの認識なのかもしれません。

私自身も本書を読んだ後、さすがに半年も待つのは耐えられないので、大宮にある歴史の長い
眼鏡屋さんで、かなりいい眼鏡を作りました。

私個人の感覚としてはそこまで立体的とか文字が浮かび上がるような感覚はありませんが、
新しい眼鏡をかけた時には、視界が明るく、見るのが楽になった感覚はありました。
そして長時間かけていても耳が痛くなったりずり落ちたりせず、快適な装着感となりました。

なるほど、いい眼鏡とはこう言うものをいうのか。という納得感がありました。

しかし「魔法のメガネ屋」と言われて予約が尽きないお店の眼鏡も、とても気になるのです。
あまりにも気になる、しかし予約期間を待つのはしんどい。

ということで調べていたら、「立体的に見える」という眼鏡が作れそうなお店が、都内にあるようでした。
「ドイツマイスター眼鏡院」さんというお店で、ドイツでは国家資格である「眼鏡を作る人」
の資格を持っている兄弟が経営しているお店のようです。

個人ブログでもこのお店の眼鏡やとよふくさんのことに触れている記事が散見されますので、
次に眼鏡を作る時にはこちらのお店も候補としてチェックしておこうと思います。

あと眼鏡の代金(10万円くらいかかる)を貯めておくことも忘れずに…。

読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー アレン・カー 著

読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー アレン・カー 著

 

呼吸器を守るために今すぐ禁煙!

本書はかなり古い本ですが、コロナウィルスによる肺炎が重症化するリスクとして
喫煙が大きな要因となりうる事実から、改めて紹介することにしました。

ちなみに私もこの本を読んで、2年ほど前に禁煙しています。

実は初めて読んだのはもう10年近く前で、一度禁煙に成功しましたがパワハラや転職等を
経て自暴自棄になった時期に、再び吸い始めてしまったと言う過去があります。

一度完全に禁煙し再び喫煙を始めた場合、本書の方法では禁煙が難しいと書いてありますが、
そんなことはありませんので安心して読み進めてください。

本当はこんな本に頼らずに禁煙なんてできるものなのかもしれません。
しかしそうはいっても今もタバコを吸い続けている場合、なぜ吸い続けているのでしょう?

今は病院で保険適用で禁煙補助薬が処方されます。
そういった方法もあり、私も一度は挑戦したことがあります。しかし失敗しました。

体はタバコを受け付けなくなりますが、それでも無性に吸いたくなり、気分が悪くなるにも
関わらず喫煙を続けていた過去があります。

本書は喫煙習慣にまつわるそういった謎とも言えることまで、まとめて解決できるような、
まさに魔法のような禁煙法が書かれています。

禁煙を果たし、今も喫煙をせずに済んでいる状態となってみて初めて、本書の内容は当然で
なんで喫煙などしていたのか、と思えるようになりました。

現在、喫煙しているが禁煙がしたい、でもやめられない、やめるのが怖い気がする、という
方には、ぜひ本書を手にとって一度、読んでみることをオススメします。

今さら禁煙しても肺の機能は戻らず、コロナウィルス感染による重症化リスクは減らない、
と言う報道が一部でされていますが、実はそうとも限りません。

禁煙すると、今まだ残っている肺の機能が失われた部分の機能を補おうと
頑張ってくれるようになっていきます。

喫煙を続けていてはその残った部分が頑張ろうとすることすら邪魔をしますし、
その残存機能すらも失われてしまいます。

そういう事も含めて、今から禁煙することによるリスクの軽減があります。
まだ希望は持てる!ということで、一刻も早く禁煙しましょう!

本書の内容について

元・超ヘビースモーカーが書いた本

著者は自身もかなりのヘビースモーカーだったと言うアレン・カーという人です。
禁煙に関する分野ではかなりの有名人ではないでしょうか。

本書が発売されたときには、本の帯にも芸能人たちがメッセージを書いていました。
薬や代替品を一切使わない方法での禁煙で、かつ成功しやすいことから
かなりセンセーショナルな本でした。

本書は44章までの構成で、一つの章もそんなに長くないので読むのに労力は要しません。

しかし喫煙者にとって禁煙することは、何か大切なものを失うような、
底なしの絶望感にも似た気持ちを抱きます。

故に、本書を読み進めるのに一日一行しか読まない人もいると本書で紹介されています。

そういった事例や、禁煙に挑戦しようとする人が挫折する理由としそうな言い訳も、
あらかじめ先回りして解決策を提示しています。

本書を読み進めている喫煙者はだんだんと禁煙を受け入れていくしかない、
という気持ちになっていくところが、さすが元・喫煙者の書いた本だなと言う印象です。

いかに喫煙が無益で有害なものか

本書の記述自体は、まずは喫煙のメリットと思われていることから検討していきます。

喫煙者自身もなんとなくわかっているが、直視しないようにしていることが次々と明るみに
されていくので、もはや喫煙を正当化できなくなるでしょう。

特に21章に書かれていることは、著者自身も言うように絶対に間違っていないと言い切れる
事実と言えるでしょう。ここは最も読むべき章です。

精神的依存による習慣化がツラい

喫煙は麻薬中毒のようなものと言われており、頭でわかっていてもそう簡単にやめられるもの
ではありません。…しかしそれは本当でしょうか?

タバコの中毒性はとても強力である、ということが言われています。
しかし身体的依存はそこまで強くはありません。

なぜなら多少吸えない時間が長くても、禁断症状として現れるものは
せいぜいがイライラする程度。むしろ体の状態はよくなっています。
一方で精神的にタバコを欲する気持ちは強く残っています。

これは〈タバコを吸うとなんか知らんがイライラが収まった〉という経験を繰り返すことに
より、〈イライラしたらタバコを吸うと楽になる〉と脳が学習した結果です。

そのため、実はタバコは自分の意思でやめる事もできるのです。
が、精神力でやめようとしてはいけない、と本書では注意しています。なぜか?

精神力で無理やりやめようとすると、潜在意識の意向を無視した行動となります。
すると、人間の行動は潜在意識の望む通りの行動を、無意識にひきこそうとします。
具体的には、タバコを吸ってもいい状況を作り出そうとするのです。

本書での事例では、ワザと夫婦間での揉め事を作り出してイライラして見せ、そんなに
イライラするならタバコを吸ってくれと言われるのを待つ、といったものがあります。

そのくらい潜在意識の影響力は強力なのです。

催眠的なアプローチによる禁煙方法

本書はそのため、催眠的なアプローチを取っていると言えます。

本書の冒頭では、「催眠術であるにも関わらず禁煙できた」と言う記述がありますが、
決して催眠術が禁煙に有効である、と言ってるわけではありません。

しかし本書は、催眠術と言うよりは自分自身で喫煙に関する正しい知識を獲得することで、
納得して無益な喫煙行為をやめると言う”判断ができる”ようなガイドがなされています。

そう言った意味で、いつの間にか「タバコをやめる」と決めて実行できるマインドになるため
催眠的アプローチと言う言い方をしています。

もし吸いたくなったら、本書を読み返すようにできている

本書を一読するとわかるのですが、禁煙後に成功しても急にタバコが吸いたくなくなるわけ
ではないのです。

むしろ禁煙とは死ぬまで続く「タバコを吸わない」と言う選択の連続となります。

タバコを吸うことによるメリットが何一つないと理解していて、
かつ今ではコロナウィルスに感染した時の重症化リスクも大きい状態です。

そんな状況でまさかまた吸いたいと思うわけないでしょう?と思うかもしれません。
ところが残念なことに、必ず吸いたいと思います(色々な形で)。

吸いたいと言うダイレクトな気持ちではなく、
吸ってもいいかなとか、吸わざるを得ないとか、
形を変えた「喫煙への欲求の残滓」が不意に現れることがあります。

試しに一本吸ってしまうとひどく不味くて目が回り、とても不快な気持ちになります。
そして「ああ、これならもう吸わずに済むな」と安心します。

無意識のうちに2本目を吸います。もう喫煙者に逆戻りです。

そんな危機が必ず訪れるなら、いっそ禁煙をやめたい!そう思うかもしれません。

しかし喫煙に関するメリットは一つもないんです。

お金はかかる、健康は害する、臭い、喫煙所を探す手間がかかる、
タバコ吸いたいと思ってイライラする、集中力が下がる…などなど。

いつかまた「吸いたい!」と思う危機が訪れるとしても、
禁煙をすることでこれらのデメリットが全てなくなるのです。

…と言うことを、禁煙してしばらく経って忘れている頃、
読み返すとすぐに思い出せる仕組みが本書の巻末には用意されています。

だから禁煙成功!となっても、本書を誰かにあげたり貸してはいけない、と書いてあります。

もちろん私も、本棚の見やすいところに常に置いてあります。

禁煙によるメリット(時間が浮く)の例

禁煙すること自体でたくさんのメリットがある。それは納得できると思います。
しかしそれだけではなく、時間的メリットも間接的に生まれます。

禁煙の結果、
《ちょっと一服(約5分)×20本(1日分)=100分/日》
が、自由に使えるようになります。

その時間に例えばブログを毎日1本書いたとしたら、1年で365記事書けます。
それだけ書いたら黙ってても毎月数万円のお金が入ってきます。

もう禁煙するしかないですよね。そう言うことです。

 

まとめ

本一冊の値段で禁煙できるなら安いものだ、ということで本書を買いましたが、
結果的に本一冊どころか数十万円分のお金は浮いたなあと言う実感があります。

それに喫煙時間がゼロになったので、その時間を他の活動に充てられます。
喫煙欲求も生まれないので、イライラする頻度も激減です。
そして部屋や車が臭くなりません。かなり活動的になってきています。

現在では世界的な大問題にまで発展してしまったコロナウィルスの感染についても、
喫煙していると死亡するリスクが跳ね上がると言う事実もあります。

かつて喫煙していた人も、全く喫煙したことがない人に比べたら高リスクではあります。

しかし喫煙を続けているよりはずっとリスクは下がりますし、何より今の時期、
「3密」の条件が揃う喫煙室に入らずに済みます。

こんな大変な問題をきっかけに、と言うのは顰蹙を買うかもしれませんが、
ご自身の健康と命、そして周りのご家族の健康のためにも、今こそ禁煙をしましょう。
本書の紹介がそのきっかけの一つになれば幸いです。

 

新装版 漢方医学 大塚敬節 著

新装版 漢方医学  大塚敬節 著

日本における漢方医学の大家が書いた入門書

日本漢方の第一人者である大塚敬節氏が書いた漢方入門本。
昭和30年代に漢方ブームが起こった時に、そういう世相に合わせた書かれたそうです。
かなり昔に出版された(初版は1956年刊。本書は73年刊増補改訂の新装版)本であり、
2001年の復刊にあたり著者の息子さんが序文を書いています。

復刊された版で新装版とはいえ、すでに出版されてから19年。

それでもまだ売れていて中古でなく新刊で買えるということは、この本の支持者が一定数
存在しているということ。時の経過の試練にも残っている名著と言えます。

 

著者について

大塚/敬節
1900年(明治33)、高知市に生まれる。1923年、熊本医専卒。同年、湯本求真に師事して漢方医学を学ぶ。1931年より漢方専門にて開業。以来、漢方復興の先駆的活動をつづけ、1950年、同志と共に日本東洋医学会を創立、同学会理事・評議員・会長・理事長等を歴任。また1974年、社団法人北里研究所附属東洋医学総合研究所設立と共に初代所長に就任、1978年からは財団法人日本漢方医学研究所理事長を兼任し、名実ともに今日における漢方興隆の基礎を築いた。その功績により1978年、日本医師会最高有功賞を受賞。1980年10月15日死去。

-amazon「著者略歴」より引用-

経歴からも東洋医学の専門家であり、日本においてその普及に務めた第一人者であることも
感じられます。
本書が初版から時を超えて支持され続けているのにも納得できます。

 

本書の内容

内容紹介
漢方の歴史から治療方にいたるまで、
斯学の権威がわかりやすく解き明かした入門書

「東洋医学の目標は、どのようにすれば自然にとけ入って、
自然とともに生きることができるか、その法則を究めることにある」との達見のもと、
日本東洋医学会を創設し、漢方の第一人者として今日における興隆の基礎を築いた
先師による漢方理解のための必携書。
漢方の魅力、歴史、診断、薬方解説、病状別治療など、
漢方の要点を具体的に体系的に解き明かす。
漢方医学を理解しようとする人、専門家をめざそうとする人への平易で権威ある手引き。

-amazon「内容紹介」より引用-

専門分野への参入にあたり初学者向けた入門書というのは、大抵が「平易な表現」を心がけ、
などと書いてありますが、本書もそのようになっています。

ただし初学者向け入門書は、その道を極めたような方が書くパターンが多いので、平易な、と
言っても十分に素人には難しい言葉が並んでいます。本書も例に漏れずそうです。

特に1956年初版の本であり、今よりも出版のハードルが高かった時代の本であることを考慮
すると文章表現もカッチリしたものになります。

今、かなりの読書量をこなせる読書家であっても、本書を読んで理解していくのは骨が折れる
行程となります。それでもなお読み込んでいくことで、本書が言わんとしていることが徐々に
染み込んでくる、そういう歴史の重みも感じられる本です。

〔目次〕
漢方医学の魅力
漢方医学の変遷
漢方の診断
薬方解説
病状別治療
薬方集(五十音順)
薬物集(五十音順)

-本書「目次」より引用-

目次からも大体の内容が掴めるように、本書の内容としては「漢方の歴史」「中国漢方と日本漢方の違い」「漢方の診断」「実際の漢方薬」「病気から見た漢方薬」「具体的な漢方薬の調剤について」などの、漢方について大まかな全体像を概観できる構成です。

本書が特徴的なのは、著者自身の体の不調についても具体的な調合例のようなものが書かれて
いること。日本の漢方を今ば整理し直した方だからこそのエピソードです。

漢方薬の病気に対する姿勢や、対処療法が主の西洋薬との違いについても記述されており、
漢方では、症状が似たようなものでも、その人の体質や体調などの状態を診て処方を変えて
いくという点に、漢方こそ自己判断で使っては効き目がなさそうだという感想を抱きました。

風邪を引いたらとりあえず葛根湯を飲んで寝る、というのが果たして正しいことなのか。
基本的に葛根湯は血流をよくして体を温めて毒を出すような作用があるので、大きくハズレる
ことは無いようです。しかし体力を大幅に消耗している時には、身体が弱りすぎてしまって
逆効果になる…なんていうことにも思い至ります。

色々なレビューにも書かれていますが、実用書的な意味合いよりも、漢方医学とはどんな思想
に基づいて身体にアプローチするのか、という根本的な考え方をといた本になります。

漢方について素人の生兵法にならないようになのか、具体的な処方例などはあまり詳細では
ありません。

こうした事が、本書が漢方医学の入門書として長期間支持されている所以なのでしょう。

本書をオススメする人、必要ない人

本書は漢方医学についてしっかりと学び、体系的に身につけようとする人にとっては、
確固たる基礎づくりとして大いに役立つ本であると言えます。

技術系の入門書でもそうですが、ぼんやりした抽象的なことが多く含まれており、
その後の自学自習で間違った道に行かないように基礎固めをしてくれます。

本書はそう言った基礎固め的な要素を多分に含む本であり、実用書・ハンドブック的な
使い方では良さが引き出せないという印象です。

本書が必要ない人は、思想よりもとにかく症状と処方が対照的に検索できるような資料を
求めている人です。本書にも漢方薬と症状の索引がありますが、専門書として見るとかなり
数が少ないのでは、と思います。

素人が安易に手を出すものではないのでしょうが、もしもそうした手っ取り早く情報だけを
欲する場合には、そう言ったデータブック的なものを求めるのが良いと思われます。

 

書評まとめ

本書は入門書の例に漏れず、読み応えのある名著でした。
一通り読み終える頃には、漢方とはどんな考え方でどんな対処をするのか、という基本的な
骨格のようなものが理解できているように感じます。

ただしあくまで入門的な領域なので、具体的にこの症状にはこの薬だな、という判断は
当然ながらできません。

しかし自分で自分の体を普段からよく観察し、自分は普段はどういう性質なのか、
どうなったら調子が崩れて始めているのかと言った注意は敏感になっています。

東洋的なものの考え方はバランスを取ることが中心になりますが、まさに本書の通読を通じ、
身体が本来あるべき状態を保てるように、注意力が身についたような読後感です。

 

マンガでわかる「西式甲田療法」一番わかりやすい実践入門書 甲田光雄 著

マンガでわかる「西式甲田療法」一番わかりやすい実践入門書 

甲田 光雄 著

マンガでわかる「西式甲田療法」

その名の通り、マンガでわかります(笑)
私が生食(に加えて玄米と水)を始めるきっかけになった本でもあります。

この本は西式甲田療法という、断食や運動も組み合わせた健康法を実践するにあたり、
どうやったらいいのかを、イラスト担当の赤池キョウコさんという方が体験しながら
イラストで説明してくれているという内容です。

運動療法の実際の動き方とか、専門的な用語(スイマグ)など、
それが何を意味しているのか、どんな姿なのかを絵で描いてくれるので
とてもわかりやすく実践に移りやすいと言えます。

食べなくては、という怖れからの解放

普通に日常生活を送っていると、1食抜いただけで絶望的な空腹に苛まれます。
体調が悪くても、無理やり食べないと回復しないと思い込んでいました。
ところが今の人類は食べ過ぎによる疾患が大問題となっています。

そこで発想の転換です。
そう、断食をするのです。

私が断食を生活に取り入れた時、胃痛が酷くてほとんど食べられない状態でした。
結果的に断食のような形になっていました。
しかし精神的には食べていないということがとても辛いものでした。

そこで「断食」、すなわち進んで食べないという選択をする、ということに
とても救われたのでした。

西式甲田療法による断食(を含めた)方法

断食は、やり方を間違えると効果がないばかりか危険も伴います。
ただ単に絶食すればいいってわけではないのです。

そこで、詳しいやり方は本に当たってもらうとして、ここでは概要だけお伝えします。
ざっくりいうと、断食は療法の中の1つ、という位置付けです。
◆水を小まめに飲みましょう(1回約30mlずつ)
◆生野菜を積極的に摂取しましょう
◆玄米を食べよう
◆断食もおすすめですよ(ただし我流でやると血を吐くよ…)※著者の経験談
◆下痢気味の人でも宿便(腸壁にこびりついている便)があるよ
◆宿便を出すには断食、水、水酸化マグネシウム水溶液が効果的!
◆抹消血管の循環を促す運動
◆宿便の排出を促す運動
◆背骨を整える運動 などなど…

断食はとても効果的だからおすすめですよ、的なニュアンスです。

正しく効果的にアプローチするための指南書

ただ単に食べないようにすればいいってわけではなくて(それは絶食)、
生野菜や玄米、水をしっかり摂ること、体を整える運動をすることなど、
基本的に健康になるにはやったほうがいいと言われていることをやる感じです。

何だ、それじゃあこの本を読む意味がないじゃん、
そう思うかもしれませんが、実はそうではないんです。
これは効果的なアプローチを、正しい方法で行うための指南書という位置付けです。

イラスト付きであるという点がポイントですので、
まず自分で断食を含めた健康法を試してみたい、という時には
まず読むべき一冊であろうと言えます。

医者も知らない酵素の力 エドワード・ハウエル 著

医者も知らない酵素の力

エドワード・ハウエル 著、今村光一 訳

酵素の摂取で健康になる?

酵素って、何だか健康に良さそうだったり、
自然環境に影響を与えにくいイメージがあります。

この本は酵素の摂取によって健康になりますよ、ということが
色々な事例とともに紹介されている本です。

実際、私自身も体調不良で苦しんでいた時に酵素を積極的に摂るようにしたら、
痩せて、かつ健康になってきました。
個人差とか運動習慣も関係するんでしょうね。

やったこととしては、生野菜、生の果物、お刺身など、
加熱していない食物を摂取するよう意識した結果です。
(あくまで個人的な感想です)

具体的にどう変わったのかというと、
体重は1年で10キロ以上減り(75キロ→63キロ)、
中性脂肪も800から100まで下がり、
肝臓の異常値も正常な範囲に収まりました。

とは言え、通勤時に往復徒歩40分を毎日続けたことの方が
影響が大きいのかもしれません。

酵素が身体にいいと、盲信するのも危険です。

もはや酵素万能説

巷では「酵素がいいらしい」
まことしやかに囁かれていますが、
実際、酵素がどう身体にいいのか?

酵素そのものは身体に直接作用する物質ではなく、
物質と物質が変化するときに、
その変化を促進する「触媒」のような働きをするもの、なんだそうです。

酵素 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B5%E7%B4%A0

ざっくりと内容をまとめると、
・酵素には消化酵素と代謝酵素がある
・一生のうちに作り出せる酵素の総量は決まっている
・自前で作り出す酵素を少なくすれば老化が遅れる
・生食で得られるのは消化酵素である
・外部から酵素を摂取すれば、その分代謝酵素へ回せる
・結果的に身体の自己メンテナンス機能が向上する

という感じ。
自己治癒力を高めようってことなんでしょうね。
生食実践中はそんなこと考えてませんけど。

医者が酵素を勧める本

お医者さんが
「酵素で長生きできるぞ!」
って本を書くくらいだから、それなりに信憑性はあるのかもしれません。

この本の主張を裏付けるための実験についての記述が多く、
何となく信憑性があるような感じに思い込まされてしまいそう…。
とりあえず難しいこと言わなくても、実際に身体の調子がいいので私はいいんですが。

論拠となる実験の記述が多いのが、難しく感じる理由でしょうか。
難しいけれど、酵素が身体によい理由を理解するにはいい本だと思います。

生肉だけを食べてても平気な人たち

P.88~の「原始イヌイットに学ぼう」から

原始的で孤立した北極のイヌイットだけが、医術的なことを行う施術者を、部族の中に持っていない。

原始的なイヌイット、特に北極圏に住まう彼らの生活圏には、
ほとんど植物が生えていない。
故に食物としては、肉と魚がほとんどを占める。

しかも彼らはそれら肉や魚を「生」で食べるし、それを好む。

生の肉や魚には酵素が大量に含まれているが、
この本の主張(酵素はすごい!) に沿えば、それはそうだという結論になる。

食物を自然な状態で摂取することが、
結局は我々の健康に最も寄与するってことなんでしょうね。

この宇宙に存在するものはすべて自然由来のもの。
自然が生み出した人間、その人間が生み出したものですら自然物。

そういう考え方もあるけれど、
ごく狭い視点(時間的、空間的)に立てば、人工物(=精製されたもの等)を
摂取することは、自然が作り出した人間を形作る材料としては不適切なのかもしれません。

一方で加熱調理する人たちは…

原始的イヌイットとの比較として食品を加熱調理する文化を持つ、
ネイティブアメリカンについての記述もありました。

ネイティブアメリカンの人々は
医術や医薬品等の医療技術をかなり発達させていた、とあります。

これは食品を加熱して食べるようになったことに起因する、
という論説へつながっていますが、なんか無理やりな印象。

現代の栄養に関する学問等の発展に伴い、いろいろなことがわかってきましたが、
人体に必要とされる栄養素(わかっている範囲内で。)を全て摂取しても、
あんまり健康にはなれない、と聞いたことがあります。

結局、人間の頭で理解できていることなんて、
自然の一部でしかないんじゃないの?って思ってしまいます。

自然物の1つに過ぎない人間が、そもそもすべてを理解するなんてのは
限りなく不可能に近いほど難しいのかも。
そして最先端を知っている科学者が、一番、科学の無力さを知っているのかもしれませんね。