資格は敗者復活の手段【おじさんは、地味な資格で稼いでく。 佐藤敦規】

おじさん向け敗者復活の戦略

本書は2021年2月に出版された、比較的新しい本だ。

だから本記事を書いている2022年3月も、そこまで陳腐化した情報ではないと言える。

内容からしてすでに時代遅れの方法のようにも思えるが、実はそうでもないということが本書を読むとわかる。

そんな本書は、努力が報われず年齢ばかり重ねてしまい、この先どうしたらいいのかわからないと不安になる「おじさん」たちへの福音書だ。

本書の著者が50歳にして社会保険労務士を取得し、その後会社員時代よりも大幅に年収を増やすことに成功した経験をもとにモデル化した、起死回生のノウハウ。

本書の想定ターゲット層は50歳前後で管理職になれなかったおじさんたち。

体力面でも衰えが隠せない年代のおじさんでもできる、人生後半戦の攻略法。

わざわざ苦労して取るまでもないだろう、という資格たちを使った、敗者復活の最終手段。

それが今、明かされる。

今さら資格?だがそこに勝機がある

正直、今更資格かよって思う。

私もそれなりに資格を取得しつつ仕事をしてきた経験があり、資格なんて「足の裏についた米粒だ」くらいに思っている(つまり、取らねば気になるが、取っても食えるわけではない、ということ)。

だが、資格と言ってもその特徴はさまざま。ちゃんと食える資格を取らなければダメなのだ。

では食える資格とはなんなのか。

今や弁護士でさえ年収100万円なんてこともザラだ。

士業だってAIの発達で不要になると言われている。

そんな時代に食える資格などあるのか。

実はある。

著者が取得した「社会保険労務士(以下、社労士)」をはじめとした「独占業務」がある資格だ。

資格取得後、その資格を元に独立ができる資格である。

なぜ「地味な資格」なのか

本書では著者が取得した社労士や同じく独占業務のある行政書士、宅建士、土地家屋調査士について紹介されている。

これらのほかにも独占業務が設定されている資格はあるし、もっと稼ぎやすそうな資格も存在する。

例えば弁護士や司法書士、税理士、弁理士などだ。

これらの資格はまさに「士業」としてのイメージそのものだ。

稼ぎやすそうなイメージに劣らず、その取得には膨大な時間をかけて勉強する必要がある。

かなりの難関資格だ。

そんな難しい資格、50歳のおじさんが目指すにはハードルが高すぎる。

仮に取得できたとしても、これらの難関資格は若い時からその道の勉強をしてきた人たちがライバルとなる。

とてもじゃないが起死回生どころではない。

一方で、本書で紹介されている資格は、上記の資格に比べて取得が容易で受験者の平均年齢も高め。

特に社労士は受験者の平均年齢が40歳程度で、合格者のうち3割が50歳以上というデータもある。

社労士の業務は主に企業の労務環境についてを扱うことも、企業で長年働いてきた経験がある方が実務面でも有利になりうるのだ。

行政書士や宅建士、土地家屋調査士についても、誰でも受験できるが難易度が高く、今さら食えないと思われている資格だ。

だが、食えないのではなくて個人相手でないせいで稼ぎどころが見えていないだけ。

法人相手の業務が主だから、個人相手よりも安定的に大きく稼ぐことも可能なのだ。

そうしたメリットが見えにくく「稼げない資格」と思われているため参入障壁が高く、競争もそこまで激しくならない。

仕事をしながら勉強するという、普通はやらない努力をする必要があるが、裏を返せば勉強さえすれば確実に資格が取れて稼ぐことができる資格なのだ。

これら目立たないけど稼げる資格のことを、「地味な資格」として取り上げている。

資格取得は通過点

地味な資格の魅力がわかったら、その資格を手にするための方法も紹介されている。

著者自身がイマイチなおじさんから稼げるおじさんに進化したからこその、リアリティ溢れる対策法だ。

私も参考にして、行政書士試験の対策に生かそうと思う。

私が数年前、社会福祉士の取得のためにスクールに通った時のアドバイスに似ているが、さらに「おじさん用」にカスタマイズされた方法が記載されている。

ただし本書は「地味な資格」がいかに素晴らしいか、そしてその資格はいかに稼げるかを論じることが本題のため、受験パートは合格する前提で話が進んでいく。

そういうところも、読者が資格をすんなり取得するものだと思い込ませる力がある。

あえてそのように書いていることも考えられるが、やはり資格は取った後の行動が重要なのだ。

資格コレクターになってしまっては、資格を生かしきれているとはいえない。資格は使ってこそ輝くものだから。

資格を取ったら稼ぐのだ

本書の目的も資格を取って稼ぐことだ。

だから資格取得後の行動についてはかなり詳しく書かれている。

雇われの身でいる期間が長いと、どうしても資格を取った後の行動が鈍るもの。

でもその状態では資格はただの勉強の成果でしかない。

受験モードになっていると、どうしても合格して資格を得ることがゴールになってしまいがちだ。

試験を受けるまでは、確かにそのつもりで動かないと勉強に集中することが難しい。

試験までは正しい態度だ。

しかし試験が終わって資格を得たのなら、そこがやっと「地味な資格で食っていく」ためのスタートラインになる。

やっと始まったのだ。

だからそこから如何に仕事をとってくるかが最大のテーマになる。

すぐに独立して、実務の中で集客を含め学んでいくのがよい、とも著者は言っている。

たしかに現場に出てしまえば、有資格者としてプロフェッショナルの扱いを受ける。

責任も一人前。

新人だからと言い訳も通じない。

だから急激に成長することができる。

とはいえ最初から生活できるくらい稼げるわけではないから、アルバイトをして今までしらなかった世界を体験しておくのもいいようだ。

社労士や行政書士は、さまざまな人を助けることになる職業だ。

だから仕事を始める前に、色々な産業に携わる人々の生の状態を見たり体験しておくことは、その後の仕事の質にも良い影響を与える可能性がある。

さらにアルバイトなどのこれまでにない人との繋がりから、新しい仕事につながる可能性だって存在する。

取得した資格についてだけではなく、広く社会と接点を持つことがこれらの資格を通じた仕事には役立つのだ。

独立後に大切なこと

実際に起業や転職をした後のマインドについても触れている。

本当に資格とって独立するためのノウハウが網羅されている本だ。

特に重要だなと思うのが、料金設定の部分。

金額の大きな仕事でも、時間をかければそれだけ時間単価は低くなり事業が成り立たなくなる。

だから時給換算して効率化していくことを目指す。

文字で読むと当たり前のことだと思うのだけれど、実際に仕事をとって業務をやっていると、受注できたことが嬉しくて時給単価に意識が向きにくいところがあると思う。

すごく働いているのに報酬がついてこない。

そんなことはよくあるのだそう。

私も古本屋事業で似たようなことが起きたことがある。

この本は資格を取って独立する以外の起業でも、役に立つマインドセットの方法が書いてある。

なんだかすごい本だ。

まとめ・読後感

本書のタイトルが非常に印象深く、読まずにいられない非常に興味を引く本であった。

まだ30代で、おじさんとしては若手の私でも今のうちからこの本にある方法を活用して、50歳くらいになるころには事業を確立できているくらいにはなっておきたいと思った。

50歳の時点でやれる前提で書かれているのなら、私が今から頑張れば多少は楽にできるのでは?という気持ちもかなりあった。

本来の想定読者である50歳くらいのおじさんたちには申し訳ないけれど、私もおじさんの端くれとして、行政書士の資格を取得することを決心したのである。

完全にこの本の影響。

行政書士になれば、すでにやったことのある申請業務(古物商申請、車庫証明申請など)でお金になる。

そう思った。

簡単に稼げればもっとこの本のやり方を実践している人がいるはずなので、きっと資格取得からの稼ぐことはそれなりの苦労があるのだろう。

それでもこのまま何もせずに流されっぱなしでいるより、自らを律しつつ試験勉強を継続して資格を取ることは、自分自身を鍛え直す絶好のチャンスになるのではと思う。

おまけに資格も取れちゃうなんて、これはもうやるしかないでしょ。

 

おじさんは、地味な資格で稼いでく。
クロスメディア・パブリッシング 2021年01月29日頃
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結論は正論【『働き方完全無双』ひろゆき】

良くも悪くもひろゆきの本

切り抜き動画とかで動画がたくさん上がっているひろゆきこと西村博之氏の『働き方完全無双』。

本人はあとがきしか書いていないと言っている部分が動画で切り抜かれていたが、まあ確かにそうなんだろうと思う。

普段から切り抜き動画を見ている人にとっては内容は知っているものだし、そもそも良識ある大人なら当たり前のことばかり書いてある。

だから本当にわざわざ買って読むほどのものではなかった。

ではなぜ私は買って読んでしまったのかというと、正直なところ、本にしか書いてないことがあるんじゃないか、とか期待していたのが正直なところ。

ひろゆき本人も、普段喋っていることしか書いてないと言っていたのは本当だった。

商売のネタとしてはおいしいコンテンツ

わざわざ出版する必要がないと思いがちだが、実際に本として買う人(私含めて)存在するのだから、商業出版としては正しい判断なのだと思う。

そして本の人気も高く、Amazonランキングでも1000位以内にはかなり長い期間残っている。

おかげで読み終わった後にメルカリですぐ売れてしまった。

新しくて需要のある本はメルカリで売れるから助かる。

メルカリだと宛名書きしなくていいし、手数料も10%なので手残りも少しだけ多い。

言ってることは当たり前のこと

ひろゆきといえば論破王などと呼ばれているが、彼の言うことを何回か聞いてみると、至極真っ当なことしか言ってないことに気づくはずだ。

そして本書の内容も真っ当。

当たり前にやっていれば相応の人物にもなれるし、真っ当な仕事につくこともできる。

昔から大人が言っていることだ。

それをひろゆきもやや過激な表現で言っているにすぎない。

本書の内容に関しては、出版社から出ていることもありプロのライターが文章を書き、編集がなされているので、かなり読みやすい上に当たり前のことが書いてあるので、心理的なブロックもまったくない。

なんというか、当たり前すぎてなんの引っかかりもないのだ。

それだけ洗練された本だといえばそれまでだが、論破王だとか呼ばれて持ち上げられている割に普通。

とはいえ「本」の権威的なものもあって

こういう本に期待(というより、ひろゆきそのものに期待か)することは、彼のような頭のいい人なら何か楽して稼ぐ秘密を知ってるんじゃ無いかとか、そういうものなのだろう。

私も本書を購入してみようと思った動機はそれだった。

しかし読んでみれば、本人が言っているとおり当たり前のこと。

すでに社会で常識とされていることで、きちんと勉強しろだとか大学に行ったほうがいいとかそういう話。

だから本書を読んで思ったのは、今までやってきたことを追認されたような気持ちになった。

本書を読むことによって得られるものへの期待は見事に裏切られたわけだが、読んでよかったとは思う。

理由は自分が不本意ながらも国立大の理系を卒業したこと、新卒で東証一部上場企業に就職したことは、楽に生きるための土台としては間違いではなかったことに支持が得られたからだ。

そのまま正社員で居続けることがひろゆき的には正解なのだろうけれど。

「よく生きる」ことへのひとつの回答

ただ、そうではない道として、好きなことだけをする人生を選ぶ方に私は進みたいと思い、そのようにしていることもまた間違いでは無いようだとも言われているように感じる。

正直、動画もかなり見たので、売ってしまった本の内容か動画の内容なのかやや曖昧になっているが、自分を騙して生きるよりは思うように生きるほうがいいし、それを実現するためにいろいろやってみるのがいいんだな、ということが結論のように思う。

ある程度は社会に適合するように微調整はするけれど、基本的に自分に正直に生きていれば最終的にひろゆき的な主張に行き着くんだということがわかった。

本書を読んでよかったのは、それを自分の信念としてだけではなく、ある程度知名度のある人物にも追認されているように思えたことだった。

無料の動画や中古で十分

これから本書を買ってみようと思う人がもしいるなら、色んな人が上げている彼の切り抜き動画を無料で見てみることをオススメしておく。

どうしても紙の本で、という場合にはブックオフへ。

大抵の店舗にはあるはず。

すんごい売れてたから中古も溢れているはず。

新品を買ってひろゆきに印税を…という方はもう止めようとも思わないのでご自由に。

資格試験に忙しくても受かる人といつも落ちる人の勉強法 鬼頭政人

見た目が派手な本に惹かれて

本の外見や目次から見た構成が神田昌典氏の本のようだと思った第一印象。

この本が気になって買ったのは、まさにこの本の戦略にハマってしまったとガッカリした。

そももそ本書が気になったのは、まさに「資格試験」を受けようと受験勉強を始めたばかりだからだ。

そして受験勉強を始めた時にいつも思うのが、「今のやり方でも大丈夫だろうか?」ということ。

まさに本書の「受ける人」と「落ちる人」の対比は、自分が落ちる人になりはしないだろうかという不安を煽ってくる文言だ。

そこに捕まった。

だが、購入してしまったので読まないのも勿体無いので読んだ。

試験に挑戦するにあたって大切にする考え方なども詳しく書いてあるが、これは試験慣れしていない人向けの内容だなというのが正直な感想。

それでもこれから資格試験に挑戦するにあたって、勉強を始める前に再確認できてよかったと思うところもある。

この本を手に取り、流し読みして売ってしまおうと思っていたので、当初の印象はその程度だった。

まあ、買っても無駄ではなかったかなと思う。

学習開始時には学習計画を作れ

本書の中で、差し迫った試験がある人に対してとても役立つ部分。

それは学習計画を立てろということと、具体的な学習方法の列挙だ。

学習計画はスクールなどに通えば強制的にその通りに進んでいくので考えることは少ないが、独学の場合はこの計画が非常に重要だ。

全体像の把握や必要とする勉強時間、その中でいかに効率よく知識の定着を図るのか。

またその到達点の確認基準。

これらが曖昧なまま勉強に入ると、自分がどれだけの力がついて、これからどれだけのことを勉強すればいいのかがわからなくなる。

結果的に負荷の少ない、すでによくわかっている分野ばかり勉強するという無駄が生じる。

本書では計画を立てることの意義からその運用、柔軟な変更やリカバリーの方法までもが短い章の中に網羅されている感覚だ。

学習計画は重要であるがそこまで細かく突き詰めるものでもなく、必要最低限のものがあれば良い。

よく計画作りにのめり込み、計画ができただけで勉強したつもりになってしまうケースがある。

そうならないためにも、本書の計画の立て方を参考にするのはとても役に立つ。

私も今回挑戦する行政書士では、その学習内容の膨大さから学習計画の必要性を強く感じていた。

しかし勉強する時間を確保することを優先していたばかりに、あやうく無駄な学習時間を浪費してしまうところだった。

本書が計画作りのよいきっかけになった。

過去問それは試験勉強の王道

本書が触れている勉強方法は、過去問に始まり過去問に終わると言える方法だ。

これは私も大いに賛同できる。

試験対策は問題演習をどれだけやれるか、過去問の「型」を如何に読み解いて対策をするかによるのだ。

自分の受験経験や資格講座の運営経験からも、それは揺るぎない事実だと言える。

だが、まったくの未知の分野の資格に取り組む際に、まずは知識をインプットしてからだという意見もある。

これは一見正しいように思えるし、初心者向けのスクールでも知識のインプットから授業が始まるパターンが多い。

しかし効率的な勉強という視点では、これは非常に無駄になる可能性がある。

脳は主体的に知識を取りにいかないとなかなか定着しないもの。

だから一方的に授業を聞いたり、漫然とテキストを読んでいるだけでは、勉強している気になるだけで成果としてはほぼ何もないことになる。

対して問題演習や過去問をやりながら、わからないことを調べながら学習すると、理解も深まり記憶も定着しやすい。

過去問に取り組む前にテキストを読むとして、その目的とするところは、試験の全体像を大まかに把握することや、どんなことが必要とされる知識なのかを俯瞰することにある。

本書での説明を読み進めていくと、まさに私が肌感覚で感じていた試験対策の方法が見事に言語化されていた。

言語化・再現性が本書の肝

当初、表紙の派手さに引っかかった、損したかもしれないなどと思った自分を恥じたい。

この本は、試験慣れした私でもかなり納得する内容だし、その理解を理由を含めて深めてくれる。

資格試験の経験がある程度蓄積してくると、その合格体験から感覚的にコツのようなものが身に付いてくる。

しかしこの本に書かれているように言語化して再現性を持たせることで、その方法がノウハウとして確立でき、新しい試験に挑戦するときにも自信を持ってその通りに勉強を進めることができる。

そのことに気づいた時に鳥肌がたってしまった。

一見するとだれでも思いつきそうな試験対策のセオリーが書いてあるだけだが、このことを言語化して再現性を持たせることができるのは、この著者の経験や知見によるところが大きのだろう。

私自身が試験対策勉強をしているからこそ、本書のテーマを自分ごととして認識できたことも大きいと思う。

そしてこのタイミングでこの本を見つけて購入できたことを幸運に思う。

今回の行政書士試験は、この本の内容を参考にしながら学習計画を立てて一発合格を目指したい。

 

資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法

鬼頭 政人 大和書房 2021年12月11日頃
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本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本 内沼晋太郎 著

本にまつわる新しい仕事と新しい仕事を生み出す本の話

ブック・コーディネイターという職業を自称し始めて、本にまつわる仕事を作り出したと言われる内沼晋太郎氏による2009年出版の本。

表紙が前と後ろで同一デザインの色違いとなっており、「本の未来をつくる仕事」と「仕事の未来をつくる本」という本と仕事の両面からそれぞれアプローチしているユニークな構成をしている。

本の形としては新しく面白い印象も受けるが、2000年代ころから目につくようになった、いわゆる意識高い系の匂いを色濃く感じるのは私だけだろうか。

私も半人前とはいえ古本屋という本を扱う仕事をしており、そしてその業態も従来の古本屋の枠に留まらないものになっている。

このため「本」という共通の商材を扱う対象として同族嫌悪に似た感覚を持っているのかもしれない。

この手の本を書いたり新規事業を立ち上げようとしている人は、自称「進路に迷った落ちこぼれ感」をアピールし、その経歴の乱れ方や試行錯誤の経過を列記したりする傾向を感じる。

それは一般大衆に対して親近感を感じてもらいたいからなのか、それとも苦難の時代を乗り越えてきたのだという自信の現れなのか、はたまた想像を絶する理由なのかはわからない。

多くの場合、私が読んだり接触したりした中でこういう話をする人物は、ほぼ全てが偏差値が非常に高い大学出身者の、いわゆるエリートと呼ばれる人々である。

そもそもの素材としての能力が全人口の上位数%に入る優秀な人物が、いくらこれからの仕事のモデルケースはこれだ!的な主張をしても多くの人は救われ得ないだろう、なぜなら生活や仕事に困っている人々はそもそも著者よりも圧倒的に無能なのだから。

著者がそこまで考えているのか、むしろそんな目的のために本を書いたり新しい仕事を提案しているわけではないのかもしれない。

しかし私の価値感が、「アホでもそれなりに社会で役立ち、かつ当人も自己効用感を持って自信を持って生きていくことを促す」ことに重きを置いているせいか、どうしても素直に本のメッセージを受け取れないところもあるように思う。

生き方を模索する人々へのヒント

一方で、この本の著者のような頭の良い人が新しい仕事の形を模索し、それを社会で実践することは、多くの無能な人に模倣させるためのモデルケースとなれる可能性はある。

だからこそ上位数%の頭の良い人々のこのような活動は、結果的に大いなる意義を孕んでいるのだともいうことができるのだろう。

きっと著者自信の主観では、周囲のいわゆる成功した人々と比較してしまうような苦しみ悩む時期があったのだと予想できる。

そうした苦しい時期を乗り越え、1冊の本としてまとめあげるまでに練り上げたことは、上梓当時28歳だったという著者としては、かなり早熟な期待を背負った人物なのだったのだろう。

いろいろな価値感を持つ人々がいる中で、この著者が提案している仕事の作り方や本の存在意義に関する考察は、万人に受け入れられるものではないとは思う。

だが一方で、このような本が2009年時点で発行され多くの人に読まれていることは、2021年現在の本屋や本そのもの、さらには本に関わる人々の在り方が変わってきたことに表れいるのではないかとも思う。

そうした意味でこの本の果たした社会的意義はかなり大きなものだったのだろう。

本屋の一人として思うこと

私個人の印象、感想としては、これからの時代にはこの本に書かれているような形で本と関わるようにすることは、本を提供する側としては必要なことだと思う。

が、いち読者としての視点で言うと、それは本でなくてもいいんじゃないかと思うような使い方もあるし、むしろ本の本来の使い方ができない人を増やし、硬い文章をきちんと読める人を減らしてしまうんじゃないかと思うようなものもあった。

本離れが進んでいるから、まずは本自体に触れてもらうことや本を手に取ってもらうことを念頭においての活動とは思う。

しかし本というのは、私の考えでは、まず1つは精錬され一貫し整理された体系的情報を知識として得るためのツールであること、2つ目は代理体験をもたらすツールである、という認識がある。

その効用をしっかり受け取るためには、一人で、静かな環境で、集中して本と向き合うことが重要と思っている。

もしかしたらそれは、本書で触れている部分の、その先の読者側の態度の問題だから触れていないのかもしれない。

または本が売れさえすれば書店は維持できるし、本の供給網としては衰退を食い止められるから良しとしているのかもしれない。

しかし本にまつわる仕事をし、多くの人に本を手に取ってもらいたいと願うのならば、その後の本との向き合い方をも読者ビギナー的な人々に考えさせるきっかけがあればよかったなと少々残念な感想も持った。

じゃあ私は書けるのか?

ただ、若くしてこのような本が書けるほどの著者だから、本書を世に出した後にきっと周囲との関わりの中から、より良いやり方や方法論を生み出しているのであろうと期待感も持っている。

私が私の考えに基づいて同様のテーマで本を書けと言われたら、まず書けない。

まだそこまでの経験の蓄積と考察が進んでいないことが大きな要因だ。

そんな立場でも文句を言えるということは、本に対する批評など薄っぺらいものだと思う。

そんな薄っぺらな反応が出てくる一方、その薄っぺらいとはいえ「本と仕事」について考えて、どうやって生活や仕事に本を取り入れようかと考える機会を提供したという事実は、それだけで本書が存在する意義を十分に全うしている。

本というのは様々な異なる考えに対して、ある一つの思考の基準を与えるもの。

本書はその基準としての考え方を示し、本屋や本に関わる人々の思考や議論、行動に対して刺激を与え活性化するという役目があったのだ。

以上が私が至った本書読後の感想である。

著者としては全くそんなこと考えていないと言うことも予想できるが、本というのは読み手次第でいくらでも影響を与えることができる、強力な道具でもあるのだということを実感した一冊である。

 

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本

内沼晋太郎 朝日新聞出版 2009年03月
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これからの本屋読本 内沼晋太郎 著

これからの本屋読本

本と本屋のこれからの姿を考察した本

『これからの本屋読本』という、「本」と「本屋」に興味がある人そのものをターゲットにしたような、ど真ん中のタイトルです。

著者は「ブック・コーディネーター」を名乗る、他に類を見ない人と本を繋ぐことをミッションとして活動している方とのことで、広く本に関わってきた実績が伺えます。

そんな著者が書いたこれからの本屋の姿を考察した本には、そもそも本とはなんなのかという定義づけの見直しから、本を作っている出版社、本を一般の読者へと届ける書店というそれぞれの立場についても深く掘り下げています。

その上でこれからの本と本屋はどうなっていくのか、また本屋を志望している人にとってはどんなふうに「本屋」として生きていくのか、とてもリアルに肌で感じられるようなアイデアやその生み出し方のヒントも満載です。

いつか本屋としてやっていきたいと考える人にとっては、とてもリアリティに溢れた、具体的に自分の事業内容を考えることにつながる良い本という印象を持ちました。

 

「本屋開業マニュアル」としての活用法もある

本書にも書かれていますが、この本は本屋を目指す人が本屋を始めるにあたって知っておくべきこと(出版流通の独特の仕組みなど)や、やるべきことなども一通り書かれています。

特に参考になるのが、実際に書店を開業した経緯の紹介や著者自身の経験などを知ることができる点です。

一般化された定型的なマニュアルのような説明も便利ですが、やはり自分の事業として本屋をやろうとする人にとっては、先人の辿ったリアルな軌跡がわかることは心強いものです。

本屋開業に向けて本気度が強い方には、本屋になるための講座があることなどの情報もあり、私自身もいずれ店舗運営を考えている身からすると、非常に有意義な1冊とも受け取ることができました。

 

新刊書店と古書店の違いも列挙

本書半ばには、紙の色をグレーに変えてある部分があります。

この箇所こそは著者が意図して別枠として作った部分で、新刊書店・古書店それぞれについての開業のための必須知識のようなことが凝縮されています。

開業する予定がなく興味もない人は読まなくていいというほどに言い切る部分だけあって、逆に開業検討中やすでに開業予定が決まっている人にとっては、重要なことが簡潔に整理されて書かれています。

開業準備をしていたり書店員等の経験がある方にとってはすでに知っていることも多いかもしれませんが、私のようにまったくの門外漢だった者にとっては、改めて全体像を俯瞰したり、知識の再確認も兼ねることができ、非常に助かりました。

まさに本屋のための本、本屋読本である所以がここにあるという部分。

 

これからの本屋として生き残っていくために

本書のタイトルが『これからの本屋読本』とあるように、活字離れが叫ばれて久しく、出版業界全体の縮小が見られている現在にあって、これから本屋はどう立ち回っていくことが求められるのか、という視点からの考察も描かれています。

どうしても著者自身やその関係者まわりの方の事例ばかりが目立ちますが、著者がそれら取り組みを一般化し広く対象を拡大しようとされているような意図も感じられます(見当違いかもしれませんが)。

とはいえ一人の人物が表現しうる世界はその人の主観的なものであるので、その開示してくれた世界、これまで積まれてきた経験、これからの展望などを読者がどう受け取り、どう展開していくかは読者側次第とも言えます。

本書は本屋をやりたいと漠然と思っている層から、具体的に本屋を始めるんだいう層にまで広く訴求する内容です。

故に本書を読み進める間にも、本業との組み合わせ、これまでの経験との掛け合わせといった、本書で提示されている事業展開のアイデアをヒントにして、考えながら読み進めることになります。

示唆に富んだ非常に読み応えのある本です。

著者も1980年生まれという今最も働きざかりの年代であり、私自身とも年齢が近く、大いに刺激を受けることになりました。

本書の著者は大学で商学部に所属してブランディングを学び、本に関する活動を長年続けてこられた素地がしっかりあることもあり、本の中で展開されている考えについても一流の風格が漂っているように感じます。

この著者のようになるのは背景が全く異なる私には非常に困難です。

その代わりに、著者のような専門家ではなし得ないような形態での「書店的なもの」を生み出してみたい、そう思わせる力がこの本には感じられました。

それはひとえに著者の本と本屋への情熱が、この本には込められているからと思います。

本と本屋が好きである、という情熱に非常に共感できるところも、読後感がとても心地よいことのおおきな要因なのかもしれません。

 

ビジネス書 大バカ事典 第一版 勢古浩爾 著

ビジネス書大バカ事典

ビジネス書への見方が変わる一冊

2010年6月にこんな本が出ていたなんて、当時ビジネス書にハマっていた私の視野には入ってこなかったようです。

今でこそビジネス書のようなノウハウ本をいくら読んでも無駄で、実際に自分が行動して経験を積んでいくことが必須であると理解していますが、行動が伴わない時点で自己成長を指向すると、このような本には出会えないのだと思います。

きっと胡散臭さを感じながらも、「もしかしたら自分も…」という一縷の望みに縋るような気持ちで読み進めたビジネス書。

そんな書籍の1ジャンルに関して、だれもが感じているがそれを認めることができない、認めたくない事実を明らかにしていく本です。

 

ビジネス書のタブーに触れたような本

仕事についている社会人ならきっと多くの人が手にしたことがあるビジネス書。

中にはビジネス上、有意なものも存在しますが、いつしか「だれでも」「簡単に」成功を掴むことができるノウハウ集のような本が溢れるようになりました。

私自信もビジネス書を多く読み、その読後感に浸ってテンションを上げたという経験には事欠きません。

一方でビジネス書を読んで大きな成果を得られたか?と言えば、特定の本の影響である変化が生み出されたということもできません。

せいぜいが多くの本(ビジネス書以外の分野も含む)を読み、その中で自分自身も思考と経験を重ねた上での堅実な成長は認められる、といったものです。

きっと多くのビジネス書ユーザーが同じような体験をしており、一部の「苦労はしたくないけれど成長・成功はしたい」層が、手っ取り早い成功法則を手に入れようと次々とビジネス書を買い求めているのではないかと推測します。

何を隠そう私自身がそういった姿勢でビジネス書を読み、これまたビジネス書の著者たちが年間数百冊も本(ビジネス書の類)を読むというのを真に受けてほぼ毎日書店で購入しては読んでいたという過去があります。

それだけのビジネス書を読んだとしても大きな成功が得られるわけではなく、読後のちょっとした高揚感の心地よさだけが得られ、そして一種の依存状態に陥る。

成長しなければという強迫観念にも似た感覚が、さらに次のビジネス書を購入させていく。

こんなループにハマっていきます。

本書ではそんなビジネス書(もどき)について、多くの読者が勘づいているが口にすることができない、口にしたら心の拠り所を失うようなことを、明確に活字にしています。

やや表現に下品なところもありますが、ビジネス書を読んだ時の正直な感覚を、本書を読み進めていくに従って再び感じられることと思います。

ビジネス書への信頼が揺らいでいる時に本書を手に取ったとしたら、今後いわゆる「もどき」のビジネス書には一切手を出さなくなるのではなかろうか、と思える本です。

 

「成長するには本を読め」の誤解

いわゆる過去の偉人、成功者という人たちは口を揃えて本を読むことを推奨しています。

それを真面目な人は真に受けて、たくさん本を読もうとします。

しかしビジネス書を読み続けてきた私が感じるのは、過去の偉人が推奨する本は、いわゆるビジネス書のようなノウハウを切り貼りしたものではなく、古典や根拠のある研究に基づいたものであるということです。

現代のマーケティングに踊らされてついビジネス書に手が伸びてしまいがちですが、これはあくまで出版社の利益のためにしていることであり、そうしたものに惑わされず、自分にとって本当に必要な知識やノウハウを見極めることが重要です。

そんなことはわかっているという人が大半でしょうが、人は易きに流されるもの。

1冊1時間程度で読み終わってしまうビジネス書は、読み切ったという充実感や、読破した冊数を稼ぐにはお手軽なため、ついつい自分を安心させるために読み進めてしまうのです。

いわゆる自称読書家という人については、1日に何十冊と読むことを誇る人などもいますが、それはビジネス書のようなサクサク読み終えることができる本で数をこなしている、という実情があるのかもしれません。

また、ここ20年ほどで出版されるタイトル数は増えているのに総販売冊数は横ばいが減少しているという現象もあります。

このため次々と類似のビジネス書が濫造され、その内容について深まりが増しているとも思えない現状があります。

かつて書物はとても貴重で、入手自体がかなり困難なものでした。

そんな時代にあって、新しい知見を得るには最も効率的なツールでもありました。

だからこそ過去の人物は本を読むことを推奨し、絶対数が少なかったからこそ何度も読み込み、咀嚼し、行動へと自動的に落とし込むことができたのではないかと考えられます。

故に「本を読め」という指示だけで、繰り返し読み込み、行動へ移し、試行錯誤を重ねて成功へと至ることができたのではないでしょうか。

 

本書が進める読むべき本

このように考えると、人が人として成長すること、様々な失敗や困難への挑戦を経て深みが増す方向へ進むことが、いわゆる成功へのルートになると言えます。

しかし本書では成功など本当はどうでもいいとも言います。

なぜなら成功、と一口に言ってもそれが一体何を指すのかが曖昧で、何となくお金をたくさん得ることのようなニュアンスで語られることが多いためです。

そのため一旦は成功はどうでもよい、という立場に立ち、人間としてどうあるべきかを深めていくことが、結果的にいわゆる成功した状態を生み出すことにつながると言います。

そこで本書では、いわゆる事業を大きくして社会に貢献している企業の経営者が書いた自伝を読むことをお勧めしています。

多くのビジネス書にも共通していますが、いわゆるノウハウはその著者だから成功した方法ということができます。

しかしビジネス書はその著者の背景やなぜそう考えるに至ったのかなどの出来事が書かれておらず、なんとも薄っぺらい印象を拭いきれません。

その点、経営者などの自伝では、ノウハウの伝授というよりはその方の生きてきた主観的な視点を知ることができ、まさに読書の効能である代理体験ができると言えます。

経営者の自伝といえど結局はその人本人の経験であり、その人がそういう経験を経てきたからこそ今があるのだということなりますが、自伝である分、読者である私たちがそのまま真似をしても成功するわけがない、と正常な判断力も維持することができます。

そして私たち自身のものの見方や行動に与える影響は、確実により人間的な深みを増す方向へと変化を促していきます。

下手に「お手軽」「手っ取り早く」や宇宙や神様にお願いするわけではなく、現実に即して地に足がついた状態で、堅実な努力をする方向へと促しうるものであるのです。

本書で自伝を進める理由はまた別に書かれていますが、私自身が本書を読み進める中で納得し、自分なりに経営者の自伝を読むことに対する有意性を考えてみました。

この本は単にビジネス書はキワモノだ、とこき下ろすだけではなく、読書を通じた人格の形成を促すための代替策を提示していることに好印象を持ちました。

このような本が2010年に出ているにも関わらず一向に似たようなビジネス書もどきが減らない、それどころが種類が増えているように感じるのは、それだけ日々の生活を改善せねばという切羽詰まった人が多いということなのでしょうか。

そういう人にこそ、そろそろ事実から目を背けずに、ビジネス書は一瞬の高揚感を得るだけの代物だと気づいてもらい、本人に本当に必要な知識が得られる本や人物に出会って欲しいと思います。

せどりの思考法 ~お宝商品は「違和感」で探せ  フジップリン著

sedori no sikouhou

せどりの思考法 〜お宝商品は「違和感」で探せ

「せどり」視点で見る商売の基本原則

本書は、店舗などで販売されている商品の中から転売して利益を得る、いわゆる「せどり」に関するノウハウをまとめた本です。

これからせどりを始めようと思う方へ向けて書かれているような印象を受けますが、すでにせどりを実践している方にも(やや物足りないかもしれませんが)、初心に返って自分を見直すきっかけにもなると思える本でした。

「違和感」を活用してせどりをするという視点は、現役せどらーにとっては暗黙のうちに実行しているかもしれませんが、それを言語化して再現性を持たせる意味でも一読の価値はあるように思えます。

 

著者について

本書の著者であるフジップリン氏は、ご自身でもせどりを実践して利益を得て、その経験の中から積み上げたノウハウを伝える講師として活躍されている方のようです。

現在では実績もあり、せどりスキルも折り紙付きと言える著者ですが、当然初めからうまくいったわけではありません。

YouTubeでご自身のチャンネルも開設されており、そこでもせどりを始めるきっかけやせどりのノウハウ、心構えなどをお話していいます。

せどりをご自身の事業として実践する背景には、一人の人間の切実な事情があったりするものです。

どんな人も何かしらの理由はあるのかもしれませんが、この方の場合はなんだかそれが非常にリアルに感じられ、まだせどりをはじめてもいない自分にも深く刺さったように感じました。

そんな親近感を覚えるような著者が、これからせどりを始めて利益を得て、それを維持発展させていくことを心から望んで書いた本が本書である。そんなふうに思える著者であり本であります。

 

「違和感」を感じて利益商品を察知する

さて本書の肝になる内容ですが、いわゆる違和感を活用して利益商品を見つけましょう、というものです。

言葉だけ聞くとなんだかセンスのようなものがなければ難しいのではないか、と思われるかもしれません。

確かに中身を知らずに「違和感」を察知せよ、なんて言われたらせどりセンスとでもいうような天性のものがないとできないのではなんて思いがちです。

しかしこうして本になり、他者へ伝達することができるノウハウとして確立しています。

この本を読めば、せどりにおける「違和感」を察知する能力が身に付くようになっています。

 

商品の「違和感」とは?

本書のいう商品の違和感とは、そのものズバリ売り場で浮いている状態のことを指します。

そしてそれを察知するには、商品の「置かれ方」「見た目」「値付け」「POP」などを注意深く観察し、利益商品である可能性を察知します。

店側が積極的に売たい商品ではなかったり、在庫過剰で安売りしてでも捌いてしまいたいという商品がこうした違和感を纏っていることが多いようです。

せどり自体が、需要と供給のバランスが崩れているところを狙う手法であるため、まさにこの着眼点は本質を得ているものと言えます。

ただしこの時に商品知識があるものだと「どうせ売れない」「需要が過剰だ」などという思い込みにより見逃してしまう危険性も指摘されています。

本書の方法が秀逸なのは、「商品知識」が無いほうが、利益商品を逃さず手に入れられるということであり、そのため自分の専門外の商品も扱うことができるということになります。

この専門知識に縛られない手法こそが、本書が他のせどりノウハウや類似本と一線を画する要因でもあります。

この本を読んで自分もせどりを始めてみよう、と思えた方はとてもラッキーですね。

 

ノウハウをいくら集めても…

ここからは本書の内容というよりはせどりの実践に関することを少々。

せどりに限らずですが、どんな副業ノウハウやお小遣い稼ぎに関してもノウハウだけを身につけて、それを実践しなければ何にもなりません。

また、新しいノウハウを手に入れてそれを試してみて、その段階で利益が出なければゴミノウハウだと切り捨ててしまう行為も同様です。

私が思うには、巷に溢れる膨大なノウハウ(副業に関するもの、仕事の進め方に関するものなど)は、どれも一定の成果があった実績があるからこそ本になったりしているわけです。

自分に合う合わないの相性もありますし、さらに習熟度の問題もあります。

また副業といってもそれを実践するための道具を揃えたりと、初期投資がかかることがあります。

こうした様々な参入障壁とも言える壁が存在するからこそ、すでに実践している人たちの利益が担保されているとも言えるのでしょう。

しかし、これからなにか副業など始めようと考えている方には、ぜひ初めの1ヶ月ほどは成果なしでも我慢してほしいと思っています。

そしてその我慢の期間を過ごすなら、そしてせどりに挑戦すると決めているのなら、本書の方法をまずはできるところから始めてみるのがおすすめである、とごく主観的な意見ではありますが主張させていただきます。

私自身もまだ利益は微々たるものですが、赤字は出さずに回転させるところまではきました。

そして始めてから3ヶ月かかりました。

1ヶ月程度では利益どころが赤字も垂れ流し状態です。

一方でなんとなくの肌感覚で、こうすればいいのかも…というものが掴めてきます。

でも利益が出るとは到底思えない状態です。

それでもなお、愚直に本に書いてある通りに行動し続けることで、自分なりのアレンジというか、自分流のノウハウ活用の形が身に付いてきます。

そこまでくれば、きっとあとは数をこなして仕入数自体を増やしていけば利益は比例して増えていく流れになっていきます。

だから初めたばかりの苦しい時期を、どうか本書を信じて乗り越えてみてください。

 

せどりの状況について

せどりで稼ぐ、と言っても闇雲に商品サーチすれば利益商品が見つかるとは限りません。

一昔前にはブックオフなど新古書店と言われる店舗によるせどりが流行し、店側がせどり禁止などの処置を行うほどでもありました。

本などの商品はサーチ自体が容易で、短時間で大量に調べることが可能であるということも古本せどりが流行った一因でしょう。

そんな古本せどりでは、せどらーが片っ端から本をサーチすることで一般客の買い物を妨害している(そんな意思はないにしても)ように見られ、せどり禁止となる店舗が出てきました。

さらに古本の価格が1冊100円やそれ以外は定価の半額という低い水準から、需要の高そうな本などは定価の2~3割引や低価格本も200円以上になるなど、利幅が激減する状況にも変化してきました。

そういった要因が重なり、今では古本せどりは稼げないといわれて久しい状況です。

比較的簡単にせどりができると言われていた古本であっても、そもそも全数検査をしないと利益商品が見つからないということになります。

そしてさらに現状では利益商品自体が激減しているため、全数検査をしたところで利益商品が見つからないこともザラにあります。

一方で本書のような「違和感」でまずは利益の出そうな商品群を見つけ、その限られた範囲内で徹底サーチする、という方法を実践することで労力の削減ができます。

そして一般的な目玉商品ではないものが多い「違和感」を纏った商品は、人気のない売り場にあることが多く、そこでサーチをしていても迷惑をかけにくいこともあります。

そしてせどりの対象を古本に限らない(家電や雑貨などなんでも対象になりうる)ことで、利幅の大きな商品分野を次々に開拓できる可能性がある、という強みがあります。

こうしたこともあって私自身は本書を読み終えた時、せどりはむしろ埋もれた商品を必要な人へ届けることができ、かつ儲けも得られる真っ当な商売ではないか、と思ったのです。

「転売ヤー」などと揶揄される人たちが目立つのでせどらー自体も肩身の狭い思いをしがちですが、どんな商売でも一部の目立つ存在で印象が悪化することはあります。

せどらーは楽をして稼いでいるなどと思われたりして、妬みの対象にもなりがちです。

しかしせどりの実態を知り、苦労に苦労を重ねて利益を生み出す行為を体験した後には、きっと誇りを持ってせどりを実践できるようになると私は思います。

そんなふうに思えるようになったのも、本書を読み、それを実践し、ごくわずかながら利益を生み出し始めているからなのです。

だから本書を書いてくれたフジップリン氏には大いに感謝するところです。

本当にありがとうございました。

 

読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術 田中泰延 著

読みたいことを、書けばいい。-人生が変わるシンプルな文章術

情報発信の原点に戻る本

本書『読みたいことを、書けばいい。-人生が変わるシンプルな文章術』は、まさにタイトルにあるとおり、自分が”読みたい”と思うことを素直に書けばいいんだよってことに気づかせてくれる本でした。

文章を書くとなると、読みたいこと(読み手の視点)よりも書きたいこと(書き手の欲求)を優先しがちになります。

それは独りよがりの文章となり、そこから「読ませたい文章」を書くことになり、さらに読まれなくなるという悪循環に陥りがちです。

特にブログでお金稼ごうとか、アフィリエイトで食っていこうなんて考えて文章書いていると、その傾向は特に顕著になってくるんじゃないかなとも思います。

読ませるための文章は、その意図が見え見えなだけに嫌悪感を抱かれがちですが、見るからにアフィリエイトリンクへの誘導があからさまだったりすると、その記事を書いた人へ同情してしまうほどです。

私も一時期そんな風に「読ませるための」文章を書くためにいろいろ試してみたせいか、そういう意図を持って書かれている文章がとても痛々しいものに見えてしまいます。

そのような痛い状況に陥った時、この本の視点はまさに目から鱗が落ちる思いで読み進めることができるものとなっています。

一見、「読みたいこと」を書くというのは稼ぐために書くものとは逆行するのではないかと思って抵抗感を持ちますが、本書を読み進めていくうちに本当に人に読んでもらえる文章を書くにはこうすればいいのか、という方針が掴めるはずです。

一歩引いて冷静に考えれば当たり前にも感じられる「読みたいこと」を書くということ。

シンプルな原理ではありますが、それは書きたいこととも違うわけで、やはり一旦自分の経験や知識を脇に置いて、本書をしっかり読み込んでいくことが大切と言えます。

少ない文字で的確に心に刺さってくる

本書を読み始めてから感じたことは、少ない文字で的確に心に刺さる文章を書いている事。

パラパラ眺めてみたときに文字が少ないから移動中に読もうと思って電車で読み始めたのですが、刺さるポイントが多すぎて大変、と言ってメモを取り出すのもめんどくさい…ということでTwitterをメモがわりにしていました。コピーライター恐るべし…

なんでTwitterかと言えば、140字以内での発信に限られているのでダラダラ書かずにある程度テーマごとにメモできるかな?と思ったためです。

咄嗟の判断にしてはなかなかいいアイデアだったと自画自賛してますが…。

コピーライターだからなのかシンプルさのせいなのか

「その場限りの誠心誠意、短いけれど本気の恋」など、短い文章からその背後にある意味合いや情景をイメージさせてくる文章がとても多くてしかもうまいんです。

それが仕事でずっとやってきたプロなんだから当たり前でしょって思うかもしれませんが、本書を読む目的は「文章術」の習得なわけですから、そのカラクリを解明して自分のものにしたいわけです。

とは言えここで引用した一文、どんな仕事や関係性でも大切だなあ、とつくづく想いに耽ってしまいます。

こういうのに反応するたびに自分は不治の病(厨二病)なんだなって痛感します。

随筆の定義、書く人の生活など

本書がちゃんと文章術の本だなあと思うのは、随筆という捉え所のない文章ジャンルについての定義づけを明確にしようとしているところがあります。

随筆の定義とは、事象と心象が交わるところに生まれる文章、とのこと。

定義がハッキリすると、その対象物の扱いについてもしっかり手応えが得られるというか、自信を持って扱うことができるような気分になるから不思議です。

こうした定義づけがなんとなく曖昧なまま放っておくケースが多く、また大きな問題にもならず指摘もされませんから、ここで随筆というぼんやりした文章表現のジャンルが確定させられたのは大きな影響があるように感じます。

また、本書がいわゆる一般的な文章術の指南本とも異なるところが、書く人の姿勢やあり方についての記述も散見されるところです。

特に印象的だったのが、「深夜、暗い部屋で腰の痛みに耐えながらキーボードを打って、自分で書いたものに自分で少し笑う、それが「書く人」の生活である。」 という部分。

まさに自己満足で書いてる読書感想文のブログがコレなのです。

ウマイこと書いた(つもりになって)フフッ…となるときの小さな幸せが嬉しいのです。

インプットする感性への認識の深化

読みたいこと=読者が必要としている情報、という風に私は認識していますが、この本に書かれていることは本当に私にとってはどハマりする内容ばなりです。

”「つまらない」「わからない」ことも感動のひとつ”という視点や”深堀りすることで正しい批評として機能する”という、言語化することによって明確に認識できることが、まさに目を開いてくれる刺激となります。

また、”その時の文章には“愛と敬意”が必須”というように、「正しい批評」とはどうあるべきかという、なんとなくのニュアンスではない、明確な言語化された概念として説明されているところに私の感動ポイントがあります。

そして、”文章の中心にこれらがあればこそその批評にも意味が生まれる”、まさに批評することが非難にならず、書き手に対するリスペクトを表現することにもつながるようにもできる、と。

そんな敬意を持ちつつ、事象に対する書き手の心象の表出が、まさに随筆であるという。

だんだん複雑な感じになってくるんですが、何かに対してどう感じたのかを表現するときに、その何かに対する敬意を伴った表出が随筆ですよ、ということかな。

思考の過程を披露する

文章のプロが書く文章術の本なんだから当たり前なんですが、いちいち感動するんです。

「事象に出会う。感動したり、疑問に思うなどの心象を抱く。そこから仮設を立てる。調べに行く。証拠を並べる。考える。その時点での結論を出す、思考過程の言語化。過程の中身も説明して、読者も結論にたどり着く道程を追えるようにする。」

この部分についても、このプロセスをそのままリアルに文章にして発信すると、随筆としての形がしっかり作れるのではないかと思うのです。

これまでの自分が書いてきた文章なんか、全然文章の体をなしていないのではないかと怖くなるほどです。

「編集」とは過不足がない状態にすること

これだけは伝えたい、ということはトピックとして拾い上げること。これがその文章のメインテーマというか主題になります。

そのトピックにたどり着くまでの過程を手順を踏んで説明するときに、多くの人に理解できるような詳しい説明を行うのが、長い文章を書く意味だとも言います。

だからタイトルとかカテゴリ分け(トピック決定)が大切だということになります。

こういう視点を持ってタイトル決めとかしないと、確かになんの文章なのかがよくわからなくなります。今まで知らなくてなんとなくタイトル決めていたのは、周囲の人もそれをしらなかったせいだ…と思いたい。

そして、ここからさらに深堀りしてトピックに至る過程を記述することで、本文の完成へ。

こういう本を読んでいちいち感動している私のレベルが低いのか、それともこの本の読者がそこまで心に響かないのか、あるいは自分の交流が極端に狭いのか。

自分だけ感動してる状態にやや不安を感じ始めました。

どう書くのか?起承転結の型

「起承転結は発見、帰納、演繹、詠嘆。随筆を書くのにこのコード進行が最も効率がよい」という視点。

今まで起承転結の決まり事に対して、そんなこと思いもしなかったのです。

型があるとは、そうすることで効率よく再現性を高められるっていう先人の知恵なのだなあと改めて思います。

武道や慣習なども然り。まずは型通りにかけるよう鍛錬し、できるようになってからやっと自分の形を模索していく流れなんですね。

書くのはまず、自分のため

「私が触れた事象は自分だけが知っている。抱いた心象は自分だけか憶えている」という当たり前だけれども忘れがちな真理。

この事実があるからこそ、個人が書いているちょっと変わった視点からの感想文などの存在意義が生まれるのです。読まれるか否かは別として。

書くことは世界を狭めること、というのは可能性を殺して事実を固定すること、成長のための選択にも似ていると言えます。

無限の可能性とは、まだ何者でもないということとも言うことができるのと同様で、文章に当て嵌めたらまだ言語化される前の認識できない状態のことでもあります。

そう考えると、自分だけの世界を他者へ共有するために、自分視点で切り取って言語化した世界を取り出すこと、そのオリジナリティを確定するために文章を書くんだとも言えます。

なんだか同じものを感じているのに別の表現が出てくるっていうのは、より一層世界を味わう楽しみや深みが増すように感じます。

まとめ

「読みたいことを、書けばいい」という、なんだか好きに書けばいいじゃないの、って言いそうな本ではありましたが(実際に著者はそれがまず土台にあるようですが)、読みたいこととは書きたいこととは違うんだよってこともわかりました。

ただし文章を書くための鍛錬(世界を鮮やかに感じとる感性やそれを切り取る視点、そして表現する技法)を重ねていくうちに、読みたいことと書きたいことが一致してくるのかな、とも感じられる本でした。

いつも文章術の本やノウハウを読んだりすると、なんだか堅苦しくて窮屈な印象を受けてしまうのですが、この本ではそういうことが一切ありませんでした。

やはりそれは、基本的には好きなように書こうよ、という姿勢があり、その上でじゃあ実際にどんな風に受け取ったものを表現するの?というステップに移っているからだと思います。

あとは著者自身が、この本を書くに当たってそこまで力んでいない、自然体に近い状態で書き上げたような雰囲気も感じました(勘違いかもしれませんが)。

そんな色々な要素が影響してか、ここ最近緩みっぱなしの私に対してもすんなり本書の内容が入ってきたのかな、と思いました。

とてもためになる本でした。

あとはこの本で学んだことを文章に取り入れていくことが大切なのですが…それにはやや時間がかかりそうです。

少しずつ、焦らず確実に、自分のモノにしていきましょう。

奥付

2019年6月12日 第1刷発行
2019年9月12日 第5刷発行

著者 田中泰延
発行所 ダイヤモンド社
ブックデザイン 杉山健太郎
本文DTP 一企画
校正 加藤義廣(小柳商店)・officeあんだんて
制作進行 ダイヤモンド・グラフィック社
印刷 信毎書籍印刷(本文)・加藤文明社(カバー)
製本 加藤製本
編集担当 今野良介
ISBN 978-478-10722-5

 

月収18万の派遣社員だった私が、「好きなこと」×「SNS」で年収2000万になれた37の方法 プチプラのあや著

月収18万の派遣社員だった私が、「好きなこと」×「SNS」で年収2000万になれた37の方法

「好きなこと」に突き抜けるタイプの成功ノウハウ

本書はプチプラ界隈でのコーディネートの第一人者とされる「プチプラのあや」さんが書かれた本とのことでした。

私もこうして好きなことを愚直に毎日繰り返しているだけではなく、そこから結果を生み出すことを考えねばならないと思い、本書を手に取りました。

タイトルにある通り、「SNS」の使い方にもやり方があるのだろうという漠然とした期待を持ちつつ読み始めた一冊です。

本書を読んで感じたことは、やはりこのように飛び抜けた結果を出す人のマインドは、基本的に不屈の精神を兼ね備えているということでした。

プチプラのあやさんのように地道にコツコツと積み上げてきた人というのは、必ずしもずば抜けた才能や恵まれた環境があったわけではありません。

そして著者自身は、自分のことをなんの取り柄もない平凡な人間である、という自己認識を持っていることがほとんどです。

しかしこの手の本を何冊か読んでいる中で思ったのは、一定の成功を収めることができる人は、コツコツ地道に続けることができる人だということ。

それは本当に好きなことに集中して、(第三者的に見て)それこそ生半可なものではない全力集中を長期間にわたって継続できる人なのだということです。

好きなことなら他のことよりも比較的続けやすいとは思いますが、それ自体が目的となるほどの自分の中での価値感との合致があって初めて凡人にも続けられるのかなと思いました。

だからと言って本書の方法が無駄かというとそんなことはなく、逆説的ですがやはり誰でも真似できうる方法でもあるのです。このコツコツ地道に積み上げる、という方法は。

なんと言えばいいのか、誰でも続けさえすれば一定の成果は出すことができるんです。

それは多くの成功者と言われる人たちが口を揃えて言っています。

しかしそれを続けることができないのがその他大勢の人々です(私含めて)。

楽に成果を得る方法を求めがちですが…

そういった現実を受け止め、その上で挑戦し、挫折し、それでもなお再び取り組み始めて…というプロセスを繰り返しながら、いつかたまたま長く続いたタイミングで大きな成果を得る、そんな風に捉えておく姿勢が大切なのではないかなとも考えられます。

こういう本を読む時って、もしかしたら自分にも手軽に、比較的短時間に、一定以上の成果が得られる方法がわかるかもしれない、なんて期待を持ちながら読んでしまうものです。

その分、実際に行動に移した時の成果の出なさ加減に余計にショックを受けてしまい、お手本との大きなギャップに圧倒されてしまうのです。

ならばこうした本の内容を踏まえて、まずはその大きくて絶望的なギャップがあることを認識したところをスタートラインだと思えばいいのです。

そして、その上でこういう本にあるような人も最初は私たち凡人と同じだった、という事実を認識し、少しでも自分にも可能性があるという実感を感じ、自分が取り組んでいるものの結果が得られる期待を持てるようにするのが本の使い方だと言えるのです。

これまで私もこの手の本をたくさん読み散らかしてきてしまいました。

読むたびに瞬間的に元気になり、そしてすぐ挫折する。

もはや昔読んだ同系統の本なんて覚えてすらいません。

ビジネス書が現実逃避の清涼剤のようなものとして消費されると揶揄されるのも頷けます。

ビジネス書を読む目的はさまざまですが、多くの人が自分もその著者のような成功を手にしたいと考えて読んでいるのではないでしょうか。

で、あるならば、読んで満足するだけではなくて、その本から得た教訓を活かし、自分流の成功法則の確立へと役立てるべきだと思います。

そのための第一歩が、著者と自分のギャップを知ること、そして次にスタートは著者も自分も一緒だったと認識すること。

そして三つ目が、著者のような成功を得るために行動を開始すること。

自分の描くゴールへと続く道がしっかり認識できた時、その行動は確実にゴールへと向かう正規ルートとなります。

その正規ルートの地図とするのが、このような本の真の使い道なのだと、私は本書を読むことでついに気づくことができました。

 

ビジネス書活用の例題として

この手の本は表紙やタイトルに非常にキャッチーなデザインや文言を散りばめてきます。

それはインパクトのある見た目をすることで手に取ってもらうためです。

ほぼ毎日数百冊と出版されている現在、とにかく目立たなければすぐに引き上げられてしまいます。

新刊書店を定期的に回っていると、近年は特に本書のようなタイトルが文章になっている本や耳障りのよいキーワードが散りばめられている本を頻繁に目にします。

やや食傷気味と言っても過言ではないでしょう。

これだけ同じような本が出ているということは、それだけ人々がこの手の本を求めているということであり、同時にいわゆる成功を手にした人が全然いないということにもなります。

じゃあこういった本を読んでも意味がないのかというと、そうでもないわけで。

こういう本を読んだあとに、では自分はどうやってこの本の知識を活かして、「自分なりの成功」を手にするのか?という一歩踏み込んだ考察が大切になります。

そして本書は成功の基本形とも言える(私が勝手に言っています)、好きなことを軸に収入を得る方法が載っているのです。しかもSNSというお手軽ツールを利用するという方法つき。

だからこそ私も気づいたのかもしれませんが、肝になるのはまず「自分が熱中できること(=好きなことであることが多い)」、次に「実行に労力がかからないこと」の二点ということになります。

そしてその事例としてのプチプラのあやさんの方法です、という解釈をして、自分のリソースとしてストックしておく。

そんな姿勢でこのような本を読んで自分の糧としていくのがいいのではないかと思うのです。

これからビジネス書を読まれる方に置かれては、そんな風に自分に当てはめるための例題だと思って読んでみるのもいいのかもしれませんね。

 

副業力 いつでも、どこでも、ローリスクでできる「新しいマネタイズ」 染谷昌利 著

副業力 いつでも、どこでも、ローリスクでできる「新しいマネタイズ」
2020年12月1日 初版発行

著者 染谷 昌利 ©️M.Someya 2020

発行者 杉本 淳一

発行所 株式会社日本実業出版社

ISBN 978-4-534-05817-1

 

とっても丁寧な「副業」のテキスト

「ブログで生計を立てる」ことを実践し、そのスタートからのプロセスを公開して勇気づけてくれる著者の新しい本が本書『副業力』です。

この方の初の著書である『ブログ飯』を読んでから、この方のファンになりました。

著書の『ブログ飯』やこの方がブレイクするきっかけになったという『Xperia非公式マニュアル』というウェブサイトを見るとわかるのですが、読者視点で何が求められているのかを徹底的に考え抜いているのが感じられるのです。

今やブログやホームページ、書籍でも当たり前の視点として取り入れられているものですが、『ブログ飯』『Xperia非公式マニュアル』が出た当時では、新しいアプローチ法だったと記憶しています。

著者の人柄が表れているとも言えますが、そうした”良さ”が読者に伝わる形で表現されたのが上記の著書でありウェブサイトだったのだなあと思っています。

そんなわけで、新刊が出たらとりあえず買うことにしている著者さんの一人で、その人が書いた副業に関する本が本書です。

そんな事前の予想通りに基礎から丁寧に書かれており、やる気が少しでもあって行動することを厭わないのならば、確実にモノにできるように書かれている本です。

 

『ブログ飯』後の水平展開ノウハウを期待

先述したようにこの本は私がブログを始めるきっかけを作ってくれた『ブログ飯』の著者が書いた本です。

そのため「染谷昌利」氏が書いた、というだけで無条件に買うようにしているのですが、それ以外にも『ブログ飯』のその後の事業展開においてもそのプロセスがわかるのではないかという期待を抱きつつ購入しました。

そしてその期待は見事に当たり、とても丁寧で読者に対して少しでも行動開始へ踏み出すための障害を低く小さくしようとする意図が感じられました。

働き方改革という名ばかりの政策に対し、民間企業では時間外労働を減らそうという流れが生まれています。

そしてそれは、残業代に頼っていた人の収入減少や残業の実態があるにもかかわらず残業していないことになる(=「残業」が減っているように見える)ことや、企業の社員に対する副業解禁という流れに繋がりました。

ここで個人が「自らの能力で稼ぐこと」へと注目し、副業に関する情報も溢れるように増えてきました。

そんな中、「ブログと言えば染谷氏」の著者による『副業力』が発行され、世の中に蔓延る副業関連のアヤシイ情報を含めて整理して理解することができるようになりました。

 

0を1にするための副業入門書の決定版

読者のことを思って文章を書く著者ですから、その著書もそういった雰囲気を纏います。

具体的には、丁寧すぎてすでにある程度のことを知っている読者には退屈になってしまう恐れがある、ということです。

私も『ブログ飯』を読んですぐにブログを始めているので本当はすでに中級者レベルになっているはずなのですが、その後は勤務先(残業120時間のブラック企業)が忙しいと言い訳をしてサボってしまっていました。

故に初級者相当のスキルしかないのですが、知識としては中級者レベル…という残念な状態に陥っている挫折組の一人。

そんな私にとってのこの本のレベル間は、「ちょうどいい」でした。

たしかにすでに知っている知識もそれなりに記載されているのですが、実際に行動して自分の経験になっているかというと、否、なわけです。

そこで本書のような行動を促す優しい指南書の出番なわけで、この本を読むと不思議と行動への心理的障壁が低くなったように感じ、再びブログを書こうと思えてくるのです。

行動せずに知識ばかり増えてしまい、そしてこういうノウハウ系の本や記事に悪態をつく人が一定数存在しています。

そんな人たちにとっては、初級レベルの知識から丁寧に記述されているところが「ネットに載っている情報しか書いてない」「買う価値のない本」などという批難につながる要因かなと思いました。

一方で私のように知識はあるけど行動したい、でもなんだか行動するのが怖い(やっても意味がないんじゃないか、とか想定される膨大な作業量に圧倒されている状態)と思っている少し経験のある人たちにとっては、まさに復習と行動の後押しを兼ねた一冊なのです。

 

本書で心に刺さったところについて

本書を読みながら心に刺さった部分がいくつかあるのでご紹介します。

1. 5W3H1Rを意識して文章を組み立てる

P.72〜74に記載されている文章の基本的構造の部分。

私がブログを主として書いている立場上、どうしても文章表現に関するところが気になってしまうのもありますが、この部分は基本的であるが故に超重要なので、それをシェアして本の売上に繋がればと思って取り上げました。

「5W3H」なんて中学校の英語の授業で教わるようなことですが、ここへきて改めてこれを確認することに大きな意義があります。

母国語である日本語を使って文章表現をする私たちは、もはや当たり前のように言葉を使いこなしているように感じています。

ところが話のわかりにくい人というのが、ある程度の社会的地位がある人でも存在します。

そんな人を会社でいつも見ていると、思わず自分は大丈夫かななんて思ったりするんですが、そこで役に立つのがこの文章構造の枠組みな訳です。

私がこのブログで実践できているのかと言えばそれは甚だ疑問、これからの改善点とすべきところなのですが、この構造を意識して情報を正確に伝えようとすれば、明確に伝えようとする情景が思い浮かんでくるのです。

ではその構造とはどんなモノなのか?っていうと(p.72、73より)、

when いつ、どこで(期限・期間・時期・日程・時間)
where どこで、どこへ、どこから(場所・アクセス方法・地図)
who 誰が、誰向けに(主体者・対象者・担当・役割)
what なにが、なにを(目的・目標・要件)
why なぜ、どうして(理由・根拠・原因)
how どのように(方法・手段・手順)
how many どのくらい(数量・サイズ・容量)
how much いくら(金額・費用・価格)

「5W3H」とはこれらの頭文字取った略語ですが、このような情報をすべて含むことで、文章量が増え、読み手にとっても有益な情報源となります。

これらの情報は、何か問題解決を目指して訪れたユーザーに対して有益な結果をもたらす可能性がぐんと向上することがわかります。

さらにこの本でここを取り上げた理由として、ブログなどネット記事を用いた「副業」だからこその要素があります。

それは…【1R】です。

1R(result=結果)という要素、例えばある商品レビューならそれを使って実際どうだったのか?使用感は?などの主体的情報を提供するのがこの結果の要素。

ネットで情報収集する目的として、個人の体験や使用後の感想や実際を知りたい、企業のマーケティングに染まっていないナマの情報を知りたいという要求もあります。

というかむしろそれがほぼ全てと言っても過言ではない(私がネットで情報収集するのは、記事を書いた人の主観的感想(ネガもポジも)を知りたいから)のです。

こうして二番煎じ的に文字に起こして見ると、なんだそんなことかと思いがちなんですが、このことを意識して文章を書いている人がどれくらいいるかってことです。

すでに結果を出しているアフィリエイターとかブロガーはいざ知らず、これから結果を出そうと躍起になっている人たちは、もしかしたらこの部分を履き違えて、「売れるにはどう書いたらいいか?」に縛られている恐れが大きいのです。

そんな状況をおそらく想像して、この本の著者は「1R」という半ば当たり前、常識のようなこともあえて書いてくれたのではないかと思うのです。

なんてったって初心者の味方、読者への愛あふれる著者ですからね。

2.「変」と「ユニーク」の微妙な違い

p.147より引用

あなたの作り出した理念か独りよがりになっていないか」「ユニークとは「独特」や「唯一」なことで、決して「変」なことではありません。

特に日本の田舎で顕著に感じるのですが、ちょっと変わっているということがネガティブなニュアンスで語られることが多くあります。

日本は特に同調圧力が強いと言われ、そして私も強く感じているところではありますが、そうした文化的背景によって「ユニークさ」とは「変なやつ」をフンワリ否定する言葉と受け取りがちだなーと思います。

しかし本書では「ユニークさ」の大切さを説くと同時に「独りよがりになっていないか」「変であることとは違う」というもともと言葉が持っている意味へと軌道修正しています。

まさに表現の領域ではこのところが誤解されがちな部分で、「ユニークであれ」ということと「変である」ことの違いを正確に認識し、自分の独自性を打ち出しつつも独りよがりになっていないかと常に自己反省する姿勢が大切です。

こうした微妙な部分、初心者が気にするには早いのでは?と思われがちだけど大切なことを指摘しているあたり、さすが私の心の師匠(面識は無く一方的に思っています)と思います。

3. 非専門書だからこそのシンプルな解説

p.188〜の「Kindle書籍を発売する8つのステップ」がKindle出版専門の本よりわかりやすい、という衝撃の事実です(私の主観です)。

Kindle書籍を発売する8つのステップ

  1. 章立て(項目)を出し尽くす
  2. 10項目、1項目1000字で1万字の文章を書く
  3. 画像やイラストを挿入する
  4. 推敲・校正する
  5. 表紙を作る
  6. 完成した原稿をKDPのプラットフォームにアップロードする
  7. Kindle本の内容や価格など書誌情報を入力する
  8. Amazonの審査に通過すれば発売開始

このように8項目が列挙されていて、詳細な手続きはKDP(Kindle direct publishing)へということでリンクとQRコードが記載されています。

私が著者の文章をたくさん読みその雰囲気に馴染んでいるからかもしれませんが、他のKindle出版ノウハウ本を読んだ時には感じなかった「自分にもできそう感」が桁違いに強いのです。

別段詳しい説明というわけではない(数ある副業のなかの1つという扱い)ですが、なんでだかこの本のKindle書籍(電子書籍)の出版への手順は、心理的な抵抗がないんです。

その影響か、書評記事とか温泉に行った記録をある程度まとめた後にはKindleで出してみようかななんて思うほどに「できる感」が生まれています。

なんとも不思議なこともあるものです。

これまでにも私がKindle出版に関する本を結構読んでいて、知らず知らず基礎的なことを知っているから、という可能性も無くはないです。

無くはないですが、読んだ時の「そんなの簡単だよ」って行間から言われているような優しい感じが、読者の自己肯定感を向上させているような感じを受けるのです。

他のKindle出版のノウハウ本は「いかに儲けるか」にフォーカスし、そしてそんな本を出す著者も「いかに儲けるか」「いかに読者に先まで読ませるか」ということに力を入れるわけだから、必然的に読んでてむさ苦しい感じにはなりますね。

何度も言いますが本書は、儲けることより読者の力になりたいという思いが形になっている本なんです(著者に確認したわけではないですが)。

だから読んだ人がどんどんやる気になって、実際に行動に繋がっていくんです。

 

4. 「好き嫌い・苦手マトリクス」という感覚の比較・可視化

p.260 「好き嫌い・苦手マトリクス」より

これは仕事の依頼を受けるか受けないか、という判断基準をあらかじめ明確にしておくと、いちいち判断に迷わずに消耗を抑えられるよ…という文脈で使われている表です。

何だこんな当たり前のこと…と思いがちですが、自分の感覚を座標上で比較することによって、純主観的感覚だったものをいくらか定量的判断に持っていけるわけなんです。

言われてみればそのとおりなんだけど、自分ではなかなかこういう着眼点には至らないものなんです。自分のことはよくわかっているつもりだから。

この視点は私には斬新で、読みながら思わずTwitterでつぶやくほどでした。

5. 立体で考える 〜好き嫌いマトリクスの拡張〜

p.261 「立体で考える」より

先程の二次元座標で示された「好き嫌い-苦手得意」の指標に、さらに「将来の可能性-給与・待遇」という軸を与えてより実践的に拡張したものです。

三次元に拡張すると指数関数的にその解析は複雑にはなるんですが、この指標の良いところは感覚的にこれらの指標で判断できるってところです・

数学や物理の問題では3次元に拡張されたら数式が増えて頭痛くなりますが、感覚的なことや自分の価値感に関することなら、それを数式で表すまでもなく直感的に理解できます。

それをある基準(図示した画像のような軸)に乗っ取って、プラスかマイナスかを判断すると、自ずとどの領域の事象なのかがわかります。

これがないと、「給料がいいけどちょっと苦手なんだよな…ああでもなあ」みたいに迷うことになります。

そんな時でもこんな基準を自分の中で決めて持っていれば、給料はいいけど自分の価値感(将来性がイマイチ、苦手な作業、など)にそぐわない要素が多いからお断り、なんて判断が、考えることなく機械的に下すことができます。

これ、ちょうど今私も就職しなきゃと思っているんですが、応募先企業を決めるのにかなり役立っています。

こんな時期だからこそ応募企業は軽く100社を超えますし、いちいち悩んでる時間がもったいない。

そこで、得意か苦手か、給料はいいか低いか、自分の興味がある仕事かどうか、と言った基準に照らして、2軸以上で満たしていれば即応募、1軸以下なら見送り、という風にサクサクと進めていけるようになります。

なんというか、とても汎用性のあるものの考え方だなあと。

こういう視点を持って仕事ができるからこそ、ブログや他の事業でも実績を作っていけるんでしょうね。

自分もそういう視点を自分で開発していけるように、意識してよりよい方法、よりよいやり方を探求し続ける姿勢を保ち続けようと思います。

6. 読者に向けた行動を促す一文

p.266より引用

この書籍を読んで、なにか感じることがあれば、賛否かかわらず(できれば賛のほうがうれしいですが)、ぜひ、ひと言でも自分の意見を発信してみてください。

その発言自体も、昨日と違う一歩となります。

染谷氏が書いた本文の締めくくりに書かれている文章なのですが、本当になんてことない小さな一歩でいいからいつもと違う行動を意識的に取ってみよう、というもうこれ以上のない励ましの言葉だと受け取りました。

この本の感想をひと言でも発信すること、それは「確固たる情報発信の1形態」に間違いなく、そしてそのひと言がきっかけとなりアカウントを開設したりなんだと状況が変わっていきます。

環境を少しずつ変えていくそのきっかけにもなり得ますし、なにより自発的に自分の意見をアウトプットしようとするモチベーションを生み出すきっかけになっている文章だと思います。

これも読者への愛、その具現化した1つの形でしょう。

この本は「副業力」というタイトルが示すように、副業を実践して稼ぎたいという人が手に取るような本です。

そんな本の読者が行動したくないわけがないんです。

でも実際に行動できるのは、100人中10人くらいでしょうか。

そして行動を継続できるのはさらに10人中1人か2人くらいでしょう。

でも初めの一歩を踏み出す人が少しでも増えれば、割合としては行動継続して成果を手にする人も少しずつ増えていくとも言えます。

著者がこうしたとても優しい愛に溢れた著書を書き続けているのは、ご自身と同じように自由を手にすることを望みながらそれが叶わない人を減らす、自由に働ける人を増やすことをミッションとして捉えているからなのかもしれません。

真意はわかりませんが、少なくとも一読者である私は、そんな風に感じ、そしてその思いに答えられるような存在になりたいと思いました。

 

7. 熱意の量=「熱量」をこめる意義

p.278の24行目より引用

大切なことはサービスやプロダクトへの愛だと思っています。「このサービスをみんなに使ってほしい!」という熱量はブログの読者だけでなく、作り手側にも届きます

この文章は巻末の「interview」の章に書かれていたものです。

ですが本書でも実践されている「愛」を感じさせる作品への熱量とでも言えるエネルギーが大切ですよ、ということを説いている部分です。

この部分はアフィリエイトの本来の形を彷彿とさせる、収益を発生させることを目指すブログやその他のコンテンツ全般に当てはまる事実だということができるでしょう。

コンテンツや紹介する商品への愛を見失って、儲けることだけに囚われたアフィリエイトサイトが乱立するようになり、アフィリエイターを揶揄して「アフィカス」なんてスラングまで生まれる現在です。

そういう姿勢では本来の目的だった儲けることだって達成できないし、そもそもその作業が楽しくない虚しいだけのものになってしまいます。

アフィリエイトは元はお気に入り商品の紹介文ですから、企業のPRに乗らない主観的で正直なレビューに愛の熱量を乗せて、本気で「いいものだからみんなに使って欲しい!」と表現すれば自ずと良い記事になはず。

さらにはそういう記事を書き続けている自分自身も、多くの人の役に立っているという肯定感も生まれて、あらゆることが前向きに回り始めるきっかけにもなることができます。

そんな状態に一刻も早く到達できるよう、今は自分の好きなものを発信し、そしてその愛を膨大な熱量として注入し続けていくことから始めたいと思います。

やる気になってからが勝負(まとめ)

この手の自己啓発的な本は、読後感がとても気持ちいいんですよね。

読んだだけで満足しちゃうというか、その後の具体的な行動につながらない。

つながらないというよりは本を読んだことで行動した気になってしまって、今さらあえて行動する必要性を見失ってしまうことが多々あります。

ビジネス書ではお決まりのパターンですね。

それにビジネス書はそもそもの著者が飛び抜けた少数派が書いているわけで、そういう本を読んでいる人が真似したところで再現性は限りなくゼロに近いわけです。

本書の構成がいかに素晴らしく、そして著者の読者への愛がいかに熱いものであろうと、それを受け取った読者が自分の人生をより良いものへと変えていく意識がなければ、ただ消費されておしまい、ということになります。

そこで本書を読んだ人には、ぜひなにか本書をきっかけとして行動を起こして頂きたい。

著者が書いたパートの最後の部分にもあったように、

「ぜひ、ひと言でも自分の意見を発信してみてください」

と言っています。

一言でもいいんです。

今までTwitterでどうしようもないことを呟いていたとしたら、本書を読んだことをきっかけにして日々気づいたこと、自分にとってプラスになったことを呟いて見る。

そしてそれを続けてみること。

継続することが成功への唯一で確実な道です。

私は本書を読み終えて、再読し始めた時には読書メモとして心に刺さった部分をとりあえずTwitterで呟いておきました。

Twitterは140文字までなので、心に刺さって感動したことを表現するには文字数が足りないので、非常にモヤモヤしました。

そして数日頭の中で寝かせ、他の本を読んで新しい視点を取り入れつつも、今回やっと読書記録としてブログに書きつけることになりました。

今回、ブログ記事としてはかなり長いものになってしまいましたが、Twitterで印象深いところをいちいち呟きながら読んだので、細かいところまで読み込めている実感があります。

そして実感している効果としては、本書を繰り返して読むことにもなって、自分の行動変容にも寄与してくれたということもあります。

万人が100%行動に繋げられるかと言えばそこまでは言えませんが、少なくともこのブログを書き始めるきっかけとなったことは確実です。

行動したいのになかなか行動できない、楽して稼げるわけないと知っているけど楽したい、すぐに結果が出る方法だけをやりたい、という人。

そんな人にとっては現実を知ってショックを受ける代わりに、少しずつでも継続することが確実な成功(成功の定義は色々ありますが、ここでは経済的・時間的な自由とします)への最短距離なんだ、ということが深く深く理解できるはずです。

まずそのことを理解し、自分に繰り返し言い聞かせ、そして確実な正しい道を一歩一歩進むための最初の一歩としてください。

この本にはそうまで言わせるだけの厳然たる存在感が確実にあります。

カブで、ちょっと日本一周に行ってきます! 下川原リサ 著

「カブで、ちょっと日本一周に行ってきます! 」●下川原リサ著 (Naigai Mook)

クロスカブ110で日本一周した女性の記録

本書は「ミスユニバース埼玉代表」や「ツインリンクもてぎエンジェル」と言った経歴を持つ著者が、バイク乗りなら一度は目指そうとする「日本一周」を達成するプロセスを記録したものです。

本業が物書きではないのでそこまでこなれた文体ではないのですが、それがかえって旅のリアルさというか、一般人らしさというか、親近感のようなものを感じさせる魅力があります。

上記のような実績があるにもかかわらず「一人のバイク乗り」としての視点を浮き立たせているのが、そういった要素かもしれません。

著者自身も言っているように、積極性が足りない自分を変えていくために色々挑戦されているようで、そして実績まで出されているところが素晴らしいと思いました(という上から目線でごめんなさい)。

私も原付1種ですがスーパーカーブのファンで日々乗り回している身でもあるので、この本が発売される情報をたまたまTwitterかなんかのタイムラインで流れてきて、その場で予約注文してしまいました。

なんか、こういうキレイな人が書いている本を予約注文してまで買う、というおっさん(私のことです)はなんかアレですね…。

とは言え、純粋にバイク乗りとして、そしてカブで日本一周といういつか叶えたい目標を先に達成された方への敬意を持って読ませていただきましたよもちろん。

 

よくあるブログの日本一周記のような構成

こんなこと言うと身も蓋もないんですけど、日本一周した人のブログを追いかけているような感覚でスラスラと読み進めていける構成になっています。

途中にコラムが挟まっているのですが、コラムの前後で文章が切れてしまうと続きを見失ったりはしましたが、そういうところが荒削りというか正直読みにくいんですが、一般の身近な人が挑戦しているんだという、不思議と応援する気持ちになっていくのです。

完璧に洗練されているもの、プロが校正して体裁を整えている部分もあるのでしょうが、あえてこうした形で文章を本人が書いたままの形で載せているのだとしたら、なんだか先読みされているみたいです。

実はそんなことは一切なくて、ただ編集の時点で気づかなかっただけ…という可能性もありますが、ここは私が本書に対して親近感を感じたことを正解と仮定し、あえて残してあるんだとうことにしました。

そうすれば自分がもしカブで日本一周して同じような本を出すとしても、体裁がちょっと乱れていても「いやいや、それは親近感を感じてもらうための演出だよ、キミ」って言えますし。

それにこの本のそういうところに親近感を感じたのですよ、という根拠にもなります。

解釈なんて人それぞれですよね。体裁に拘る人やなんか対抗心のようなものを持って読んだとしたら(そう言う人はそもそも読まないかも…)、また別の解釈、印象を受けるのでしょう。

不思議なものです。

 

日本一周の行程の参考になるデータも記載

カブで日本一周の費用

この本の実用的なところは、まず費用がどれくらいかかるのかと言う点が明確なところです。

女性一人旅というと、むさ苦しいおっさんが旅をするのとは違って、色々気を使うところも多々あるのではないかと思うのです。

だからこの本に書かれている旅程での費用は、少なくともそれだけ用意しておけばおっさんの旅には余裕が出るんじゃないか?と思えるものなのです。

(が、通読するとわかりますが、かなり無駄を省いた旅慣れた仕様になっています)

ちなみにこの旅でかかった総費用は568,210円とのことでした。

細かい内訳はぜひ本書を購入してご確認下さい→https://amzn.to/3p3UkoM

意外と金額がかかっていない(日程も120日程度、4ヶ月弱です)ので、普通に家借りて住んでいるよりもお金がかかっていない(1ヶ月あたり14万円程度)のですよね。

なんだか家を買ってローンで苦しんでいる自分がアホのように感じます。

旅をしながら人生を謳歌することと、家を持って(または借りて)定住することは、そこまでかかる費用は変わらないと『FIRE 最強の早期リタイア術』でも言及されているところ。

一度は旅をしながら自由気ままに生活してみたいと思う私にとっては、『FIRE〜』も本書も、大いに勇気づけられる内容となっているのでした。

カブで日本一周の実走行距離

日本一周っていうとかなりの距離を走るだろうなって思いますよね。

日本列島がなんとなく3,500キロくらいだからその倍と入り組んだ海岸線含めて1万キロくらいかな…なんて思うのですが、本書の旅で実際に走った距離は19,730キロだったようです。

内陸部にも入っていったということも書いてあるので、単純に列島往復しただけではないんだというのはわかります。

でも実際にどれくらいの距離なの?という予想は大きく外れました。

ということは、この本の実データは役に立つと言うことです。

約2万キロということは、エンジンオイルの交換一つを取っても、メーカー推奨の2,000キロごと交換を基準にしても10回は必要なのがわかります。

それにタイヤも5,000キロごとに交換目安とすれば3〜4回ほど交換する必要がありそうだ、と言うふうに思います(本書ではタイヤ交換は1回のみでした)。

乗り方や乗る人の重さなどの条件面での違いはあれど、実際の日本一周の行程ではそこまでタイヤ交換には神経を使わなくてもいいのかな、とわかります。

実際に日本一周した記録の価値

なんだかんだ言ってこの本の存在意義というのは、実際に原付二種で日本一周してみたときの諸々のデータが載っていると言う点がもっとも意義深いなあと思いました。私にとっては。

別の方が読めば、著者が色々な挑戦をするきっかけとなった「積極性」の獲得に自身の経験を重ねて勇気をもらうこともあり得ますし、自分もカブで日本一周したいと夢見ている人にとっては、その実現の後押しにもなり得るでしょう。

この方がキレイな女性で知名度もあるから本書に書かれているような出来事が起こった、とも言えないこともないのですが、だからと言って自分のような無名のただのおっさんが同じことをして、誰からも相手にされないかと言うと、そうとは限らないわけです。

見向きもされない可能性は限りなく大きい、ということは言えますけどね。

でもそう言ったことは行動目標からみたら瑣末なことで、本書から私が得たものというのは、とにかく挑戦することで自分の内面が大きく変わるということ。

ご本人は気づいていないかもしれませんが、多くの人の助けがあったとは言え基本一人で問題を乗り越える必要があるプロセスを長期間続け、そして当初目標を達成したその経験が、これからの著者の人生を豊かにすることは間違いないはずです。

そんな体験、その後の豊かな人生(豊かさは人それぞれですが)を送りたい、というかそもそもバイクというかカブが好きだから乗り回したい私は、この方の本を読んで本当に良かったと思えるのです。

まさに代理体験を提供してくれ、自分が本当に挑戦するときのシミュレーションにもなっている、そして貴重な旅のデータまで教えてくれている。

これからカブで(カブに限らず、ですが)日本一周もしくはなんらかの挑戦を考えている方にとっては、大いに参考になり、そして勇気をもらえる一冊であることは間違いないでしょう。

 

【永久保存版】全18種類!サラリーマンが初めて副業するときに必ず読む本 イケダハヤト著


【永久保存版】全18種類! サラリーマンがはじめて副業するときに 必ず読む本 (イケハヤ書房)

ブロガーの先駈け、イケハヤの副業本

この人は昔から資産になる副業をしようと言い続けています。

意図的に炎上させて注目を浴び、アンチ勢力をも利用してその知名度をあげているという、私にとってはひとつの目標になっている人でもあります。

イケハヤさんの著書は「武器としての書く技術」を2013年に読んだのが初めてで、その時の衝撃はいまだに忘れられません。

会社員として奴隷のように生きていき、あらかじめ大筋が決まっているかのような人生に失望しつつある時に読んだので、非常によく覚えています。

その時に一念発起して、わからないなりにブログを立ち上げて書き始めたのがこのブログの前の書評ブログでした。

たまたま勤務先が残業100時間を軽く超えるブラック企業で体力が続かず数年間放置してしまいましたが、あのままブログを続けていればもう7年ですから、毎日更新したとしたら2,500本くらいのボリュームになっています。

『武器としての〜』を当時読んだ人の中で、今でももしブログやライティングを続けていた人がいたとしたら、きっとそのツールを武器に自立できているんだろうな、と思ったりします。

事実、私よりも後にライティングやブログを始めた人たちが、今有名になったりそれなりの実績をあげていたりするんです。

そういう人たちを知るたびに、応援したい気持ちと自分ももうすぐそこへ到達するんだという自信を奮い立たせています。

これら一連の流れのきっかけを与えてくれたのがイケハヤさんであり『武器としての書く技術』なのでした。

ネット界隈では賛否ある方ですが、それも戦略の1つと思えば見え方も違ってきます。

というわけで、イケハヤさんが副業についての電子書籍を書いたということで、何も考えずにまずは読んでみました(Kindle Unlimited対象でした)。

 

おすすめの副業は「資産化できるか」

本書には全18種類の副業が記載されていますが、どんな副業をするにしても必ず守るべきことは、その副業をすればするほど「資産として積み上げることができるもの」を選びましょうということでした。

イケハヤ氏ご自身もライティングスキルを軸にブログや電子書籍と言った、一度作ってしまえば半永久的に残って情報を発信し続ける媒体を活用して稼ぎ始めています。

また現在ではブログなどの文字媒体に加えて、YouTubeなどの動画配信をも絡めた情報発信が重要になってくるとも言います。

改めて言及するまでもないことではありますが、「初めて副業するとき」に必ず読む本とのことなので書いてあるのでしょう。

このブログや動画チャンネルという、自分発の情報発信ができるツールを持つことが第一。

その上で他の副業やサラリーマンであればその本業と絡めた情報発信を行っていくというのが王道の方法となります。

これは本当に理にかなっていることで、今自分が携わっている仕事がなんであれ、業務上身に付くスキルや業界独特の知識・情報は、門外漢にとっては決してしり得ないものです。

自分の周りの人(同業者)はみんな知っているようなことでも、その業界を一歩出てしまえば、その情報は非常に価値のあるものとなりうるのです。

同様に新しい副業を始めたとしたら、その状況を逐一発信していくことで、これから同じ副業を始めようという人に対する情報提供=閲覧者増加に繋がります。

すると副業そのものに割く時間が少なくなった年でも、それまでに積み重ねてきた副業のプロセスが書かれた記事や動画から、自動的に収益が発生してくるということになります。

一朝一夕にはそこまで到達するのは難しいとは思いますが、続ければ必ずモノになります。

 

とにかく継続することが何よりも大切

私もかつてブログ投稿で挫折しました。

その後、直接書いた文章がお金になるウェブライティングも始めましたが、自分が書きたいことを書けないということにストレスを感じることがわかりました。

本業の教員としての仕事が多忙であったことや社内政治に巻き込まれたりしたことで、いつしかそのブログやライティングの仕事は途切れてしまい、ただの社畜に戻ってしまいました。

一方で、おそらく同時期かあるいは私より後にブログや動画を発信し始めた人たちが、少しずつ成果を出し始めてきています。

私も続けさえすれば、ヘタクソな文章も経験を積みながら少しはマシになったであろうし、もしかしたらそんなヘタクソな文章でも、たくさんの本を読んでいることに興味を持ってくれて収益化できていたかもしれません。

今となってはそれはわかりませんが、少なくとも当時思い描いた目標を見失わずに見続けて、一心不乱にそこへの到達を目指すのみです。

始める前や始めたての頃は、なかなか成果がでません。

というか閲覧者さえ0人の日が少なくとも1ヶ月は続きます。

私の場合はSNSで拡散しても日に一人が二人、それも発信した日限りの一見さんです。

決してリピーターはいません。質の悪い、見るに耐えないコンテンツだからです。

まずはそこを体験し、自分はまだレベル1なんだと認識すること。

そしてレベルアップするにはザコ敵から根気よく倒すように、カスみたいな記事を量産しつつ、自分の発信したい情報を必要な人に届けるにはどうしたらいいのか?を考え、実践し、改良を続けるのです。

私もまだその道を始めたというか再開したばかりです。

少なくとも2年、ひとまずの目標記事数は本気で書いた記事で1000記事です。

これを投稿し切った後に、どんな世界が待っているのかをこの目で確かめることを目標にし、なんの成果も上がらない、まるで不毛な行為のように思える情報発信を続けるのです。

今や日本を代表するブロガーのマナブさん(マナブログの運営者)でさえ、とにかく積み上げろ、といいます。

必要なのは特別な才能や能力ではないのです。

継続は意思の力だけでは維持できません。維持できる環境を作ることです。

そして遠い未来をあまり見過ぎずに、1日、1日、毎日の作業をしっかりやり切ることをルーチン化して続けていくことが、結果的に長期的な継続と確実な成果となって帰ってくることになるのだと思います。

すでにブログを書き始めて半年ほどが経過しますが、書評という稼げない分野で有名なジャンルで書いているため、トータルの収入で1000円未満です。

一体なんのためのブログなのかと虚しくなることはありますが、そもそも本を読むのが好きだから始めたのであって、収益はおまけみたいなモノ。

そういうふうに思い直して、まずは1000記事分の自分の好きな本や興味を持った本だけの読書記録を作るつもりで、ひとつずつ積み上げている最中です。

あなたも本書を読まれたなら(ページ数も少ないのですぐ読めます)、きっと資産化できる副業を積み上げていくことの効果を試さずにはいられなくなるはずです。

これをきっかけに、ぜひブログかYouTubeチャンネルを立ち上げてみてくださいね。

BASHAR×Naokiman Show 望む未来へ舵を切れ!

BASHAR×Naokiman Show 望む未来へ舵を切れ!

 

都市伝説系のYouTuberとバシャールの対談本

若者の間では有名らしい、都市伝説系のYouTuberであるNaokiman Showという方が、バシャールという宇宙人(?)と対談をし、その記録を本にしたのが本書。

都市伝説とか宇宙人とかが好きな人は楽しめるでしょう、という本です。

私も息抜きがてら都市伝説的なYouTubeを眺めたり聞き流したりしますが、今回わざわざ本を購入したのには、バシャールという存在が語る思想が自分の生き方にも良い影響を与えうるのでは、と思ったからです。

バシャール自体はこの筋に詳しい人たちにとってはかなり前から知られた存在ので、ワクワクしたことを追求し、自分らしい人生を生きていきましょう的なことを言っています(そのように私は理解していますが、ザックリなので違ったらすみません)。

そんなこんなで常識的な人なら眉唾物なお話ではあるのですが、今回は都市伝説や陰謀論的なことを紹介しつつもそこを深堀していく動画を投稿しているNaokimanという方が、自己啓発の代表的存在でもあるバシャールとの対談をするということに興味を惹かれました。

バシャールについての本や他の人との対談本もたくさん出版されており私も何冊か読んでいますが、これまでバシャールの思想を広める意図というか、バシャール大好き人間が対談しているので、同じような視点からの対談だなあと感じていました。

ここでYouTuberという、すでにワクワクすることを軸にして生きているであろう人が対談をするとしたら、また違った切り口での内容になるのではないか?

そういう期待を持ってしまったがために、このいわゆる眉唾物の範疇に含まれるであろうバシャールとNaokimanの対談本を買うことにいたしました。

まあ、読んだら読んだで面白いんですけどね。

 

嘘だったとしても信じてみる価値はある

バシャールに限らず他の「外の世界」といいますか、私たちがこの肉体を通じて認知できる世界の範囲外のことを説明しようとするもの全般に共通するのですが、それが自分の人生に役立ちそうならどんどん取り入れるのが良いと思うのです。

よく「パスカルの賭け」が例に出されるのですが、神がいると信じている者が死んだ後、死後の世界がなかったとしても、今生きている人生は敬虔に真摯に生きようとするから、神は存在すると信じていた方がお得だ、というような考え方です。

死んだ後のことや認識できない世界のことは、いくら議論したところで答えが出ないし結果を確認することも証明することもできないんだから考えるのをやめろ、と言ったカントの言う通りなのです。

でもやっぱり人間にとって肉体の死というのは誰もが必ず迎えるもので、自分の存在が一旦そこで切れてしまう、終わってしまい存在しなくなる、という恐怖が、どうしてもその先の世界のことを考えようとしてしまいます。

そのせいで今生きている人生自体が破綻するようでは困るのですが、そこで神の存在やバシャールが言うように光の存在に近づく(=次元が上がる)ようなことがあると仮定するとすれば、現在の人生にも意味がもたらされてより良い人生を目指すようになるのです。

バシャールが言うように、自分が望むものを引き寄せて自分の人生をしっかり生きていくことは、ワクワクすることをするようにすればいいのだ、ということが本当だと仮定したら、私の感覚ではとても楽しくて最高の人生だなあと思うのです。

ただ、地球人は「制限マスター」と呼ばれるほど自分に制限をかけまくっている存在でもあり、なかなか本来の自分の能力を使う(=ワクワクすることをする)ことに踏み出せずにいるとも言っています。

かつての自分を思い返せば、確かに不本意な状態で勤務し続ける会社員でいる時には、仕事をやめて収入はどうしようとか、色々心配になって動けいない状態にありました。

それでも少しずつ自分の本音を明らかにし、それをできる範囲で実行し続けているうちに、自分が望んでいないもの(=会社員として縛られること。会社員が向いている人もいるかもしれません)から離れずにはいられなくなってきました。

そう言う状態で勤務を続けていても、その場を仕切る人(社長やオーナー)からは風紀を乱すケシカラン奴として映り、社内で結果を出していたとしても何かにつけて叱責されることになるのです。

当時はただ自分の存在を否定され、人格を攻撃されて消耗していたように感じましたが、そうした刺激は実は次のステージにもう良い加減進みなさいという強制的な力だったのかもしれないなあと解釈できるようになってきます。

そんな自分に都合のいいような解釈をして…なんて言われますが、ただ起こった事実(私が理不尽に人前で叱責されて退職することになる)を変えることはできません。

でもネガティブな受け取りかたをしたままではなくて、それを自分らしい人生を歩むためのきっかけとして利用するためには、このような解釈の変更をするのが大切だとも言えます。

バシャールが本書で言っているのは、「本当の自分と合致していない波動にしがみつくのをやめればいい」ということです。

かつて入社した時などは自分と会社の波動が合っているから入社しているのでしょう。

その後、私にも会社も様々な経験を積み、波動が少しずつ変わっていきます。

そして今回の例では、私がよりワクワクした人生を生きたいと望んだために、従来社会で支配的だった価値感とのズレが生じ、それでも「合致しない波動にしがみつく」のをやめない私を引き離したのだ…という風に言うことができます。

この本を読んでみたことで、これまで動画やネット上の記事でバシャールに関する知識を得ていたのに比べて、なんだかより深く自分の生きていく道に関する軸が定まったような感覚を得ています。

従来の考え方からしたら、なんの後ろ盾もない、収入のあてもない状態でよく好きなことをするために飛び出したね、って思われるのが必至です。

そのくらい無謀な状態でスタートしています。

さらに言えば自分が本当にワクワクするものはいったいなんなのかが明確にわからない状態でもあります。

それでも会社をやめて、11月末でちょうど1年、12ヶ月が経過してしまいます。

会社員として勤務しなくても生きていられた、という今となっては当たり前の状態について、やっと心から「本当のこと」「特別なことではない」と理解することができたのです。

人間、やはり自分で体験してみないと実感が湧かないものですね。

そして退職から1年が経過した後からの生活は、またどうなるのかわかりません。

もう二度と他人の手足となって自分の意思を殺して生きていくなんてことはしたくありませんので、いわゆる「働いたら負け」と思っているニートのようです。

それでもこのまま、会社員として雇われることなく生きていくためにはどうすればいいのか?ということを追求することが、今の私のワクワク要素の1つになっているのかもしれません。

そうだとしたら、今なにをすればいいのかわからない状態も、ちゃんと準備された状態だから、自分が本当に望む状態とはどんなものなのか?を真摯に探求することがフリー2年目を生き抜く条件なのかもしれませんね。

 

読み終わってみての本の印象について

本自体の内容からはかなり逸脱してしまいましたが、私が本書を読み進める中で考えたことというのは上記のよう無ことです。

この本は単純に都市伝説や宇宙人系の自己啓発本として読み進めても面白く、そして自分の人生をよりよくするための知識が得られるものだと断言できます。

そこから一歩踏み込んでみて、自分の人生に「仮に」当てはめてみるのです。

すると今の状態は自分の望んだ状態は何%くらい含まれているのか?とか、望まない部分はどうすれば減らせるだろうか?などと、より実践的にこの本に書かれている知識を活用することにつながってくるはずです。

ただの娯楽本として消費するも読者の自由ではあります。

私は当初、読み始める前は娯楽本として消費するつもりで買いました(最近、ちょっと息抜きできる読書をしていなかったので)。

でも実際に読んでみたら、なんだか心の深いところからインスパイアされるような気がしてきて、思わず自分の人生や今の状態を確かめながら読み進めるようになっていました。

読むだけでそういう状態に誘導されるように書かれているのかもしれません。

そうでなかったとしても、ぜひ本書を手に取られた方は「自分の人生はワクワクしたことに満ちているか?」「自分の能力はしっかりいかせているか?」などと自問しながら読み進めてみてください。

きっと第三の目が開いてくる感覚が実感できるはずです(自分の生きる道が確信できるような感覚、とも言えますね)。

 

未来を動かす バシャール×安藤美冬

 

2017年のバシャールと著者の対談本

バシャールという、その筋の人たちにはとても有名な存在と、著者が日本人という立場からインタビューした内容を記録したのが本書。

ワクワクすることを追求するとか制約から自由への変容などといった、ここ最近ではよく目にする新しい価値観についての大本の発信源たるバシャールの主張を知ることができる一冊でもありました。

私はこれまでバシャールという存在自体は聞いたことはあるけれど実際に何を言っている人なのかはよく知りませんでした(実際には”人”ですらないようですが)。

ダリル・アンカという人物のチャネリングを通して、バシャールの意思が言葉を伝えている、という設定(?)のようです。

良さそうに見えるけど、遊んでいるようにも見える

これもバシャールのいうことを自分なりに受け止めて、よりよい生き生きした人生を歩むために活かしていくというのが良いとは思うのですが、なんだかよくわからない存在の言うことなんて聞けないね、と言う人もいると思います。

なんでかといえばバシャールが言っていることは、社会通念上、実行に移すにはかなりの勇気が要ることだからです。

例えば「ワクワクすること」が、今の人生で達成すべき義務につながるミッションである、というようなことがあります。

人間、だれしも無性にワクワクして、それをやっている時には無我夢中で取り組めると言うものがあったりするものです。

しかし仕事や家族の世話などを脇においてまでそのワクワクすることに専念することは、かなり難易度の高いことです。

そしてワクワクを追求しないことを正当化するために「遊んでいる場合ではない」「仕事をしなければ飢えてしまう」などと言います。

ここにバシャールが社会通念上、受け入れるのが難しいと言われる理由があります。

遊びが仕事になっている人もたくさんいる

一方ですでにワクワクすることを仕事として成り立たせている人たちも実在します。

私も実際にそう言う人たちに会って話したりするまでは、そういうことを言ってセミナー料とかを騙しとる詐欺集団かなにかかと思っていました。

そう思っていた当時の私も、いわゆる社会通念上や常識と言うものに縛られており、その常識が自分にとってどう影響しているのか、それはどこまでが根拠があることなのか、自分で考えようともしませんでした。

その後、ワクワクすることを仕事として行って生活している人たちと一緒に過ごすことが増えてきて、いつのまにか自分もそちら側の人間になっていたのです。

今はまだ生活するのに十分という収入ではないのですが、自分がワクワクすることに目を瞑り、日々お金を稼ぐためだけにやっていた仕事をしていた時(経済的に余裕が会った時)に比べたら、主観的な幸福度は雲泥の差で高くなっています。

この状態に飛び込めたのは、やはりバシャールが言うような変容であったり、ワクワクすることが人生のミッションであるということが感覚的にわかってきたからであり、長い時間がかかっています。

だから、このような本を読んでいきなりバシャールのいうような状態に飛び込めるかと言ったら、それは正直かなり難しいのではないかと思います。

そしてバシャールも本の中で、どっちの道を選ぶのかはその人の心の状態や成長の度合いにもよっているようなことを言っています。

実はどちらの道をいくのかは選べるのですが、時の経過とともに少しずつその選択(今いるところから進路変更)することが難しくなってくる、固定化されていくとも言っています。

最近になってワクワクを追い求める人生が認知されて、そういう生き方を選び始める人たちが出てきたのも、自分の意思でワクワクする人生を選ぶ人が増えてきたということなのかもしれません。

生き方は自分で選べる

この本は2017年時点のことが書かれているのですが、少なくとも2050年にはもう両者は完全に分離されて、お互いの存在が認識できなくなるであろうとあります。

自分の知らない価値感や知らない存在は、たとえ目に入っていてもそれと認識できません。

おそらくそのくらい隔絶された状態へとお互いの立場が離れてしまうということでしょう。

どちらが良いのかは、個人個人の価値感によって本当にバラバラです。

私もかつては社会通念上、品行方正で真面目に会社勤めして定年まで我慢して勤めることが目指すべき自分の人生だと思っていました。

しかしワクワクすることを追求してもいいんだ、という価値感を知ったことによって、自分の生きる道はそっちでははいということも感じました。

そしていろいろ苦労した挙句、やっとワクワクすることを追求して生きていく道へと踏み出すことができたのです。

こちら側に来る過程で、やはりワクワクを追い求めるなんで冒険的な生き方は嫌だと言って離れていった人たちもたくさん見てきました。

その後彼らがどうなったかはもう知る由もありませんが、その時点では少なくともワクワクを追い求める生き方ではない方を選びたいと思ったのでしょう。

このように全員がワクワクを追い求める生き方を望むわけではないんだ、ということを知った上で自分の人生について、よりよく生き切るために本書のような知識を活かしていくことが大切なのだと思っています。

 

 

悪魔とのおしゃべり さとうみつろう著

悪魔とのおしゃべり

『神さまとのおしゃべり』の続編

さとうみつろう氏の著書『神さまとのおしゃべり』とは別の視点から(神から悪魔)、善良になろうとして苦しむ、正しくあろうとして苦しむ、その理由について「悪」の面からアプローチしていく本です。

悪の面と言っても、社会通念や常識、正しいとされること、善良とされることなど、私たちが「こうあるべき」と思いがちな価値感について疑問をもつことを「悪」としているだけで、結局突き詰めていけば同じ結論に至る…という内容です。

前著の『神さまとのおしゃべり』を読んで、その内容について納得が行った人はきっとすんなり受け入れられるでしょうし、そうでなかった人も前著とは異なったアプローチでの「人生の意義」のようなものに迫れるので、オススメできる本です。

神さまと悪魔に象徴されるような二元論から物事を考えたり判断する習慣が身についていると、どうしても唯一絶対の「正しいこと」が存在しているように錯覚してしまいます。

しかしそれは立場が違えば正しいと言えるとは限らず、また悪とされる価値感も立場や環境が異なれば正しい、望ましいとされることがあります。

頭ではそう理解していても、いざ自分の価値感に反することが目の前に突きつけられると、どうしても自分が正しいということを証明したくなり、価値感の異なる相手と衝突してしまいがちです。

本書では、なぜ価値観の異なる人がいるのか、そのような人たちは自分(読者それぞれ)にとってどんな意味があってそこに存在しているのか?などと言ったことを深く掘り下げていきます。

「人間スーツ」理論というどこかで聞いたことがあるような、この世界の外側の存在や仕組みについても言及されており、自分が自分という人間として存在していること自体が、どんなに尊いことなのかということまで理解できるものになっています。

悪魔とのおしゃべりというタイトルから想像するに、一般的に正しいとされていることや道徳的であることに対する挑戦や反対の価値感への考察という内容かなと思うのですが、そこからさらに踏み込んで、あらゆることが素晴らしい存在なのだという全肯定へ繋がっていきます。

”思い込み”を外すための第一歩、そして全肯定へ

悪魔とのおしゃべりを通じて得られることは、自分が正しいと思っていることは本当に自分が正しいと思っていることなのか?その根拠は?という疑問を持つことです。

「正しい」とされることは、周りのみんながそう信じているから「正しい」と認識しているだけであり、そう信じていない人たちの中に入ったら、それは正しいとは言えなくなります。

また自分は確固たる自分であり他の人とは全く別の存在であるという思い込みも、もともと一つだった宇宙の要素のうち、たまたま私やあなたという要素に別れて存在しているだけの話かもしれません。

ではなぜもともと全てを含む1つだった宇宙の素が、わざわざ別の存在として分離させてお互いに影響を与え合うようになったのかと言えば、それは全てを含む1つの状態では「体験」が全くできず、なにも起こらないからであると仮定します。

だから私たちが体験するあらゆるものが宇宙の素にとっての目的であり、その体験(辛いことも悲しいことも楽しいことも嬉しいことも)を得ること自体が尊いことなのだとなります。

さまざまな立場や環境、時代の人がいますが、それぞれの人がそれぞれの視点でしか見ることができない世界というものがあります。

しかしどんなに些細なことでも一人一人の視点は、唯一無二の視点です。

そんな貴重なすべての人の経験を全て経験しつくし、最後に経験しているのが今生きている自分の体を通じた人生の経験、と仮定したとすれば、どんなにつまらない人生だと自分で思っていたとしても、「つまらん人生だ」と思うことが貴重なことになります。

この考え方を取り入れたら、あらゆることが素晴らしくてかけがえのない経験になり、どんな些細なことに対しても感謝の気持ちが湧いてきます。

そして感謝の気持ちこそがもともと一つだった状態に近づくためのエネルギーであり、今の分離された状態の私たちにとってもよいことが起こる(見えてくる)ようになるきっかけになります。

長い長い500ページを大きく超える本の結論としては、「かけがえのない今目の前で起こっている全てに感謝しようぜ!」みたいな感じになるのでしょうか。

この結論に至るまでのプロセスを経て、すべてのものが完璧に用意されていてその全てがかけがえのない貴重な体験なのだということが理解できるので、感謝する気持ちが自然と湧いてくるようになってきます。

だから結論がシンプルだからと言って、読むのやめるのはオススメしません。

結構売れた本だし、きっと図書館とかにもあるだろうからぜひご一読くださいませ。