悪魔を出し抜け! ナポレオン・ヒル 著 田中孝顕 訳

悪魔を出し抜け!  ナポレオン・ヒル 著 田中孝顕 訳
生涯をかけて成功法則の完成と普及に奔走した、あのナポレオン・ヒルの本。
本書が書かれたのは1938年とのこと。
それが2011年までずれ込んだ事情は「まえがき」にあります。
超有名は「思考は現実化する」みたいにに分厚くなく、
対話形式の本になりますから、比較的読みやすい形になっています。
ただ、これは個人的な印象ですが…
当該出版社からのコレ系の本って、なんか商売くさいんですよね。
まあ儲けるために出版してるんだから当たり前なんですが。
どちらにしても、自分の人生がより良くなるなら
その辺のところは目を瞑りましょう。

本書の内容

本書はナポレオン・ヒルらしく成功するためのノウハウ本になりますが、
出し抜く相手である「悪魔」とは、
つまり「流される心」とでも言うべきものです。自分との戦い。
一大決心をして成功に向けて努力を始めても、
人間はそんなに強い存在では無いので、周囲の状況に流されてしまいます。
見方を変えれば、生き残るために環境に適応するとも言えます。
しかし生き残ると言うことは変化を嫌うことな訳ですから、
成功に向けて変化しようとする行為は、それに反します。
結果的に「流されて」しまい、元の木阿弥になると言うわけです。

流される人=悪魔の大好物

本書における「流される」人間とはどう言う人間なのか?
流される人というのは、本書で言うところの
悪魔の大好物、と言う表現がされています。
本書は端的に言えば、
「流されない」ためのマニュアルといってもいいようなものです。
そんな本書では、流される人間とは、
【自分の頭で考えることを放棄した人間】である、と定義しています。
つまり本を読まない人間であるともいっています。
一方で考えなしに読みまくることの危険性を説く哲学者もいます。
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、「読書について」において、
大衆紙や新刊ばかり読んでいると考えることをやめてしまうと注意を促しています。

流されない人になるには

流されるようになるには、結構大変です。
とにかく他人の言うがままにして、自分で何も決めないようにすることです。
例えばまず、親の言うことを聞き、先生の言うことを聞き、
常識を無条件に受け入れ、特にこれといって目標も定めず、
自分を失敗の恐怖で埋め尽くす必要があります。
これら流される人間になるために協力してくれる人は、現状の止まることを強いてきます。
しかもそれを、こちらのためを思って、親切心でやってくれています。
(だから厄介な問題となるのです)
逆に、流されない人になるにはどうするかというと、これは簡単です。
自分で情報を集め、考え、判断すればいい。
やりたいことが出来るまで、ひたすら挑戦し続ければいいだけ。
しかし言うは易し、行うは難し。
そのようにできなからこそ、成功法則の本家、ナポレオン・ヒルは
このような本を世に出したわけです。

結局どうすればいいの?

どうすれば自分で考えられるようになるのか?
それにはまず、情報を集めることであると言えます。
考えるための材料がないと始まりませんから、その材料集めです。
そしてその情報源としては、古典的名著にあたるのが間違い無いと思います。
古典として残った名著は、時の試練に耐え抜き今に伝わります。
つまり時を超えた普遍的な知識の宝庫と言えるでしょう。
そしてできればそれらを原書で読むことです。
翻訳でも本質的な意味合いは伝わるので十分なのでしょうけれど、
中には翻訳者の意図や無意識に持っている価値観などがフィルターとして
影響していることがあります。
今、日本で出版されている訳書がみんなそうでは無いにしろ、
訳者によっては本の印象がかなり違うと言うものも散見されます。
だから理想的には、著者の母国語で書かれた本をそのまま読むのがベストと言えます。
なお、最初から参考書を読む人がいますが、オススメしません。
いきなり原書に当たるのはハードルが高いと思うからでしょうけど、
むしろ原書を自分の頭で考えながら噛み砕いていく行為にこそ意味があります。
自分の頭で考える、と言うことにもつながります。
参考書はあくまで参考書。
他人の思考を通じた解釈ですから、原書を知っている前提の内容となります。
だから原書として難しい本だとしたら、その著者のもっと初心者向けの本や、
同一分野のもっと優しいと言われている本から挑戦してみることです。
そういった自分にあった情報源を自分で探すことも、
流されない人、自分で考えられる人になるための過程と言えるでしょう。

この本が向いている人、オススメの人

いわゆる自己啓発系です。そう言うの好きなら楽しめます。
中にはこう言うタイプの本にはアレルギー反応を起こす人もいますから、
そう言う人は立ち読みとかしてみるといいでしょう。
また、ナポレオン・ヒルの著作と言われている本には、
訳者が異なるものが数種類あるようです。
出版社ごとに対立しているようなレビュー合戦がAmazonなどでは
見られますね。
そういったものを総合的に勘案して、自分にあっているのかどうなのかを
ご判断いただきたい種類の本です。
なお、私の感想としては、読みやすくわかりやすい内容でした。
主張内容も至極真っ当なことをいっております。
(自分で考えろ、と言う身も蓋もない結論ですが)

この本から得られること

よくある成功法則の本ですから、そう言うのが好きな人は新しい発見とかは
あまり期待できないかもしれません。

ただし、あまりにも多くの自己啓発本を読み漁って、それでもなお結果が出ない、
と言う場合には、このような基本的な事柄を振り返る機会になると思います。
内容的にも難易度的にも、社会に出たての若者向けでしょうね。

ここからあの、「思考は現実化する」などの分厚い奴に誘導される感じです。

書評まとめ

全体を通じて、ナポレオン・ヒル本にしては優しい感じだなあと言う印象です。
ただ「思考は現実化する」を何回も読んで、自分で試行錯誤している人にとっては、
今更感がある内容かなと思います。

決して間違っていないんですが、今それを言いますか、って言う感覚が私にとっては
強い印象ですね。
対象となる読者ではなかった、と言うことかもしれません。

なお、2020年3月時点では、Kindle Unlimitedで読めるようなので、
未読でかつkindleをお持ちの場合にはチラ見してみてもいいかもです。