閨閥 本所次郎 著

閨閥 マスコミを支配しようとした男

ヤバイくらいにリアリティがスゴい作品(むしろ実話?)

「閨閥」という言葉の意味が不明な人へ(私も初めて見る言葉なのでわざわざ調べました)

閨閥(けいばつ)とは、外戚(妻方の親類)を中心に形成された血縁や婚姻に基づく親族関係、又はそれから成す勢力、共同体、仲間などを指す[1][2]。もともとは中国語で「閨」の意味は夜、寝るための部屋のこと。婚姻は政略結婚[3]も含み、政界、財界、官界さらには王室、貴族に属す一族が自身や血族の影響力の保持および増大を目的に、婚姻関係を用いて構築したネットワークを門閥(もんばつ)と呼ぶこともある[4]。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A8%E9%96%A5

この本はホリエモンが刑務所の中で大量に読んだ本の中で、面白いからオススメしたい一冊に
入っていたので便乗して買った本です。

ホリエモンって人は、本当にいいものを見つける力が飛び抜けていると思います。
彼が面白いと言った本は(私の好みの範囲では)ハズレがありません。

本書も当然、読み始めて一気に作中に引き込まれてしまいました。

そして読み終わって、まるでリアルの世界の出来事を読んだのかの様な、妙に生々しい、
迫ってくる様な凄みも感じました。

なお、ホリエモンがこの本を推すのには、あのニッポン放送買収が絡んでいるようです。
これ読む前に買収したから、正論でゴリゴリ攻めて反感買っちゃったのかな。

そいういうのも含めて読むとなおリアルとのつながりがあって非常に面白いです。

仮名を使っているけどほぼフジテレビ内部の権力争い

戦後日本のメディアを立ち上げるところから、テレビ放送という新しいメディアを構築して
いく過程では、産業発展の歴史的な視点の勉強にもなります。

そしてリアリティ溢れる、組織や人間同士の権力争いの様子もありありと記述されており、
フィクションでここまで考えて作り込めるかと言ったら、かなり難しいのではないかという
レベルので仕上がりになっていると感じます。

実際、フジテレビとその関連会社内部の権力争いをモデルに書かれている(というか、ほぼ
そのまま書かれている?)内容なので、読んでいるうちに史実を読んでいるのかと錯覚する
ほどです。

私も幼い頃にはテレビっ子でしたが、たしかにフジテレビの番組は大衆に上手く迎合していて
楽しさや笑いを提供するものが多かった様に思います。
見てる番組は大抵が8チャンネル(地デジでも8チャンネルにして失敗した様子)でした。

その後にはすでに記憶の片隅に追いやられている人も多いでしょうが、ホリエモンによる
フジテレビの親会社にあたるニッポン放送の株式買収がありました。

なぜホリエモンが、わざわざフジテレビなんていう強そうな(まだものを知らない私は、
ただ面白い番組をたくさん作っているというだけで強そうと思っていました)テレビ局を
狙ったんだ?と疑問にも思っていました。

しかし本書をリアルな権力争いの様子を描いたものだとすれば、外部から引き入れた人物が
経営権を持つ、いわば伝統があるこのテレビ局が格好のターゲットだったのかもしれません。

それよりも、テレビ局という巨大な企業の親会社(株をたくさん持っている)が、そこまで
規模が大きくないラジオ局の「ニッポン放送」だったということが決め手でしょうか。

この株くらいならホリエモンでも資金を集めて買収できるし、ニッポン放送(親会社)を自分
の支配下におけば、その子会社のテレビ局も手に入る、ということです。

ホリエモンのこの一件や、本書内で記述されている企業買収などのやりとりを読んでいると、
これはこれで株式の勉強にもなるなあ、なんていう視点もありました。

物語を単純に楽しむために株式の知識が少しはあってもいいでしょうけれど、そもそも株式
なんてまったくわからんという状態で読んでも、だんだん株式というものがどんなものなのか
少しずつわかった様な気にはなれます(人による?)。

正直、この手の話は苦手。でも…

こういう人間同士が権謀策術を駆使して騙しあって自分が上に立って、そのあとで自分の地盤
を確立するためにライバルや敵対しそうな人物を消していくお話は、結構苦手ですね。

苦手なんですが、それでもこれどうなっちゃうの?って読ませていくところが、やっぱり
書き手の才能や能力のなせる技なのかな、と思います。

というか本書を読んだ経験から、この手の人間同士のドロドロした系のお話を楽しめる、と
新しい世界が広がった様に感じます。
あくまでも「フィクション」として読んで、ああ面白いなあって思う分には平和的ですし。

それにしても、こんな詳しく、かつ生々しく文章で表現できるなあと。

まあ実話を元にしてるんでしょうが、実話を元にしたフィクションだとしても、内部のかなり
深いところで関わっている人でないとこんな内容は書けないんじゃない?と思います。

作家という職業の人が、ここまで綿密な取材をすることが当たり前だとしたら、それは私の
認識不足です、すみません。

この小説、とっても刺激的で面白く、権力闘争が嫌いな私でも引き込まれるほどですから、
再版とか増刷すれば売れると思うけど…内容がメディアの力持ってる人の話だから、
なかなかメディア関連企業である出版社が出すわけには行かないのかもしれないですね。

ああーコワイわ〜。

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