レイラインハンター ~日本の地霊を探訪する~ 内田一成 著

レイラインハンター 〜日本の地霊を探訪する〜
内田一成 著

レイラインと感覚・印象

「レイライン」と呼ばれる、神社や遺跡などの聖地を結んだ直線について、
著者が実際にGPSやデジタルマップを用いて調べて回った記録の本。
風水でいう龍穴や龍脈、パワースポットなどに興味があると楽しめるんじゃないか、
という内容の本です。
こうした、いわゆる”聖域”と呼ばれる場所に実際に立って見ると、
清々しい雰囲気や静謐さが体に染み込んでくる心地よさを感じたりします。
昔の人々は、今ほどデジタル機器や測定器が発達していなかった分、
自らの体感覚を頼りにしていたのだろうなと思えます。
それだけ自然や環境に即した生活様式であった、ということなのでしょう。
現代のような文明の発達した世界では、自然の中の季節の移り変わりや
時間の流れなども、生物としての人間に対しては不自然な形でもあると
生活の形についての反省を促してくれる視点を得られました。

世界のパワースポットの扱われ方

東アジア、いわゆる東洋と呼ばれている世界では、
風水の考え方が古くから活用されてきました。
現在に残るものでは、神社が立っている場所が”気”の良い場所だったり、
山に囲まれていたり水辺であったりすると良い、といったもの。
あるいは金運が上がる持ち物などと、ちょっと怪しい感じのものもあります。
そういった日本の風水スポット的なものと同様に、
いわゆる西洋、ヨーロッパでも聖地はパワースポット(風水的に良い土地)に
建てられていることが多い、という事実があります。
西洋でもパワースポットは同じように捉われているというのが意外でした。
東洋では自然と共生する、という思想が主流です。
特に日本では四季が明確であり、自然災害も多く発生します。
一方で西洋ではそもそもの自然環境が厳しい世界ですから、
自然と共生するという視点よりは、自分たちの生活に有利なように
「作り変える」「克服する」という印象が強いように思います。
こうした洋の東西での違いがあるため、東洋的な風水的視点での
「パワースポット」
という捉え方を、意外なものと受け取りました。

聖地は「レイライン」上に

レイラインという、聖地が一直線上に並ぶ現象も、洋の東西を問わず共通であること。
夏至、冬至、春分、秋分といった太陽の運行は地球上であれば世界共通で観測されます。
太陽の動きに合わせて聖地を築く、という発想は世界共通のようです。
こうした共通点に気づいたイギリス人がいて、聖地が並ぶ一直線のラインを
「レイライン」
と呼ぶことにしたようです。
ちなみにウィキベディアからの引用ですが
レイライン(ley line)は、古代の遺跡には直線的に並ぶよう建造されたものがあるという仮説のなかで、その遺跡群が描く直線をさす。レイラインが提唱されているケースには古代イギリスの巨石遺跡群などがある。レイラインの存在は1921年にイギリス人のアマチュア考古学者アルフレッド・ワトキンス(en:Alfred Watkins)によって提唱され、その著書『The Old Straight Track』(古い直線路)によって遺跡の直線的配置性が世間一般の注意を引きつけることとなった。
このように、1921年にイギリス人のアルフレッド・ワトキンスが提唱したものが
世間一般に認知されるようになったものが「レイラン」というものです。

日本版「レイライン」

本書「レイラインハンター」は、
①現代の精密な測定機器で検証
②日本においても同様の配置が存在するかの検証
を行ったものの記録です。
古代に作られた遺跡なんて、どうやっても人間の感覚が基本だから、
多少は正確さがあったとしても厳密にはズレていても当然、と思いがちです。
しかし、GPSを使った正確な測量で建造位置を測定してみたら、
気味が悪いくらいに正確に、
何らかの形を意図した配置になっていることがわかりました。
土地によっては正確に五芒星を描いていたり、
かつて征服した地域を封じ込めるような配置で神社が建ってたり、
なんでこんな正確に建設場所が決められたんだ?って思う事実が次々に現れます。

神社が「そこ」にあるのは理由がある

この本を読んでから、神社の見方が変わりました。
主として祀られている神様の他に、摂社とか大木とか、元々の土着の信仰らしき
それこそ「荒ぶる神」的なものに、関心が行くようになりました。
元からあった信仰であれば、政治的意図よりも自然への畏怖が影響しています。
つまり太陽の運行や土地の「気」のようなものに影響を受けます。
そうすると、自ずとレイライン上の土地が多くなります。
色々な聖地、神社、遺跡を調べていくと、
古代の技術水準でどうやって測量したのかわからないものが
たくさん出てきます。
そういう意味でも、この本は楽しめるものでした。
このレイラインハンター、
パワースポット巡りする時に読んでおくと、
より深いところまで楽しめるようになりそうです。
または次にどこへ行こうか迷ったら、行き先の候補にもなるかもしれません。
私は、ひとまず近畿地方の五芒星を確かめに行きたくなっております。

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