三酔人経綸問答 中江兆民 著

三酔人経綸問答

中江兆民 著、鶴ケ谷真一 訳

酔っ払いによる国際情勢についてのおしゃべり本

この本の中身についてちょっと紹介しますと、
洋学紳士君と豪傑君の対話を、南海先生っていう酔っぱらいがかき回すような対談本です。

しかしその対話のテーマは、国際情勢や外交政策だとか、大きなテーマ。

この本が書かれた明治時代の時代背景を反映してはいるけれど、
不思議なことに、昔書かれた本とは思えないほど今っぽい話をしている。
そんな印象を受けたのでした。

それはつまり、今も昔も、国際的な問題は同じようなことでもめている、という事?
古代ギリシャの文献でも「最近の若者はけしからん」と書かれていたように、
人間が直面する問題点というのは、時代が変わっても変化しないものなのかもしれません。

そう思うと、昔の人のぼやきも面白いですね。それに現代の問題に対する回答としても、
応用することができそうです。

明治時代の国際問題は、今の問題にも通ずる

これ本当に昔書かれた本なの?って思うほど、話のテーマがリアル。
外交や軍備増強の是非とか、自由だとか平等だとか。
ずーっと同じことで議論し続けているんだとしたら、人間の進歩の遅さに目眩がします。

まさに、外交問題などに関わっている人たちにもお読み頂きたい本です。
政治に携わる人とかが読んだら、新たな視点が生まれたりしないだろうか?
古い書籍の中に新しい時代へのヒントがある気がします。

訳についても私の個人的な好みではありますが、
光文社の古典新訳だと今の言葉に訳されていて読みやすい感じがします。
だから一層古さを感じさせなかったのかもしれません。

すでに岩波文庫などで持っている本であっても、
光文社から新訳が出るたびに買いなおして読み比べるのも楽しいです。

それに再読、ということにもなるので、より深く、馴染みやすい日本語で
読み込むことができるので、理解が深まります。おすすめです。

結局、実のある学びは古典から

言わずと知れた古典はハズレがない。
なぜかと言えば、長い時間というフィルターを潜り抜けてきているから。

印刷技術が未発達だった頃には、写本といって一冊ずつ手で写し取っていました
それだけの手間暇をかけて残したいと思うような本だからこそ、今に残っていると言えます。

だからこそ古典を読むべきなのです。
物事の本質に極めて近い部分が、簡潔に書かれていることがほとんどです。
その原則を身につけ、その上で応用するときの具体的方法が思いつかないなら、
現代のビジネス書を読んでみるのがいいと考えています。

古典に親しむことによって、ビジネス本の新刊などが出てきたとしても、
結局どんな本も言ってることはほぼ同じだと気づく時がきます。
ある特定に切り口から詳しく論じたのが現在のビジネス書であり、そのエッセンスは
すでに人類の歴史の中で形になっているものです。

もしかしたら、すでに人間は叡智を極めている、
とも言えるのかもしれませんね。
この本を読んだことで、より一層古典を読むことの意義を理解したように思います。

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