メモの魔力 前田裕二 著

メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)

言語化と可視化によるアイデア具現化ツール

「メモの魔力」という一見とっつきやすそうなツールの活用法に見える本ですが、
一読すると”メモ”の持つ力に圧倒されるでしょう。

著者自身がメモを活用することでアイデア言語化して捕まえておき、そしてその
アイデアを抽象化したものを展開してさらなる発展に活用してくことを繰り返し、
SHOWROOMを立ち上げて大きくした…とも言えます。

実績があって、その本人が「この方法でうまくいきました」というノウハウものは
大抵その人専用のスキルだったりするのですが、今回の「メモの魔力」は普遍的な
ツールを使うものだから、もしかしたら汎用性があるかもしれません。

まずは本の指示通りに”メモ”の方法を学ぶ

本書の指示では、A4サイズのノートを見開きで使います。

左側には事実(思いついた日やメモする出来事があった日時も含む)を書いていき、右側には
その事実を抽象化して一般化し、そしてその出来事から抽出した要素をどのように活用できる
のかを、その時点で書き留めておきます。

まず、これだけでも私は「アイデアを捕まえる」ことができるので、積極的に習慣化してく
べきことだと思います。

そしてそういうメモをたくさん積み上げていけば、それら過去の思考と現在の新しい経験、
そして熟成させた時間によって無意識下で再構築された「アイデア改」的なものが生まれる、
という流れになります。

とても乱暴にざっくり書くと、私の理解ではこんな感じです。

最初はまず本書の指示通りにメモを書いていくのがいいですが、形にこだわりすぎてメモ自体
をしなくなってしまっては本末転倒です。

そんなときはとにかくアイデアを捕まえる習慣付けの一貫として、本書の趣旨は置いておき、
まずは自分のやりやすい方法でメモを取る習慣をつけることを優先するのもアリと思います。

そしてもし可能なら、そのメモをA4ノートの左側に書き写して、右側にその出来事の抽象化を
試みます。

この「抽象化」という思考ができるのは人間だけと言われています。

抽象化できるかできないかが、物事を俯瞰的に広い視野で捉えられるかの分かれ目と言っても
いいくらい、重要な能力です。

本書のメモの取り方を続けていくと、この抽象化の能力が伸びていき、普段から物事を広い
視野で捉えることができ、それは直接仕事ができる人、という状態にレベルアップすること
でもあります。

だからメモの取り方云々にこだわる前に、自分のレベルアップだと思ってメモを取り続けて、
そしてそれらの事実抽象化を目的にメモを取るようにマインドセットしましょう。

それが、巡り巡って本書が目指す「メモ魔」の姿に近くことになります。

自分を知るための「自己分析1000問」が秀逸

本書でメモの取り方(というか、思考の抽象化ツールの活用法)を学んで身につけたら、
その練習も兼ねて巻末に「自己分析1000問」が載っています。

私はこれに取り組もうとしましたが、最初の100問すらかなり脳みそを酷使する感覚に
なりました。
質問に対する答えも、自己分析を深めている人ならそこまで難しくは無いはず。

しかしこの「メモの魔力」の真髄は、そのファクトからどんな抽象的な要素が取り出せるかが
肝になることです。

だからこの巻末の質問1000問に答えつつ、それらの答えを抽象化すること自体が思考訓練に
なっており、かつ自己理解を深め、自分の要素を抽象化して可能性を発見することにも繋がる
という、なんとも秀逸な仕掛けが隠されたオマケページなのです。

だから時間と労力が膨大に必要となってしまうとしても、私はこの質問に答えきり、そして
これからの人生でどんな応用、どんな新たな展開に可能性があるのかを探りたいのです。

本書はこの巻末の質問だけでも買う意義があるなあと思います。
そのくらいの強烈な効果が期待できる質問集です。

「メモ」という基本ツールの活用こそ最強ツールになる

この本で扱う「メモ」というツールは、取り方によってはただの落書きで終わってしまう
ものでもありますが、ほんの少しの工夫で自分の思考を大きく発展させて、事業化まで
達成しうるものにする最強ツールです。

基本こそがシンプルなだけに最強のなのかもしれない、というノウハウコレクター的な
姿勢を大いに反省するところもある読後感を得ています。

この本はホリエモンの動画でも著者との対談が行われていましたが、そこで取り上げられて
ホリエモンが話をする気になっている、ということからも、やはり効果は折り紙付きと言って
いいものなのでしょう、と私は思います。

ホリエモンファンであるわけじゃないですが、彼が選ぶものは大抵いいものが多いですね。
さすがお金に制限がない、最高の経験を積んでいる人なだけはあります。

このようなブログを覗いてくださるような素敵なあなたは、きっとこの程度の本は既に読んで
おられるでしょうけれど、もし万が一、この本に出会っておらず読んで無いという場合には、
ぜひご一読いただき、巻末の質問に本書のメモの方法で答えてみることをオススメします。

まずは書店や図書館でパラパラ見ていただき、その後自分にも使えそうだなと思ったら、その
書店でお買い求めください。

リアル書店が激減する中、私もAmazonのヘビーユーザーではありますが、立ち読みさせて
もらった本屋さんでできるだけまとめて本を買うように努めています。

リアル書店のあのいい匂い、静かな雰囲気を残すためにも、本好きなあなたの力を、
町の本屋さんにも注いであげてください。