良くも悪くもひろゆきの本
切り抜き動画とかで動画がたくさん上がっているひろゆきこと西村博之氏の『働き方完全無双』。
本人はあとがきしか書いていないと言っている部分が動画で切り抜かれていたが、まあ確かにそうなんだろうと思う。
普段から切り抜き動画を見ている人にとっては内容は知っているものだし、そもそも良識ある大人なら当たり前のことばかり書いてある。
だから本当にわざわざ買って読むほどのものではなかった。
ではなぜ私は買って読んでしまったのかというと、正直なところ、本にしか書いてないことがあるんじゃないか、とか期待していたのが正直なところ。
ひろゆき本人も、普段喋っていることしか書いてないと言っていたのは本当だった。
商売のネタとしてはおいしいコンテンツ
わざわざ出版する必要がないと思いがちだが、実際に本として買う人(私含めて)存在するのだから、商業出版としては正しい判断なのだと思う。
そして本の人気も高く、Amazonランキングでも1000位以内にはかなり長い期間残っている。
おかげで読み終わった後にメルカリですぐ売れてしまった。
新しくて需要のある本はメルカリで売れるから助かる。
メルカリだと宛名書きしなくていいし、手数料も10%なので手残りも少しだけ多い。
言ってることは当たり前のこと
ひろゆきといえば論破王などと呼ばれているが、彼の言うことを何回か聞いてみると、至極真っ当なことしか言ってないことに気づくはずだ。
そして本書の内容も真っ当。
当たり前にやっていれば相応の人物にもなれるし、真っ当な仕事につくこともできる。
昔から大人が言っていることだ。
それをひろゆきもやや過激な表現で言っているにすぎない。
本書の内容に関しては、出版社から出ていることもありプロのライターが文章を書き、編集がなされているので、かなり読みやすい上に当たり前のことが書いてあるので、心理的なブロックもまったくない。
なんというか、当たり前すぎてなんの引っかかりもないのだ。
それだけ洗練された本だといえばそれまでだが、論破王だとか呼ばれて持ち上げられている割に普通。
とはいえ「本」の権威的なものもあって
こういう本に期待(というより、ひろゆきそのものに期待か)することは、彼のような頭のいい人なら何か楽して稼ぐ秘密を知ってるんじゃ無いかとか、そういうものなのだろう。
私も本書を購入してみようと思った動機はそれだった。
しかし読んでみれば、本人が言っているとおり当たり前のこと。
すでに社会で常識とされていることで、きちんと勉強しろだとか大学に行ったほうがいいとかそういう話。
だから本書を読んで思ったのは、今までやってきたことを追認されたような気持ちになった。
本書を読むことによって得られるものへの期待は見事に裏切られたわけだが、読んでよかったとは思う。
理由は自分が不本意ながらも国立大の理系を卒業したこと、新卒で東証一部上場企業に就職したことは、楽に生きるための土台としては間違いではなかったことに支持が得られたからだ。
そのまま正社員で居続けることがひろゆき的には正解なのだろうけれど。
「よく生きる」ことへのひとつの回答
ただ、そうではない道として、好きなことだけをする人生を選ぶ方に私は進みたいと思い、そのようにしていることもまた間違いでは無いようだとも言われているように感じる。
正直、動画もかなり見たので、売ってしまった本の内容か動画の内容なのかやや曖昧になっているが、自分を騙して生きるよりは思うように生きるほうがいいし、それを実現するためにいろいろやってみるのがいいんだな、ということが結論のように思う。
ある程度は社会に適合するように微調整はするけれど、基本的に自分に正直に生きていれば最終的にひろゆき的な主張に行き着くんだということがわかった。
本書を読んでよかったのは、それを自分の信念としてだけではなく、ある程度知名度のある人物にも追認されているように思えたことだった。
無料の動画や中古で十分
これから本書を買ってみようと思う人がもしいるなら、色んな人が上げている彼の切り抜き動画を無料で見てみることをオススメしておく。
どうしても紙の本で、という場合にはブックオフへ。
大抵の店舗にはあるはず。
すんごい売れてたから中古も溢れているはず。
新品を買ってひろゆきに印税を…という方はもう止めようとも思わないのでご自由に。