思考は現実化する ナポレオン・ヒル 著

思考は現実化する  ナポレオン・ヒル 著

成功哲学の元祖

言わずと知れた「成功哲学」の元祖。
80年の研究の成果をまとめたとされる、ナポレオン・ヒル著「思考は現実化する」。

とても売れている本ですしレビューもたくさんあるので、
私が読んで特に琴線に触れた部分を紹介します。

この本には、すでに成功している人たちの経歴を調べたり追跡調査したりして、
成功者に共通する要素をまとめたことが書かれています。

つまり、この本の言う通りにすることで、成功者たる最低限の共通点を網羅できるんですね。
だからこの本を読んだだけでは全員が成功する訳ではないんです。
私も当初、この視点が抜けていました。

 

成功の鍵は何らかの「卓越性」?

多くの「成功者」と呼ばれる人たちは、何かの分野や才能で「卓越した」何かがあります。

その卓越した要素は人によっておそらく異なるため、こうした成功法則には出てこない、
と言うことになりますね。
金儲けするためには、他人がやらないことで社会の役立つことをしなきゃダメよ、と言う事。

この時点で多くの一般人(私含め)は、
「やっぱり特別な才能か何かがなきゃダメなんじゃん…」
と、絶望にも似た気持ちに押しつぶされそうになります。

しかし、一般人に朗報です。一般人であるがゆえにおそらく備わっているものがあります。
それは…「性欲」です。

 

性欲のコントロールが成功を呼び寄せる

私が本書を何回か読んだ中で、自らの経験上、とても腑に落ちたものがあります。
それは、「性欲」のコントロールに関する記述です。

性欲のコントロールなんて、僧侶か何かの修行か?と思います。
それに本の中には、どうやって性欲を建設的に転換するのか?についての
具体的な方法は書いてありません(たぶん。見落としてなければ)。

ですが性欲が性欲のままその欲望を満たそうと発動するときは、
他のことには脇目も振らずに、一生懸命に目標を手に入れようと知恵を絞ります。
(とにかくヤレるなら構わん、と言うアレです。田舎の子だくさんDQNとか)

人間のエネルギーのなかで、かなり強い部類に入る性欲。
これを自らの成功へつながる行動へ転換できれば、情熱的に行動し続けられると言う訳です。

昔から英雄よく色を好むというように、偉業を成し遂げる英雄は性欲旺盛だと言われてます。

競争で優位になる男性や攻撃的な男性、または行動的だったりする男性は、
男性ホルモンのテストステロンの濃度が高い傾向があるそうです。
もちろん性欲が強い場合も濃度が高くなります。

そして、このテストステロンは意図的に高めることもできると言うことです。
テストステロンの濃度を高めるには、筋トレが一番手っ取り早い方法です。
また、スポーツカーに乗って走らせると濃度が上昇すると言う実験結果もあります。

外的な作用で比較的簡単に上げることができるようです。

こうした方法を活用しつつ実社会の中で競争で勝ち抜いていく(成功体験を重ねる)と、
自ずと自信が深まることによって行動的になり、さらに成功体験を重ねます。
ここまでくると良い循環に入りますから、成功へグッと近づくことになります。

問題は、一番最初。初めの一歩が最も困難なことです。

 

身近な具体例で説明します

まずは直接的に性欲にアプローチした場合の行動の変化ですが、
例えば気になる異性がいたとして(異性愛の方の場合です)、
その人に気に入られるように、創造的にいろいろな方法を思いついては試しませんか?

それこそ、心の底からその人と仲良くなりたい!あわよくば…!
って思えば、その人のことしか考えられない状態になるものです。
いわゆる「惚れている」状態になると、性欲充足のためのスイッチがONの状態です。

これは性欲が行動の起点になっています。

性欲を起点とした行動力は、恥ずかしながら自分でも強烈な行動力を生じたと思います。
まず、いくら動いても疲れない(疲れを感じにくい)ですし、
たくさんお金をかけても後悔しない(持てるリソースを全て使う)、
振り向かれなくてもあきらめない(願望実現まで粘り強く挑戦し続ける)。

 

行動のきっかけは「感情」

ナポレオン・ヒルも言及していますが、感情が人を動かすきっかけとなります。
感情が発火して、性欲が増大、そして欲を満たすための行動を起こす。

成功法則もこれと似たような感じに推移していくのでしょう、と言う見立てです。
ただし、恋愛感情や性欲の場合は感情が支配されて歯止めが利かなくなりがちです。
極端な場合、ストーカーや逆恨みによる犯罪まがいのことにもなりかねません。

だからこそ成功法則では、この強いエネルギーを持つ性欲を、建設的な方法で生かす、
転換を行う必要があると説きます。
あくまで性欲の発動は、その作用機序を利用するものだと理解しています。

そしてこの考え方によると、
世の中の大半の人は強大な性エネルギーをそのまま浪費しているために制御が効かず、
荒んだ生活に甘んじている可能性があります。

性欲を建設的な行動へ転換するには、直接的に性欲を満たすだけではなく、
人間らしい文化的、建設的な方法で、満たすことが重要となってきます。

だからこそ、多くの書物を読んで教養を身につけたり、身体を鍛えて精神面をもコントロール
できるようにしていくことが重要視されているのかもしれません。

また、成功者が中年以降に成果を得やすくなるのも、性欲がだんだん収まると同時に
人生経験や教養を身につけて制御しやすくなってくるから、とも解釈できます。

 

例えばこんな風にやってみる

一つの例として、大切なパートナーがいて、その人に対して性欲をそのまま満たそうと
するのではなく、その人の魅力が最も感じられること、
例えば喜ぶ笑顔が見たいとか、経済的に安定した生活をさせたいだとか、
そういうことをひとまずの目標に設定します。

そのためには一生懸命働いて、パートナーが喜ぶものを買ってプレゼントするとか、
行ってみたい場所へ連れて行ってあげるとか、
自分が精神的に頼りがいのある人物になって安心させるとか、
そういう行動をとるようになります。

こうなると、第三者から私を見たとき、
単に【とにかく一生懸命働いてお金を稼いでいる】ように見えます。

これは性欲を建設的に転換して惹起されてる行動だから、継続します。
すると、自ずと富が蓄積して建設的な性欲によってパートナーも幸福感を感じ、
その返報性により自分も幸福感を感じるようになる。
さらなる大きな成功へとつながっていく…。

 

根源的な願望=性欲

これは根源的な願望に基づいた行動原理にも似ているかもしれませんね。

とにかく車が好きすぎて自分で作ったとか、何でも分解して仕組みを解明せずにはおれぬ、
などの例がありますが、そう言う人は生活を犠牲にしても探求し続けます。

しかし全ての人が根源的な願望として、建設的なものを持っているかと言うと、
そうとは限りません。

そこで、おそらく多くの人が共通して持っているであろう性欲に着目して、
行動を起こす起爆剤である、と言う理論へと構築したのかもしれません。

「据え膳食わぬは男の恥」と言うように、
誰もが根源的は欲望として持っているものなら、法則としても普遍性が保てます。

 

モテることは有能性を測る指標となり得る

日常的な仕事の場でも、いい仕事をする人、成果を出す人は
人格としても洗練されている印象を持ちます。
つまりモテる人が多い。

テストステロンが多いから、と全てここに収束させることもできますが、
逆にテストステロンが多いから成功するのか、
成功するのかテストステロンが濃くなるのか、
と言う問題もあります。

確実に言えることは、
そうした強烈なエネルギーを持った性欲が自分の中に存在し、
それを理性的にコントロールすることがとても重要である、と認識すること。

そして自分の思い描く理想の実現のために、建設的行動へと繋がるような解釈をし、
湧き上がってくる情熱をぶつけていく、と言うことになります。

一番最初が一番しんどいんでしょうね。
だから世の中には「成功者」と言われる人が少ないのだと思います。

 

成功の可否は最初の”意志の力”

自分の意志の力で行動を制御し、少しでもうまくいけば、それが成功体験となります。
この成功体験を重ねることで自信がつき、他のことでもやれそうだって思えます。

すると今度は行動へのブレーキが消え、結果として行動力がアップする。
行動が増えれば試行回数が増加して、成功体験も指数関数的に増える。

そもそも成功しない人(成功の定義はいろいろありますが・・・)は、
行動をしないんですね。行動しないことの理由を、創造的に見つけます。

しかし、最も辛い最初の一歩さえ動き出せば、あとは慣性の法則のごとく動き続けることが
当たり前の日常になります。
ちいさなキッカケで、大きく人生が変わります。

そのキッカケは、たまたま目に入った情報、気になる対象に向かって飛び込むこと。
そして一番辛くて怖い、初めの一歩を後押しするのが理性による建設的な性欲なのです。

行動できないのは未知への恐怖。
その恐怖を乗り越えうるエネルギー源としての性欲を活用する、
この方法が万人を成功へと導く一つの鍵になるのではないかと思います。

 

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