医者も知らない酵素の力 エドワード・ハウエル 著

医者も知らない酵素の力

エドワード・ハウエル 著、今村光一 訳

酵素の摂取で健康になる?

酵素って、何だか健康に良さそうだったり、
自然環境に影響を与えにくいイメージがあります。

この本は酵素の摂取によって健康になりますよ、ということが
色々な事例とともに紹介されている本です。

実際、私自身も体調不良で苦しんでいた時に酵素を積極的に摂るようにしたら、
痩せて、かつ健康になってきました。
個人差とか運動習慣も関係するんでしょうね。

やったこととしては、生野菜、生の果物、お刺身など、
加熱していない食物を摂取するよう意識した結果です。
(あくまで個人的な感想です)

具体的にどう変わったのかというと、
体重は1年で10キロ以上減り(75キロ→63キロ)、
中性脂肪も800から100まで下がり、
肝臓の異常値も正常な範囲に収まりました。

とは言え、通勤時に往復徒歩40分を毎日続けたことの方が
影響が大きいのかもしれません。

酵素が身体にいいと、盲信するのも危険です。

もはや酵素万能説

巷では「酵素がいいらしい」
まことしやかに囁かれていますが、
実際、酵素がどう身体にいいのか?

酵素そのものは身体に直接作用する物質ではなく、
物質と物質が変化するときに、
その変化を促進する「触媒」のような働きをするもの、なんだそうです。

酵素 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B5%E7%B4%A0

ざっくりと内容をまとめると、
・酵素には消化酵素と代謝酵素がある
・一生のうちに作り出せる酵素の総量は決まっている
・自前で作り出す酵素を少なくすれば老化が遅れる
・生食で得られるのは消化酵素である
・外部から酵素を摂取すれば、その分代謝酵素へ回せる
・結果的に身体の自己メンテナンス機能が向上する

という感じ。
自己治癒力を高めようってことなんでしょうね。
生食実践中はそんなこと考えてませんけど。

医者が酵素を勧める本

お医者さんが
「酵素で長生きできるぞ!」
って本を書くくらいだから、それなりに信憑性はあるのかもしれません。

この本の主張を裏付けるための実験についての記述が多く、
何となく信憑性があるような感じに思い込まされてしまいそう…。
とりあえず難しいこと言わなくても、実際に身体の調子がいいので私はいいんですが。

論拠となる実験の記述が多いのが、難しく感じる理由でしょうか。
難しいけれど、酵素が身体によい理由を理解するにはいい本だと思います。

生肉だけを食べてても平気な人たち

P.88~の「原始イヌイットに学ぼう」から

原始的で孤立した北極のイヌイットだけが、医術的なことを行う施術者を、部族の中に持っていない。

原始的なイヌイット、特に北極圏に住まう彼らの生活圏には、
ほとんど植物が生えていない。
故に食物としては、肉と魚がほとんどを占める。

しかも彼らはそれら肉や魚を「生」で食べるし、それを好む。

生の肉や魚には酵素が大量に含まれているが、
この本の主張(酵素はすごい!) に沿えば、それはそうだという結論になる。

食物を自然な状態で摂取することが、
結局は我々の健康に最も寄与するってことなんでしょうね。

この宇宙に存在するものはすべて自然由来のもの。
自然が生み出した人間、その人間が生み出したものですら自然物。

そういう考え方もあるけれど、
ごく狭い視点(時間的、空間的)に立てば、人工物(=精製されたもの等)を
摂取することは、自然が作り出した人間を形作る材料としては不適切なのかもしれません。

一方で加熱調理する人たちは…

原始的イヌイットとの比較として食品を加熱調理する文化を持つ、
ネイティブアメリカンについての記述もありました。

ネイティブアメリカンの人々は
医術や医薬品等の医療技術をかなり発達させていた、とあります。

これは食品を加熱して食べるようになったことに起因する、
という論説へつながっていますが、なんか無理やりな印象。

現代の栄養に関する学問等の発展に伴い、いろいろなことがわかってきましたが、
人体に必要とされる栄養素(わかっている範囲内で。)を全て摂取しても、
あんまり健康にはなれない、と聞いたことがあります。

結局、人間の頭で理解できていることなんて、
自然の一部でしかないんじゃないの?って思ってしまいます。

自然物の1つに過ぎない人間が、そもそもすべてを理解するなんてのは
限りなく不可能に近いほど難しいのかも。
そして最先端を知っている科学者が、一番、科学の無力さを知っているのかもしれませんね。

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