読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー アレン・カー 著
呼吸器を守るために今すぐ禁煙!
本書はかなり古い本ですが、コロナウィルスによる肺炎が重症化するリスクとして
喫煙が大きな要因となりうる事実から、改めて紹介することにしました。
ちなみに私もこの本を読んで、2年ほど前に禁煙しています。
実は初めて読んだのはもう10年近く前で、一度禁煙に成功しましたがパワハラや転職等を
経て自暴自棄になった時期に、再び吸い始めてしまったと言う過去があります。
一度完全に禁煙し再び喫煙を始めた場合、本書の方法では禁煙が難しいと書いてありますが、
そんなことはありませんので安心して読み進めてください。
本当はこんな本に頼らずに禁煙なんてできるものなのかもしれません。
しかしそうはいっても今もタバコを吸い続けている場合、なぜ吸い続けているのでしょう?
今は病院で保険適用で禁煙補助薬が処方されます。
そういった方法もあり、私も一度は挑戦したことがあります。しかし失敗しました。
体はタバコを受け付けなくなりますが、それでも無性に吸いたくなり、気分が悪くなるにも
関わらず喫煙を続けていた過去があります。
本書は喫煙習慣にまつわるそういった謎とも言えることまで、まとめて解決できるような、
まさに魔法のような禁煙法が書かれています。
禁煙を果たし、今も喫煙をせずに済んでいる状態となってみて初めて、本書の内容は当然で
なんで喫煙などしていたのか、と思えるようになりました。
現在、喫煙しているが禁煙がしたい、でもやめられない、やめるのが怖い気がする、という
方には、ぜひ本書を手にとって一度、読んでみることをオススメします。
今さら禁煙しても肺の機能は戻らず、コロナウィルス感染による重症化リスクは減らない、
と言う報道が一部でされていますが、実はそうとも限りません。
禁煙すると、今まだ残っている肺の機能が失われた部分の機能を補おうと
頑張ってくれるようになっていきます。
喫煙を続けていてはその残った部分が頑張ろうとすることすら邪魔をしますし、
その残存機能すらも失われてしまいます。
そういう事も含めて、今から禁煙することによるリスクの軽減があります。
まだ希望は持てる!ということで、一刻も早く禁煙しましょう!
本書の内容について
元・超ヘビースモーカーが書いた本
著者は自身もかなりのヘビースモーカーだったと言うアレン・カーという人です。
禁煙に関する分野ではかなりの有名人ではないでしょうか。
本書が発売されたときには、本の帯にも芸能人たちがメッセージを書いていました。
薬や代替品を一切使わない方法での禁煙で、かつ成功しやすいことから
かなりセンセーショナルな本でした。
本書は44章までの構成で、一つの章もそんなに長くないので読むのに労力は要しません。
しかし喫煙者にとって禁煙することは、何か大切なものを失うような、
底なしの絶望感にも似た気持ちを抱きます。
故に、本書を読み進めるのに一日一行しか読まない人もいると本書で紹介されています。
そういった事例や、禁煙に挑戦しようとする人が挫折する理由としそうな言い訳も、
あらかじめ先回りして解決策を提示しています。
本書を読み進めている喫煙者はだんだんと禁煙を受け入れていくしかない、
という気持ちになっていくところが、さすが元・喫煙者の書いた本だなと言う印象です。
いかに喫煙が無益で有害なものか
本書の記述自体は、まずは喫煙のメリットと思われていることから検討していきます。
喫煙者自身もなんとなくわかっているが、直視しないようにしていることが次々と明るみに
されていくので、もはや喫煙を正当化できなくなるでしょう。
特に21章に書かれていることは、著者自身も言うように絶対に間違っていないと言い切れる
事実と言えるでしょう。ここは最も読むべき章です。
精神的依存による習慣化がツラい
喫煙は麻薬中毒のようなものと言われており、頭でわかっていてもそう簡単にやめられるもの
ではありません。…しかしそれは本当でしょうか?
タバコの中毒性はとても強力である、ということが言われています。
しかし身体的依存はそこまで強くはありません。
なぜなら多少吸えない時間が長くても、禁断症状として現れるものは
せいぜいがイライラする程度。むしろ体の状態はよくなっています。
一方で精神的にタバコを欲する気持ちは強く残っています。
これは〈タバコを吸うとなんか知らんがイライラが収まった〉という経験を繰り返すことに
より、〈イライラしたらタバコを吸うと楽になる〉と脳が学習した結果です。
そのため、実はタバコは自分の意思でやめる事もできるのです。
が、精神力でやめようとしてはいけない、と本書では注意しています。なぜか?
精神力で無理やりやめようとすると、潜在意識の意向を無視した行動となります。
すると、人間の行動は潜在意識の望む通りの行動を、無意識にひきこそうとします。
具体的には、タバコを吸ってもいい状況を作り出そうとするのです。
本書での事例では、ワザと夫婦間での揉め事を作り出してイライラして見せ、そんなに
イライラするならタバコを吸ってくれと言われるのを待つ、といったものがあります。
そのくらい潜在意識の影響力は強力なのです。
催眠的なアプローチによる禁煙方法
本書はそのため、催眠的なアプローチを取っていると言えます。
本書の冒頭では、「催眠術であるにも関わらず禁煙できた」と言う記述がありますが、
決して催眠術が禁煙に有効である、と言ってるわけではありません。
しかし本書は、催眠術と言うよりは自分自身で喫煙に関する正しい知識を獲得することで、
納得して無益な喫煙行為をやめると言う”判断ができる”ようなガイドがなされています。
そう言った意味で、いつの間にか「タバコをやめる」と決めて実行できるマインドになるため
催眠的アプローチと言う言い方をしています。
もし吸いたくなったら、本書を読み返すようにできている
本書を一読するとわかるのですが、禁煙後に成功しても急にタバコが吸いたくなくなるわけ
ではないのです。
むしろ禁煙とは死ぬまで続く「タバコを吸わない」と言う選択の連続となります。
タバコを吸うことによるメリットが何一つないと理解していて、
かつ今ではコロナウィルスに感染した時の重症化リスクも大きい状態です。
そんな状況でまさかまた吸いたいと思うわけないでしょう?と思うかもしれません。
ところが残念なことに、必ず吸いたいと思います(色々な形で)。
吸いたいと言うダイレクトな気持ちではなく、
吸ってもいいかなとか、吸わざるを得ないとか、
形を変えた「喫煙への欲求の残滓」が不意に現れることがあります。
試しに一本吸ってしまうとひどく不味くて目が回り、とても不快な気持ちになります。
そして「ああ、これならもう吸わずに済むな」と安心します。
無意識のうちに2本目を吸います。もう喫煙者に逆戻りです。
そんな危機が必ず訪れるなら、いっそ禁煙をやめたい!そう思うかもしれません。
しかし喫煙に関するメリットは一つもないんです。
お金はかかる、健康は害する、臭い、喫煙所を探す手間がかかる、
タバコ吸いたいと思ってイライラする、集中力が下がる…などなど。
いつかまた「吸いたい!」と思う危機が訪れるとしても、
禁煙をすることでこれらのデメリットが全てなくなるのです。
…と言うことを、禁煙してしばらく経って忘れている頃、
読み返すとすぐに思い出せる仕組みが本書の巻末には用意されています。
だから禁煙成功!となっても、本書を誰かにあげたり貸してはいけない、と書いてあります。
もちろん私も、本棚の見やすいところに常に置いてあります。
禁煙によるメリット(時間が浮く)の例
禁煙すること自体でたくさんのメリットがある。それは納得できると思います。
しかしそれだけではなく、時間的メリットも間接的に生まれます。
禁煙の結果、
《ちょっと一服(約5分)×20本(1日分)=100分/日》
が、自由に使えるようになります。
その時間に例えばブログを毎日1本書いたとしたら、1年で365記事書けます。
それだけ書いたら黙ってても毎月数万円のお金が入ってきます。
もう禁煙するしかないですよね。そう言うことです。
まとめ
本一冊の値段で禁煙できるなら安いものだ、ということで本書を買いましたが、
結果的に本一冊どころか数十万円分のお金は浮いたなあと言う実感があります。
それに喫煙時間がゼロになったので、その時間を他の活動に充てられます。
喫煙欲求も生まれないので、イライラする頻度も激減です。
そして部屋や車が臭くなりません。かなり活動的になってきています。
現在では世界的な大問題にまで発展してしまったコロナウィルスの感染についても、
喫煙していると死亡するリスクが跳ね上がると言う事実もあります。
かつて喫煙していた人も、全く喫煙したことがない人に比べたら高リスクではあります。
しかし喫煙を続けているよりはずっとリスクは下がりますし、何より今の時期、
「3密」の条件が揃う喫煙室に入らずに済みます。
こんな大変な問題をきっかけに、と言うのは顰蹙を買うかもしれませんが、
ご自身の健康と命、そして周りのご家族の健康のためにも、今こそ禁煙をしましょう。
本書の紹介がそのきっかけの一つになれば幸いです。