ほんとうに頭がよくなる「速読脳」の作り方

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方
苫米地英人 著

怪しいけど効果がある「速読本」

本書は、洗脳の専門家として有名な苫米地氏が書いた「速読本」です。
速読スキルというよりは、速読を行う際の姿勢を説いた本という印象です。

本書の姿勢を取り入れて、かつ別の著者が書いた速読本を合わせて読むことで、
少なくともこれまでの数倍の速さで本の内容を理解することができる、と言えます。

なお、本書は2020年現在、kindleアンリミテッドで読めるようになっています。
すでに申し込み済みの人はタダで読めるので、まずはご一読いただき、
その読書スピード向上を体験して見てください。

ややぶっ飛んだ主張ですが…

読書する人や自己啓発系の本をよく読む方はご存知かと思いますが、
著者の苫米地英人氏は、素人目にはかなりぶっ飛んだことを主張する人です。

いわゆる天才だから言ってることがわからない、という可能性もありますが、
ある種の信者みたいな熱烈なファンもいるようですから、怪しさに拍車がかかります。

ただ、この人が出版している本のテーマとしては、
基本的に(ぶっ飛んでますが)能力を高める内容が多いので、私も数冊読んでいます。

読書が趣味で日常的に本を読む身としては、とにかく時間が足りない!という感覚が
常につきまとっています。

この本を読む時間があれば他のことができるんじゃないか、とかの葛藤を抱えています。
もはや読書家の宿命かと思うほどに切実なのです。
だからこそ、「速読」を謳った本とあれば、とにかく読んでしまうのです。

本書の内容

本書は速読に際しての姿勢を説く本であると申し上げましたが、
速読本の例に漏れず、具体的なスキルに関しての言及もあります。

その中で私自身も効果を実感したトレーニングがあります。
それは「先読み」するという方法です。

簡単に説明すると、今読んでいる行の2〜3行先を、視界に入るように見ることを意識する、
という方法で、文字を認識する範囲を広げるトレーニングになります。

すでに速読ができている人に話を聞くと、見開き2ページ分を一気に視野に収め、
それを画像としてインプットして意味を捉えるというようなことを言うケースがあります。
この行為の、はじめの一歩としての、「先読み」と言えます。

そして先読みの他に言及されているトレーニングとしては、
並列読み、と言うものもあります。

著者の別の本でも触れていることがありますが、複数の本を同時に見て、
同時に意味を把握すると言うものです。

全く別の本で並列読みをすることによって、それぞれの本の意味が混ざり合うことなく
認識していく訓練になるものですが、これは私自身、できた感覚がまだありません。

この著者の本一般に言えることですが、脳の潜在能力を活性化して、
常識的には不可能と思うようなことを実現しようとするところがあります。

そのためすぐにモノにできるスキルがあまりないのですが、
本書の内容については、ある程度読書に慣れている場合には、
先読みなどのトレーニングは効果を実感しながら取り組めるのでオススメです。

広く視野を確保し続けると言う条件付けを自らに課すことで、本を読む際の目の疲れが
軽減されたように思います。

狭い範囲を凝視し、単語単語の意味をいちいち認識するのではなく、ある程度まとまった
文節や文章を丸ごと取り込んで認識していくという方法が、
視点を固定させずにぼんやり見る、と言う方向へシフトしつつあるように思います。

本書がオススメの人

たくさん読みたいけど読むのが億劫な人。
積ん読が溜まってウンザリしている人。

この本は苫米地氏の本にしては、実践後にすぐ効果が実感しやすいものでした。
文字の分量としてもそんなに多くないので、これから読書をしようとする人が、
その準備として読むのにもちょうどいいと思います。

書評まとめ

本書は苫米地氏の本の中でもお気に入りの1冊です。
読書、と言う情報を脳にインプットする行為を高速化することによって、
苫米地氏の言う「クロックサイクル」を早めることになるのか、なんとなく思考が早くなる
ような感覚にもなります。

ただ、一朝一夕に読書スピードが劇的に早くなるかと言うと、それにはトレーニングというか
慣れも必要になってきますから、まずはこの本のトレーニングが確実に効果的であると信じ、
読書の際には先読みなどを意識しつつ経験を積み上げていくのがよろしいかと思われます。

ある程度の冊数を読み込んでくると、いつの間にか自分の癖というか、自己流読書法に
陥っていることがあります。
そんな時はやたら目が疲れるとか、何かしらの読みにくいサインがあったりします。

そういうことが続くと、読書自体が嫌いになったと誤解してしまうことにも繋がるので、
折を見てこうした「速読本」を再読することで、自らの読書体験を振り返るツールにも
なったりします。

読んだことがあっても、もう一度お手元の本書を紐解き、
パラパラと眺めてみるのも有意義なことのように思えます。