ハッタリの流儀 ソーシャル時代の新貨幣である「影響力」と「信用」を集める方法
堀江貴文 著
ホリエモンのメッセージ「動け!」の一形態
ホリエモンの主張する意見は、その言い方に棘があるせいか誤解されやすいです。
私もかつてはなんかイキってるオッさんだな、と思っていましたが、刑務所から出てきた
ホリエモンの本を読んで、その印象がガラリと変わりました。
私も元々オタク気質なところがあり、対人関係で不器用だったりします。
その不器用さと言うか、「周りに合わせて理解してもらうための努力」が無駄だと感じる、
その虚しさのようなものを感じているのかなー、と思うようになりました。
今のコロナ騒ぎの中でもかなりズレた批判を受けているホリエモン。
そんな彼が書いた本をまた買って読んでしまいました。
「とにかく行動しろ!」と言うわかりやすいメッセージを、また新しい形で受け取りたくて。
至極真っ当な主張
堀江貴文という人物を見るとき、こちらの無意識の劣等感を刺激されるようなムズムズ感を
感じることが多々あります。
それはおそらく、「至極真っ当であり正論」であるが故のことだと思っています。
彼は本質的には何も間違ったことを言っておらず、それを認められない周囲や社会が、
何かと言い訳するために、よってたかった堀江氏を否定する構図です。
また、堀江氏自身の発信形態も誤解を生みやすい(話題性を高めるためと思います)ので、
本書のような『ハッタリの流儀』という面白そうなタイトルになるのでしょう。
この本の主張は、実力は後から付いてくるから、まずはハッタリをかまして動いてしまえ!と
いうもので、実力をつけてから、という言い訳で動けない人への後押しだと解釈しました。
やりたいことがあっても実力不足だとか準備ができていないとか、創造的な言い訳を次々と
生み出すのが人間の弱さであり強さです。
本書では、メディアで発信するホリエモンのような刺々しい感じではなく、動けない人へ、
むしろ寄り添うかのような姿勢で背中を押そうとしてくれています。
本の中でのホリエモンはとても優しいのです。嘘みたいですが私はそう感じています。
さらに言うなら、色々な成功法則の本や自己啓発系の本で書かれていることは、彼の行動を
真似することで、ほとんど実践できるとも言えるでしょう。
つまり、「目の前のことに夢中になって取り組むこと、そしてそれを楽しむこと」。
ホリエモンが全ての本で主張する根本は、まさにこれに尽きるのです。
読後感、感想
将来の計画や素晴らしいビジョンなど、あるに越したことはないです。
しかしそれがないからと言って行動を起こさず、不本意な生活を続けているのは、それは
一体なんのためなんですか?と言う問題提起をしてきます。
それが多くの一般人(私含めて)の無意識に抑圧している欲求に触れて、強烈な反発を招く、
と言う構図なんだろうな、と思っています。
その一方で、この人の著作を実際に自分で読んでみた人は、その思想に共感するか少なくとも
考え方を理解できるはず(そもそもアンチな人は「また同じこと言って金儲けしてる!」とか
言いますが…)。
ある思想というのは、一度言っただけでは全然世の中に広まりません。
ホリエモンがすごいところは、「行動あるのみ!」の主張を、手を替え品を替え、様々な
行動抑制に繋がるパターンを崩そうと繰り返し本を出しているところです。
同じ主張をしている、と指摘ができるいわゆる「アンチ」も、同じ主張をしているとわかる
時点でホリエモンの本を読んでいるということ。
タイトルだけでは「行動あるのみ!」ということが書かれているなんてわかりませんからね。
そう考えると、アンチであろうと結局はホリエモンのことが気になっており、そうした行動の
先には、皮肉にもホリエモンが促している「行動すること」に繋がるのではないか?なんて
思っていたりします。
もしホリエモンがそういうことまで想定して、アンチに対して炎上するような反応を敢えて
しているのだとしたら、恐ろしいまでのその頭の良さに私はシビれてしまいます。