お金の真理 与沢翼が出したお金と幸せ、その最終結論 与沢翼 著

自己啓発・ノウハウ系

お金の真理 与沢翼が出したお金と幸せ、その最終結論 与沢翼 著

 

お金に振り回された人の”お金論”

与沢翼といえば、秒で億を稼ぐとかの最高レベルに胡散臭い情報商材屋というイメージを
持っていましたが、一旦リセットして生まれ変わった(?)後は特に注目もせずにいました。

この本をなぜ買ったかというと、これまでかなり派手にやらかしてきた著者が、いかにもな
「煽り」っぽいタイトルをつけた本を出したことと、お金に振り回された人生を振り返って、
その結果どんな考えに至ったのかを知りたくなったというのもあります。

「最高に怪しくて胡散臭い情報商材屋」という一面的な認識しかなかった与沢氏への印象
でしたが、胡散臭いとはいえ「秒で億を稼ぐ」だけの実力があるのだから、その根本的な
考えには学ぶところもありそうだという期待も抱きつつ読み進めていきました。

与沢翼という人物

とても有名人ですが、本書の背景を理解するためにも著者略歴をおさらいします。

与沢翼(よざわ・つばさ)
1982年11月11日、埼玉県生まれ。投資家・実業家。2007年3月、早稲田大学社会科学部を卒業。早大在学中より2度の起業を経てメディアに登場。「秒速1億円の男」として一躍脚光を浴びる。2014年にシンガポールに移住し、相原麻美と結婚。2016年からはドバイに移住し、長男「麗」を授かる。現在は株式、不動産、外資、仮想通貨、社債、保険、信託などを対象に個人投資家として活動。マレーシア、フィリピン、タイ、アラブ首長国連邦、日本の5カ国に計40戸の高級不動産を所有し、大家業も行っている。借入はなく、全て自己資金による現金買いで、純資産はおよそ70億円を形成するに至る。

-本書カバーより引用-

著者の略歴としての印象が、やはり「自分はこんなにすごいんだ!」って言いたい感じが
伝わってきます。

すでに大金持ちで悠々自適な生活をしているはずですが、過去の倒産や財産を失う話が記載
されていません。まだ自身の中で消化しきれていないのでしょうか。

一度、全てを失ったということは本文には書いてありますが、書店で買おうか迷う人に対し、
底辺から這い上がってきたんだ、ということをアピールする意味でも過去の汚点は略歴にも
書いたほうがいいのでは?なんてことも思いました。大きなお世話ですね。

そんな与沢氏ですが、この人らしい(一方的な偏見ですが)表現方法というか胡散臭さが、
やっぱり漂っているような本、という印象が拭えませんでした。

本書の内容について

著者略歴や想定、そしてサブタイトルなどの印象を総合すると、やはり胡散臭いというか、
情報商材屋が煽っているかのような印象を受けます。癖なんでしょうか。

それでも煽られて買ってしまっているのは私なので、その戦略は効果ありということ。
なんとも言えません。

肝心の本文についてですが、やはり煽られているような感じを受けるのですが、
言っていることは至極真っ当な内容でした。

物欲に塗れて失敗したとか、借金してまで手に入れるものは身の丈以上の買い物だ、等。

当たり前と言えば当たり前のことではありますが、かなりの大金を手にして書いまくった人の
「借金はよくない」という言葉の威力は、他の誰が言うよりもグッサリと心に刺さります。

この手の本では、お金に対する姿勢や考え方、扱い方なども書かれていることが多く、本書も
そんな例に漏れない内容となっています。

しかし「何を」言うかより「誰が」言うかが大切で(『PRINCIPLES』でも指摘しています)、
与沢翼という人物がこの「お金の真理」というタイトルで語るからこそ、その内容にも凄みが
宿るということができるのでしょう。

余計な欲望が削られていく世の中になる

これは現在のコロナウィルスによる社会情勢にも絡んできますが、余分な欲望が
人々からなくなり、それによってお金が本当に必要なところに集まるようになる、
ということを、YouTubeでも本書でも言っています。

欲望を突き詰めて、それでもなお物欲を追い求めた著者だからこその視点だなあ、
と思う箇所ですが、これはさすがは与沢氏と思ったところでもあります。

こうした考えが根本にあるからこそ、そこから派生するいわゆる真っ当な”お金観”のような
ものが生まれてきているのでは、とさえ思うものです。

本書を繙けばきっと、あの情報商材屋だった人(私の個人的な印象ですが)が
こんなまともなお金観を持っているのか!と驚く内容であること間違いなしです。

読後感、感想

この人のことをよく知っている人なら、こういう内容であることは当然なのかもしれません。

しかしそんなに詳しく知らず、なんか金の亡者で倒産して消えちゃった人だよね、
くらいの認識だった人が読むと、かなり強烈なインパクトを受けます。

思わず住宅ローンの家を売却して賃貸に引っ越そうかな、とか考えました。

実際にお金を腐る程持っていたにも関わらず借金をして失敗をした人が言うんです。
そんな人に「借金で買うものは全て身分不相応」なんて言われたら、冷静になって考えます。

やっぱり住宅ローン等は資本主義社会のいいカモなんだ、と思うに違いありません。
このような読後感を持つ、ある意味では力を持った一冊です。

書いた人がかなりしんどい経験をしているからこそなのか、書いてある内容は至極当たり前の
ことしか書いていないのに、改めて考えさせられる本でした。

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