遊ぶが勝ち!―他人の時間を生きるな、熱狂して“いま”を生きろ (カリスマの言葉シリーズ)
ホリエモンによる「遊び」の捉え方と行動指針
この本は以前読書感想文を書いた為末大さんによる『「遊ぶ」が勝ち』と似たタイトルの本ですが、やや違った視点からの遊びの重要性を訴求する内容です。
ホリエモンこと堀江貴文氏は、刑務所から出所した後には会社組織を立ち上げて主としてそこを経営するのではなく、ご自身が面白いと思える構想や事業に対して出資したり、それ以前に自分で遊んで見て楽しむという生活を送っているようです。
そのようなまさに「遊び」のプロになっている著者が、遊びとして目の前にあることや興味ある殊に全力で取り組むことこそが真に人生を生きることなんだ、というふうに言っているように私には感じられました。
やはりここでも「ホリエモン」ほどの人物が「本気で遊び」、そして結果的に収益化できているものもありますが、始まりのきっかけは自分が面白いと思えるかどうかにかかっているということを、身を以て示してくれています。
ホリエモンのメッセージはいつも同じ「行動しろ」
この本でも他の本でも、ホリエモンが一貫して主張していることは、「他人の目を気にしている時間はあなたにはない」「将来の夢なんかはいらない。いますぐできることから始めろ」「面白そうなことは全部やれ」「将来に備えるな、今できることを全部やれ」など、とにかくいろいろな思い込みを捨てて、行動してみろということ。
行動しないであれやこれやと考えて、事前にリスクや必要な準備を想定しておくことは重要であるとはいえますが、そんなことは走りながら考えればいいことだし、実際に動いてみないとリアルなデータがあつまりません。
私自身にも身に覚えがありすぎて困るほどですが、いつまでも構想を練り続けていて、行動することなく時間だけが過ぎていく…なんてことがありました。
行動することで事態が動き、それによってリスクが具現化しそうで怖くて動けないのです。
さらには人の目が気になり、こんなことやって失敗したらどうしようとか、そもそもこんなことして周りにどう思われるんだろうとか、行動した後に思い返すとしょうもないことで悩んでいたんだなあと思うことがあります。
しかし、そんなことをいろいろと考えたところで、最初の想定がもし現実と違っていたら、すべでの脳内でのシミュレーションは無駄になります。
というか、大抵それほど悪いことは起こらないので、心配するだけ無駄です。
それに自分がなにかをしようとした時に、失敗をしないように今わかる範囲でできるだけの準備はしているはずじゃないですか。
だから失敗しようがないし、万が一失敗だと思えるような結果が訪れたとしても、すでに走り始めてしまっている以上、失敗に落ち込んでいる場合ではありません。
そこから「どうやったらうまくいくか?」と考えて改良を重ねていくはずです。
つまり行動したからと言って自分が「失敗した。だからやめよう」となるまでは失敗したという結果は固定化されないのです。
人生は失敗の上に成り立つもの
そもそも失敗したことがない人なんてこの世に存在しないのです。
私たちが初めて歩こうとしたときなんて、「失敗して立てなかったらどうしよう」なんて考えてたら、いまだに立てずにハイハイしていたのでは?ということ。
それはさすがにありえないでしょう。
歩く事なんかは当たり前なんだから、大きなチャレンジと一緒にするな、と言われそうですが、結局未知なるものへの挑戦という視点では同じです。
そしてこれから私たちが被るであろう失敗は、その失敗を乗り越えた後には失敗とも思えないような、ただの試行錯誤の1回分、という認識になります。
人はここまでの文明を築く前には、たくさんの天敵から身を守りながら生き延びる必要がありました。
そしてその生き方に最適な能力を伸ばせたものが生き残っています。
だからこそ、無闇に未知の領域へ挑戦するなんて無謀で危険だと本能が警告します。
ただ、私たちは歴史上類を見ないほどに恵まれている、平和で豊かな時代に生きており、特に日本では福祉政策が非常に手厚いので、窮地に陥った時にしかるべきところへ助けを求めればまず死ぬことはありません。
そうした「最悪のケース」の場合でも大丈夫なように知識をつけておくとか、第2第3のセーフティネットを自分なりに用意しておくことも、本能的な恐怖に打ち勝つ方法でもあります。
ホリエモンはそもそもそういう怖れよりも興味の方が強いのでこういう視点は持っていないのかもしれませんが、彼のように次々と挑戦することは、私たちにももちろんできます。
そして人生は失敗の上にこそ築かれるということを思い出せば、とにかくたくさんの行動を行い、そして100回の失敗をして1回の成功を得るくらいの気持ちで挑戦し続けることです。
そうすれば、だんだん成功へのコツが掴めてきて成功率は上がってきますし、仮に100回に1回のあたりでも10000回挑戦すれば100回の成功を得ることができます。
結局、数の勝負になってきます。
だったら次々に挑戦した方が絶対にお得ですよね?
今はまだ、それは頭でわかっていても行動に移せない人ばかりです。
だからこそ、行動して成果を出している人が羨ましくて、その気持ちの裏返しとして非難したり否定したりします。
でも挑戦し続けている人はそんな声の相手をしている暇がありません。
なぜなら挑戦そのものが楽しくてワクワクすることばかりだから、非難されても次々に新しいことを始め、うまくいかなくても改善し、興味を失ったらもうやらない、ということを繰り返していて忙しいからです。
私も会社を辞めて1年近く自由に過ごし、いろいろな挑戦をしてきました。
中にはイマイチ期待外れだったものもありましたが、後悔は一つもありません。
期待外れでも、それまでの「やってみたい」というモヤモヤ感は解消できているからです。
とにかく行動し、新しい経験を積み上げていくことこそが成功への最短距離なのです。
今から早速、前々から気になっていたけど始められなかったということ、その小さな第一歩、例えば資料請求でもいいしその場所に行ってみ、または行き方を調べて具体的な計画を立ててみるなど、些細なことでもいいので着手してみてください。
その最初の小さな一歩、まさにベイビーステップともいうべき一歩が刻まれた時、あなたのうちなる情熱が堰を切ったように溢れ出すかもしれません。