指名される技術 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術 堀江貴文・斎藤由多加 著


まんがでわかる指名される技術(1) 六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術
まんがでわかる指名される技術(2)六本木ホステスから盗んだ、稼ぐための仕事術

人の根源的欲望に絡んだ生々しいノウハウ

六本木のクラブにいるホステスさんが活用している、「指名される技術」という彼女らにとっては稼ぐ力に直結するスキルについての解説本(まんが版)です。

主に男性が客として来る業態を事例としていますが、そこで展開される指名される技術は、結局のところ人間関係のあるところでは普く活用しうる物だといえるでしょう。

なぜならクラブは、自己顕示欲や主役になりたい欲を満たすために客が訪れる場所であり、そうした欲望を満たすためには相手の存在を認めてあげること、承認してあげることが最重要となるからです。

そのかわり、クラブで満たすべき欲求ではないものである性欲については、この場ではキッパリと満たすことができないとわからせる必要があります。

その方法も相手(客)に対して惨めな思いや反発心などを感じさせず、本来のクラブの役割である「主役にしてあげる」方法によって達成していく様はさすがとしか言えません。

高級クラブへ大金を持って訪れる人たちがなぜそこまでハマるのか、その理由もわかったように感じる本です。

成功することは、人間関係を掌握すること

本書で説かれているテクニックとは、人間関係を構築し深めていく方法と、過剰な親密さを避けるための方法です。

主にビジネス上の人間関係を主眼において説明がされていますが、もちろんこの本の方法を応用して、私的な人間関係の構築や整理、あるいは関係の維持・解消にも活用できることでしょう。

そう言える根拠としては、人間関係が上手く構築できるということはその人は周囲からの印象がよく、人が集まってくるからです。

人が集まってくるということは、少なくともその人の人柄に魅力を感じているということであり、それがその人との信頼関係の基礎となっているからです。

サラリーマンという雇われの身(責任がない立場)にいると、仕事というのは個人の好みや感情とは切り離して行っていく必要がありますから、嫌いな人とも我慢して付き合っていくことがあります。

そのため、仕事上の付き合いと自分のプライベートな人間関係では、その行動指針や考え方が全くことなるケースが大半ではないかと思います。

一方で自分で全ての責任を追って事業を行う人にとっては、自分の行動や意思決定の結果が全て自分に跳ね返ってくるため、そこはシビアにならざるを得ません。

そして成功していく人というのは、自分の好きなことや得意なこと(=周囲より良好なパフォーマンスを発揮できること)に注力するので、人間関係も自ずと感じの良い、相性がよいと感じる相手が多くなっていきます。

そういう人たちの中では、ホステスが日々実践している「嫌われないための技術」とも言い換えることができる「指名される技術」は、まさに死活問題に関わってくるほどの重要事項なのです。

従って、ビジネス上の人間関係を自分の意図する状態に作り上げるためのノウハウとしての「指名される技術」とは、感情の生き物である人間同士の関係性を作るという視点からは、公私に関わらず重要なスキルであると言えます。

だからこそいわゆる成功者とされる人は、人柄が朗らかであったり人当たりのよい人という印象をもたれる人が多いというわけです。

そのように振舞うだけの、合理的な考えが根底にはしっかり根付いているのです。

コミュニケーションの最低限のマナー、とも言える

そうは言っても、生身の人間対人間のコミュニケーションに関することです。

感情の生き物である人間は、基本的に自分が大好きで、世界一大切なわけです。

そしてそんな世界一大切な自分のことを、一般社会は蔑ろにしてくるように感じます。

これは誰もが感じることではないでしょうか。

それでも社会生活を長く続けているうちに、円滑に過ごすための知恵がついてきます。

しかしその知恵を生かしていくことは、自分のなかの欲求を押さえつけることにもつながり、どこかで発散するか、自分を大切にしてくれる体験を持つ必要が出てきます。

お金を払ってそういう欲求を満たしてくれる場が、本書での舞台となっているクラブであったり、そこいるホステスさんたちということになります。

でも中にはそういう場に行かなくても自分の欲求を満たしていたり、満足している人がいることも事実としてあります。

それは、この本に書いてあるようなことを日常的に実践している人です。

本書に書いてある技術というものはそんなに特別なものではなく、人間同士が気持ちよくお互いを尊重し合いながら生きていくコミュニティでは当たり前に行われうる方法なのです。

ただそれを実践できないのは、自分からそういうコミュニケーションをしようと手を差し出した時に、相手に付け込まれたり損をするんじゃないかという恐れや、周囲からはみ出すことによる疎外感を遅れて行動に移せないでいます。

自分から手を差し伸べてみる勇気が大切

逆説的ではあるのですが、このようなコミュニケーションの手法というのは、実践さえすれば相手は意外にもこちらの意をしっかり受け止めてくれるものです。

例えば逆に考えて、もし相手がこの本にあるような「私を主役にしてくれる」ようなコミュニケーションを先にしてきてくれたらどう思うだろう?と自問してみてください。

世の中のコミュニケーションの不具合は、だれもが「彼(彼女)がもし私を尊重してくれたら、私も彼(彼女)を尊重しよう。だって私は優しくて心が広いから」と思っているからではないでしょうか。

そういう仮定を持ち、本書のような本を読んだ人の責務としては、まず自分からそのノウハウを試すつもりで、周囲への尊重している姿勢を表して行ってみることが、クラブへいくだけの資金力がない凡人にとっての、「稼ぐ力」の養成につながるのではないでしょうか。

ホリエモンが書く本はいつでもお金持ち向けの知識だ、なんて思ってしまうことがありますが、そもそもそう思うなら読まなければ良いだけの話。

しかし私のようになぜか読み進めてしまうような人にとっては、お金持ち向けに見えるノウハウや物の考え方をいかに自分にも使えるように改変していくかが大切だと思います。

そんなわけで、まずは家族や友人など身近な人に対して「相手を主役にするコミュニケーション」を試してみるのはいかがでしょうか。

他にもノウハウはたくさん

本書は六本木のホステスが実践している稼ぐためのテクニックを、一般的なビジネスの現場でも応用できるような形にして説明してる本です。

上述したものは、私自身が本書の中でまず使えそうだと判断したものを取り上げて、記述したものですから、他にももちろん人間関係をより良い形へと発展させたり、相手の立場を尊重しつつ共感される関係性の構築方法なども載っています。

まんが型式だと、文字だけの説明よりも直接右脳へイメージとして刻まれるので、直感的に理解しやすい上に、自分のアクションプランの構築にもハードルが下がってくる効果があります。

もし今、人間関係の問題にぶつかっている、なんていう場合には、この本(①②巻の2冊セット)をご一読いただくと、その壁を突破する方策が手に入るのではないかと思います。

この本もそうだし、以前読んだまんが形式の本もそうですが、文字数が少ないのに情報量が非常に多いのにはやはり驚きというか、もう感動すら覚えるレベルです。

かなり見直されてきたきらいがありますが、もっともっとまんがの学習効果に注目があつまり、ほぼ全てのノウハウ本がまんがになったらいいのに…なんてことも思ったりしました。