アルケミスト 夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ著

アルケミスト 夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ著

読む人それぞれの夢を思い出させてくれる本

「読み継がれて四半世紀 世界的大ベストセラー」
と帯にも書かれているように、世界中で読まれ続けている不朽の名作とも言える一冊です。

自己啓発書の一種とも言われている本書ですが、素直に読むと子ども向けのお話のような
印象を受けます。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からピラミッドに向けてたびに出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。

-本書カバー裏表紙より引用-

お話のあらすじはこんな内容です。

自己啓発とかあまり興味ない人が読んだとしたら、シンプルに夢を信じて旅立ったら色々と
学ぶところがあったよ、少年は成長したよ、という子ども向けの物語という印象を受ける本、
と言えるでしょうか。

シンプルな構成なだけに、自己啓発書にハマった人や自己啓発系のセミナーなどをたくさん
経験した人などにとっては、ある意味都合のいい解釈も可能なのかな?と思う節もあります。

とはいえ本は自分の持っているリソースとの反応を楽しむものでもあります。
だから読み手によって感想や受け取るものが違ってくるのです。

そう言う意味では、いろんな意見があるのも納得な、とても奥が深い一冊です。

世界的ベストセラーなだけにレビューもたくさん

この本についてまだ読んだことがない、と言う人は、一度amazonなどのレビューも
目を通されるといいかと思います。

実際に読んだ人の意見がたくさん書かれており、本書を購入して手元に置いておくべきか、
判断する材料にもなると思います。

中には自己啓発系セミナーに参加した時に勧められることもあるようですが、そこで
勧めらたからといって良書とは限らないので、実施に自分の目で確認することも大切です。
本書を大絶賛する人がいる一方で、その同じ本を否定的に評価する人もいます。

私は初めて読んだ時、正直なところ意味がよくわかりませんでした。
よくある子ども向けのお話かな?くらいな印象です。

しかし一度読んでからしばらく経ち、色々と迷ったり経験した後に再読すると、
この手のシンプルに見える本というのは全く違った解釈をさせるものです。

私の場合では、散々生き方に迷った挙句、もうお手上げ!という時にたまたま本書を読み、
結局自分が納得する人生の答えというのは自分の中にしかないんだ、ということに
思い至るきっかけになりました。

本の中のストーリーでは、主人公の少年が旅に出る前にいた場所に戻って、
そこで宝物を見つけるという流れです。
単にそれだけですが、読み手の状態によってここまで解釈が変わるのかという衝撃。

世界的に売れ続け、企業経営者などの地位のある人でさえオススメする理由が
わかったような気がしたものです。

そんなわけで売れているからといってその本が絶対的な良書かというと、
そうとも限りません。

ただし、多くの人がいい本だと言っているににはやはり理由があります。
そして自分で実際に読んだけどいまいちピンとこないな、という時にも、同じ本を読んだ人の
感想などを参考にして、自分なりの再解釈を試みるという方法が有効です。

本書はその内容による衝撃だけではなく、私自身の体験として本の読み方や再解釈の
仕方など、本をなんども時間を空けて繰り返し読むことの意味を教えてくれた本です。

本書を勧めている多くの人とはまた違った意味でのオススメ本ですが、
そのような多様な本の活かし方を示してくれるところも、不朽の名作たる所以なのでしょう。

シンプルな本ほど深い

自分にはよくわからなかった、という「弱さ」を認める強さを持つことを教えてくれた、
とても存在意義の大きな本でした。

再読するたびに新しい発見があるあたり、「マスターの教え」に通ずるところがあります。
なお、偶然なのかなんなのか本書はマスターの教えと同じ訳者が翻訳しています。

原文も去ることながら翻訳する人がうまいことも、その本が名著となりうるかどうかの
決め手なのかもしれませんね。

生き方に迷ったり、どう生きていくべきか悩んでいる時には、もしかしたら何かのヒントを
もたらしてくれるかもしれない、不思議な二冊の本です。

厚くない本なので、ふと思い立った時にサクッと再読できるのもオススメポイントです。