史上最強の哲学入門 飲茶 著


史上最強の哲学入門

分かりやすさも”史上最強”の哲学入門書

哲学が趣味です、っていうとかなり気持ち悪がられるのですが、実はそこまで詳しくない、
そんな哲学ファンの私です。
ですからこれまで哲学「入門書」と呼ばれるものはかなり読んできました。

読書記録をこうしてつけ始める以前のものも再読して記録していきたいと思うのですが、
入門書と言ってもやはり学術的な正確性を求められる性質の本です。

なにをどうしても難しい。

著者はしがきにはいつだって「初学者にもわかりやすく平易な言葉遣いを心がけ…云々」と
書かれていますが、そんな本が分かりやすかった試しがありません。

ところが、本書の登場でついにわかりやすい「入門書」を手に入れた!と狂喜したのです。
まさにタイトル通り『史上最強の哲学入門』ーーッ!!的なノリで。

「バキ」分をふんだんに取り込んだ哲学入門の書

バキ分の絵はもしかしたら好みが分かれる独特な絵ですが、私には全身が脳みそなんじゃない
かと思うほどの頭脳を持っている(と、私が思っている)哲学者たちと、むしろ脳みそまで
筋肉なんじゃないかという肉体をしているバキが合体した本というだけで期待感がすごい。

読んでみると確かに哲学入門書のように、テーマごとに各時代の哲学者たちが体系的に紹介
されていく流れが踏襲されています。

表紙や導入部だけが、ちょっと特徴的な入門書というのは、これまでにもありました。

しかし本書が秀逸だなあと思うのは、本文中の哲学者の声がバキテイストの暑苦しい感じに
なっているところ。

この冷静な頭脳の戦いとも言える哲学の分野に、バキという汗臭くて暑苦しい雰囲気と導入
しているという斬新さによって、哲学アレルギー的な人でも手に取りやすくなっています。

内容はしっかりちゃんとキモを抑えられる「入門書」

バキ分を注入しすぎて肝心の内容までバキなんじゃないか?

もしかしたらそういう心配をして、この稀代の一冊を手に取ることを躊躇っている方も居られ
ることと思います。
何を隠そう、私自身がその一人ですから。

「またこんなマンガの威を借りて哲学は身近なんだよ的なアピールをして…どうせ内容も
薄っぺらでペラペラのペラなんでしょう?」と。

この時点で私もそこまで哲学に詳しくなかったので、仮に薄っぺらな内容でも読むべき人の
一人であったことは間違い無いでしょう。

ところが本書、そんな薄いものではなかったんですね。

言うなれば「ソフィーの世界」に通ずるような、ど素人でも哲学の思考の発展史を辿り、
そしてそれはそのまま思考の深化を追うことになる本だったのです。

哲学入門書は数あれど…

哲学という、なんかモヤモヤして確固たる理論でカッチリストンと腑に落ちることがない学問
を扱うとなると、どうしても入門書的な本ばかりが出てきます。

その深遠なる真理を知りたい、と思う反面でわけのわからない理屈をこねくり回している暇人
の戯言という認識が拭えず、一般の人には理解し得ないものだと思われていたからです。

そしてそういう認識をより増長してしまったのが、すごい先生方が本当に分かりやすく書こう
としたちゃんとした入門書。

もちろん、読書のトレーニング的なことをした人が読めば分かりやすいのでしょう。
しかし私にはとてもよい睡眠導入剤となることがほとんどでした。

読み終えて、なんとなくわかった気になるけれど自分の人生に生かし切れていないというか。
そんなモヤモヤがいつも残るものばかりでした。

しかしこの本はバキ分のゴリゴリした雰囲気でゴリゴリ進めていき、ゴリゴリと頭に捻じ込ん
でくる感じにわかった様な気になります。

読んだ後に他の人にも、こんな人はこんな感じの思想よ、って説明できているんだから、
おそらくは理解できて、多少は記憶に残っているということでしょう。

読んでて楽しいというのは確かにありました。

もう高校とかの倫理・哲学の教科書はこれでいいんじゃないの?って思いますね。
ただ、バキが嫌いな人だったらちょっと辛いかもね…。

東洋哲学編もあるぞ!

そんなにわか哲学ファンの私が大絶賛する本書、『史上最強の哲学入門』ですが、
今回は西洋哲学のゴリゴリの理論派思考を説明したものでした。

理屈をこねくり回す西洋哲学は、融通が効かない感じがして私には馴染まないんですが、
この本で大まかな分野(思想のテーマ)事にすっきり整理された様に思います。

一方で感覚的ではっきりとエッセンスが掴めない東洋哲学にもこんな本ないかなーって
思って検索したら、同じく「飲茶」さんの本がありました。

そりゃそうですよね、これだけわかりやすく哲学入門書が書けるのですもの、東洋哲学編
だって書いて欲しいってなりますよね。

そんなわけでこの次は、バキ分を含んだ東洋哲学の解説も味わおうと思います。

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